ドル買いの流れ続く ドル円は155円を軸に次の展開待ち=NY為替概況
ドル買いの流れ続く ドル円は155円を軸に次の展開待ち=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル買いの流れは相変わらず続いていたものの、ドル円は円買いの動きもあり、方向感なく154円台で上下動した。155-160円のゾーンは上値が重くなっている一方、150円の方向に下押す動きも見られていない。155円を軸に次の展開待ちといった雰囲気となっている。
今週はウクライナ情勢に絡んだ地政学リスクへの警戒感が高まったが、米株式市場が底堅く推移したこともあり、ドル円は下値をサポートされている。一方、日米の金融政策は状況に変化はなく、FRBはデータ次第でどちらの方向にもオープンと姿勢を強調しており、市場は12月利下げを五分五分と見ている状況。日銀も同様で、各会合ごとに最新のデータと情報を点検しているとし、12月の追加利上げの可能性も捨て切れなくなっている模様。そのような中で、ドル円も方向感を出しづらい雰囲気となっているようだ。
ドルインデックスは2022年11月以来の高値で推移している。ただ、本日の場合、ドルが買われているというよりも、本日のPMIを受けてユーロやポンドといった欧州通貨の下げがドル高を演出しているといった印象もある。アナリストからは「投資家は引き続きドル高に傾斜すべきだ」との見解が出ている。その理由として、米経済の強さ、トランプ政権の緩和的な財政政策によるFRBの引き締め期待、法人税減税や規制緩和による本国回帰、そして高生産性からのインフレ抑制による実質金利上昇などを挙げている。
ユーロドルは下げを加速し、ストップを巻き込んで一時1.0335ドル付近まで下落する場面が見られた。この日発表になったドイツ、フランス、ユーロ圏のPMIが弱い内容なったことで、ユーロ圏経済の先行き不透明感が高まった格好。ユーロ圏PMI(コンポジット)は48.1まで低下し、景気判断の分岐点である50を再び下回っている。
これを受けて一旦後退していた12月のECB理事会での大幅利下げ期待が復活している。短期金融市場では0.25%ポイントの利下げは確実視している一方、0.50%ポイントの大幅利下げの確率を前日の15%から45%まで上昇させている。
ユーロドルはこのまま1.05ドルの水準を回復できないようであれば、来年にはパリティ(1.00ドル)が視野に入る可能性も排除できそうにない情勢。
きょうのポンドドルも売りが加速し、一時1.24ドル台まで下げ幅を加速する動きが見られた。5月以来の安値水準を更新している。1.26ドルが強い下値サポートとして意識されたが、一気にサポート水準をブレイクした格好。
この日の11月の英PMIが49.9と判断基準の50を下回り、ネガティブ・サプライズを引き起こした模様。一方で、さすがに過熱感も出ており、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは売られ過ぎの30を下回っている。早期に1.26ドル台を回復できないようであれば、4月につけた年初来安値1.2330ドルが視野に入る。
ただ、この日の英PMIは弱い内容ではあったものの、12月の英中銀の追加利下げへの期待まではさほど高まってはいない。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場、ドル買いの流れは相変わらず続いていたものの、ドル円は円買いの動きもあり、方向感なく154円台で上下動した。155-160円のゾーンは上値が重くなっている一方、150円の方向に下押す動きも見られていない。155円を軸に次の展開待ちといった雰囲気となっている。
今週はウクライナ情勢に絡んだ地政学リスクへの警戒感が高まったが、米株式市場が底堅く推移したこともあり、ドル円は下値をサポートされている。一方、日米の金融政策は状況に変化はなく、FRBはデータ次第でどちらの方向にもオープンと姿勢を強調しており、市場は12月利下げを五分五分と見ている状況。日銀も同様で、各会合ごとに最新のデータと情報を点検しているとし、12月の追加利上げの可能性も捨て切れなくなっている模様。そのような中で、ドル円も方向感を出しづらい雰囲気となっているようだ。
ドルインデックスは2022年11月以来の高値で推移している。ただ、本日の場合、ドルが買われているというよりも、本日のPMIを受けてユーロやポンドといった欧州通貨の下げがドル高を演出しているといった印象もある。アナリストからは「投資家は引き続きドル高に傾斜すべきだ」との見解が出ている。その理由として、米経済の強さ、トランプ政権の緩和的な財政政策によるFRBの引き締め期待、法人税減税や規制緩和による本国回帰、そして高生産性からのインフレ抑制による実質金利上昇などを挙げている。
ユーロドルは下げを加速し、ストップを巻き込んで一時1.0335ドル付近まで下落する場面が見られた。この日発表になったドイツ、フランス、ユーロ圏のPMIが弱い内容なったことで、ユーロ圏経済の先行き不透明感が高まった格好。ユーロ圏PMI(コンポジット)は48.1まで低下し、景気判断の分岐点である50を再び下回っている。
これを受けて一旦後退していた12月のECB理事会での大幅利下げ期待が復活している。短期金融市場では0.25%ポイントの利下げは確実視している一方、0.50%ポイントの大幅利下げの確率を前日の15%から45%まで上昇させている。
ユーロドルはこのまま1.05ドルの水準を回復できないようであれば、来年にはパリティ(1.00ドル)が視野に入る可能性も排除できそうにない情勢。
きょうのポンドドルも売りが加速し、一時1.24ドル台まで下げ幅を加速する動きが見られた。5月以来の安値水準を更新している。1.26ドルが強い下値サポートとして意識されたが、一気にサポート水準をブレイクした格好。
この日の11月の英PMIが49.9と判断基準の50を下回り、ネガティブ・サプライズを引き起こした模様。一方で、さすがに過熱感も出ており、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは売られ過ぎの30を下回っている。早期に1.26ドル台を回復できないようであれば、4月につけた年初来安値1.2330ドルが視野に入る。
ただ、この日の英PMIは弱い内容ではあったものの、12月の英中銀の追加利下げへの期待まではさほど高まってはいない。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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