2024年内の日経225先物は、不安定ながらも12月半ば以降の下落に対する修正の動きが意識されやすいだろう。12月12日につけた4万0150円を戻り高値に、米株安の影響が続くなか、17~18日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)ではメンバーらによる金利見通しがタカ派的と受け止められ、18日のNYダウは約50年ぶりの10日続落を記録し、2022年9月以来の下落幅となった。この影響を受け、19日の日経225先物は一時3万8210円まで急落する場面もみられた。
その後は18~19日の日銀金融政策決定会合で予想通り利上げが見送られ、早期利上げ観測が後退したことで、急速に下落幅を縮めた。ただし、週末20日のリバウンドは限られ、結局は6日続落し、前日に回復した25日移動平均線(3万8870円)を下回った。取引終了後のナイトセッションでは一時3万8340円まで下落し、再び75日・200日線が位置する3万8470円水準を割り込むなど、底入れを見極めづらくさせた。
ナイトセッションは売り一巡後の切り返しにより3万8880円で終えており、25日線水準を回復している。19日につけた3万8210円でのボトム形成は確認しにくいところだが、75日・200日線近辺では押し目狙いのロングに向かいやすいだろう。25日線水準での底堅さがみられてくると、前週末の調整に対するリバウンド狙いの動きが強まりそうだ。
20日の米国市場では主要な株価指数が上昇した。自律反発の域は脱していないが、ひとまず安心感につながろう。11月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.4%上昇し、市場予想の2.5%を下回った。PCEコア価格指数は同2.8%上昇となり、予想(2.9%上昇)を下回る結果だった。これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の25年の利下げペースが鈍化するとの懸念が後退した。
また、米政府が予算執行を続けるための「つなぎ予算」の期限が20日夜に迫っていたが、バイデン米大統領は21日未明、3月中旬までのつなぎ予算案に署名した。これにより政府機関の閉鎖は回避される運びとなり、センチメントの改善につながるだろう。
日経225先物は前週の下げで13週線(3万8840円)、26週線(3万8380円)を下回った。52週線(3万7940円)が意識される可能性はある。ただし、これまで4万円水準で上値を抑えられる一方で、上向きで推移する52週線が支持線として機能している。同線を下回ってくるとトレンド転換につながるが、日米の中銀イベントを通過し、今後はトランプ次期政権の経済運営を見極めたいところであり、ショートの動きは限られそうだ。
もっとも、FOMC通過後はクリスマス休暇に入る海外投資家が多い。つなぎ予算の期間が延長されたことで、より休暇に入りやすい環境が整ったともいえるだろう。主要国はクリスマスで休場を挟むこともあり、市場参加者が限られるなか、トレンドが出にくい需給状況になると考えられる。
そのため、為替動向を睨む中で、短期的な売買によって大きく振らされる可能性はあるが、早い段階でクローズに向かわせそうだ。まずは75日・200日線水準を支持線としたオプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円のレンジを想定し、25日線が支持線として意識されてくる局面では3万8750円から3万9750円のレンジに切り上げたい。
20日の米VIX指数は18.36だった。FOMCの結果判明後に一時28.32まで急伸をみせたが、20日には17.82まで低下する場面もあった。18日の上昇でボリンジャーバンドの+3σを大きく上回ったことで修正の動きは意識されていた。20日の下げで+2σ、+1σを下回り、一時17.82まで下げて75日線(17.37)に接近する場面もみられた。75日線を割り込んでくると、リスク選好からショートカバーを意識したセンチメントに向かわせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.32倍と前日から横ばいだった。17日に14.44倍まで上昇したが、FOMC後に一時14.26倍を付ける場面もみられ。ただし、同水準に位置する200日線が支持線として機能し、20日は同線からの上昇によって75日線水準を回復していた。薄商いのなか、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の影響を受けやすいが、円相場が1ドル=156円台と前週末からはやや円高に振れていることもあり、TOPIX型に傾けにくいところでもある。足もとで低下をみせているが、年末に向けて底堅さが意識されるなか、ややNTロングでのスプレッド狙いを想定しておきたい。
12月第2週(12月9日-13日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の買い越しであり、買い越し額は6341億円(12月第1週は5598億円の売り越し)だった。なお、現物は5092億円の売り越し(同1249億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は1兆1434億円の買い越し(同4349億円の買い越し)と2週連続の買い越し。個人は現物と先物の合算で3741億円の売り越しで2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2703億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、23日に米国12月コンファレンスボード消費者信頼感指数、24日に日銀金融政策決定会合議事要旨(10月30・31日開催分)、米国11月新築住宅販売件数、25日に10月景気動向指数改定値、26日に11月住宅着工件数、27日に12月東京都区部消費者物価指数、11月完全失業率、11月有効求人倍率、日銀金融政策決定会合の主な意見(12月18~19日分)、1-11月中国工業企業利益など、30日に米国12月シカゴ購買部協会景気指数、31日に米国10月住宅価格指数、米国10月ケース・シラー住宅価格指数などの発表が予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
