ECB、ハト派ではあったが、期待ほどではなかったとの見解も=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/12/13 00:58
 ユーロドルは1.05ドルちょうど付近で上下動していたが、結局、下向きの流れを強め、1.0470ドル近辺に下落している。ただ、ドル高が寄与している面も大きく、ユーロは対ポンドでは上昇している。本日はECB理事会の結果が公表され、大方の予想通りに0.25%ポイントの利下げを実施した。ECBは「必要な限り十分な長期間金利を維持」というコミットを撤回したことから、市場の追加利下げへの期待を追認する内容ではあった。

 ただ、一部からはハト派な雰囲気ではあったが、期待ほどではなかったとの見解も出ている。ECBのスタッフ見通しでは予想通りにGDPとインフレの見通しを下方修正してきた。しかし、価格見直しを促すにはあまりにも穏やか過ぎる修正だという。2025年の見通しでインフレは2.1%と、前回の2.2%から僅かに下回る程度だったことや、2026年は1.9%で変わらずだった。つまり、インフレが迅速かつ大幅に下振れするとはECBは見ていないという。

 GDPについても2025年は前回の1.3%から1.1%に下方修正されたが、今後数カ月の急速な利下げを織り込んでいる市場にとっては不十分と言える内容だという。

 また、ラガルド総裁が次回の大幅利下げについて、これまで以上に明確に反対してたことからも明らかだという。総裁は、市場は今回の理事会で一部、大幅利下げを織り込んでいたと指摘し、「物事は時が経つにつれて変化する」と述べていた。

EUR/USD 1.0475 EUR/JPY 159.57 EUR/GBP 0.8257

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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