引き続き“揺れ動き”主体、ただ“下値は限定的”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/11/20 11:40

◆ “リスク回避姿勢”台頭 - 一時“153円前半”へ急落


『米国供与の長距離ミサイルがロシア西部の軍事施設を攻撃』との報をキッカケに、昨日は“地政学的リスク”に包まれました。
さらにプーチン露大統領の『核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)を改定』と報じられたことが、“リスク回避姿勢”をさらに加速させました。
こうして主だった通貨に対して“円買い”が進行する中、ドル円は一時“153.268円”へ、その他クロス円も軒並み急落するに至っています。

一方で『ロシアは核戦争を起こさない』とのラブロフ露外相発言にて、マーケットは落ち着きを取り戻しました。
次第に“リスク回避後退→巻き戻し”へと傾斜する中、ドル円はNYタイム終盤にかけて“154.798円”へと押し戻され、そのまま昨日の取引を終えています。

◆ ただ“方向感定まらず”は何ら変わらない…?


こうして「利益確定売りの継続性」を探っていた中、「別の材料(前記リスク回避姿勢)」にて押し下げられたものの、すぐさま押し戻されました。
こうなると“方向感定まらず”は継続していると見ざるを得ず、動意づくためには“次なる材料”が必要と見るのが妥当ということになります。
ただ「トランプ・トレード」は一服、「ウクライナ情勢悪化」への思惑も一旦緩和したとあっては、「米利下げ観測後退」に揺り戻されやすいと見るべき…?
ただ本日も主だった米経済指標が不在とあっては…?

「ウクライナ情勢」には引き続き目を光らせつつも、本日も「エヌビディア決算」に絡んだ“米株価動向(特に半導体関連)”と見ておくべきかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

156.753(11/15高値、ピボットハイブレイクアウト)
156.148(+2σ)
156.045(大台、11/15~11/18の76.4%戻し)
155.779(ピボット2ndレジスタンス)
155.641(11/15~11/18の61.8%戻し)
上値5:155.354(11/18高値)
上値4:155.231(ピボット1stレジスタンス)
上値3:155.000(大台)
上値2:154.852(+1σ)
上値1:154.798(11/19高値)
前営業日終値:154.682
下値1:154.446(日足・一目均衡表転換線)
下値2:154.000(大台)
下値3:153.843(11/18安値、11/8~11/15の61.8%押し水準)
下値4:153.701(ピボット1stサポート)
下値5:153.595(20日移動平均線)
153.410(11/12安値)
153.268(11/19安値、11/8~11/15の76.4%押し)
153.000(大台)
152.860(週足・一目均衡表先行スパン上限、日足・一目均衡表基準線)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想