01月限 日経225 36025.97 TOPIX 2513.46
02月限 日経225 37018.07 TOPIX 2563.93
03月限 日経225 39863.92 TOPIX 2716.15
04月限 日経225 39820.59 TOPIX 2766.89
05月限 日経225 38509.47 TOPIX 2728.75
06月限 日経225 38535.35 TOPIX 2714.56
07月限 日経225 41531.26 TOPIX 2893.54
08月限 日経225 35661.68 TOPIX 2510.68
09月限 日経225 36906.92 TOPIX 2585.41
10月限 日経225 39701.93 TOPIX 2721.72
11月限 日経225 39901.35 TOPIX 2765.26
12月限 日経225 39434.85 TOPIX 2738.68
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
25/03 12月20日 39190 39360 38690 38710 -370
25/03 12月19日 39240 39440 38210 39080 -120
25/03 12月18日 39360 39470 39090 39200 -200
25/03 12月17日 39430 39780 39340 39400 -60
25/03 12月16日 39500 39740 39370 39460 -10
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
25/03 12月20日 2736.0 2753.5 2698.5 2702.0 -26.5
25/03 12月19日 2727.0 2741.0 2669.5 2728.5 +4.0
25/03 12月18日 2729.0 2742.0 2718.5 2724.5 -7.5
25/03 12月17日 2740.0 2763.5 2723.0 2732.0 -10.0
25/03 12月16日 2748.0 2763.5 2735.5 2742.0 -5.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
12月20日(03月限) 38885 +175
12月19日(03月限) 39020 -60
12月18日(03月限) 38460 -740
12月17日(03月限) 39255 -145
12月16日(03月限) 39625 +165
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
12月13日 2086億円 -708億円 2兆0364億円 +3256億円
12月06日 2794億円 -717億円 1兆7107億円 -596億円
11月29日 3511億円 +65億円 1兆7704億円 -1509億円
11月22日 3445億円 +184億円 1兆9214億円 +4881億円
11月15日 3261億円 +540億円 1兆4332億円 +400億円
11月08日 2720億円 +513億円 1兆3932億円 +1980億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
12月18日 7008万株 +1091万株 8億9189万株 +1530万株
12月17日 5916万株 -56万株 8億7658万株 +1025万株
12月16日 5973万株 -343万株 8億6632万株 +531万株
12月13日 6316万株 -1907万株 8億6101万株 -4030万株
12月12日 8224万株 +43万株 9億0132万株 +6633万株
12月11日 8180万株 +45万株 8億3498万株 +419万株
12月10日 8135万株 +1355万株 8億3078万株 +1382万株
12月09日 6780万株 -1225万株 8億1696万株 +6961万株
12月06日 8006万株 -691万株 7億4734万株 -289万株
12月05日 8697万株 -1763万株 7億5024万株 -3503万株
12月04日 1億0460万株 -92万株 7億8527万株 +1230万株
12月03日 1億0552万株 +336万株 7億7297万株 +0.9万株
12月02日 1億0216万株 +176万株 7億7296万株 -66万株
11月29日 1億0040万株 +175万株 7億7362万株 -3778万株
11月28日 9864万株 -98万株 8億1141万株 +717万株
11月27日 9963万株 +23万株 8億0423万株 -3364万株
11月26日 9939万株 +10万株 8億3788万株 -272万株
11月25日 9928万株 +93万株 8億4060万株 +1350万株
(※次回の「株価指数先物 【週間展望】」は2025年1月5日17時の配信を予定しています)
株探ニュース
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