ドル円、154円台後半に買い戻し ウクライナ情勢で地政学リスク再燃も戻す=NY為替概況
ドル円、154円台後半に買い戻し ウクライナ情勢で地政学リスク再燃も戻す=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って買い戻しが活発化した。本日はウクライナ情勢への不透明感がさらに強まっており、プーチン大統領が核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したことで、市場は地政学的リスクを再燃。
円相場はリスク回避の円高が強まり、ドル円は153円台前半まで下落する場面も見られた。しかし、下げて始まった米株式市場に買い戻しが見られていることもあり、いまのところウクライナ情勢については、市場も静観しているようだ。米株式市場の買戻しについては、明日の引け後に決算発表を控えたエヌビディアが上昇していることが支援しているとの声も聞かれる。ただ、地政学リスクについては、この先も頻繁に意識されるとの見方も根強い。
ドル円は154円台後半まで上昇し、序盤の下げを完全に取り戻した格好となっている。ただ、選挙後のトランプトレードの勢いは弱まっており、ドル高もひと息つき、安定の兆候も見られている。投資家はトランプトレードを十分に享受したようで、米国のさらなるデータと、トランプ氏の経済政策が来年どの程度実施されるかについて、市場は模索し始めているようだ。
ユーロドルは下に往って来いの展開。地政学的リスクを再燃で、ロンドン時間に1.05ドル台前半まで下落したものの、NY時間に入って1.06ドルちょうど付近まで買い戻された。ただ、上値が重い雰囲気に変化はない。
エコノミストは、来年にユーロ圏のインフレが低下すれば、ECBは追加利下げがさらに可能になるとしたうえで、ECBによる追加利下げをあと5回、12月に1回、2025年第3四半期までに4回実施すると予想していると述べた。2025年のインフレを2.0%と予想しており、これは2024年の予想の2.3%からの低下を意味する。しかし、賃金とサービスインフレが依然高いことから、コアインフレは高水準で推移する可能性が高いとも指摘した。
なお、12月については一部から大幅利下げの期待が出ているが、ECB理事はその観測を否定しているようだ。
ポンドドルも一旦1.26ドル台前半に下落したものの、NY時間に入って買い戻しが膨らみ、1.26ドル台後半に戻している。トランプトレードのドル買いも落ち着く中、ポンドドルが反転の兆しを見せるか注目される。市場では英中銀は以前の期待ほど利下げはできないとの見方も広がっており、12月の金融政策委員会(MPC)での追加利下げは見送られるとの見方を強めている。
本日はベイリー英中銀総裁を始め、複数の英中銀委員が議会証言を行っていた。ベイリー総裁はインフレは両方にリスクがあり、段階的なアプローチが有効との認識を示し、慎重姿勢も垣間見せていた。
一方、9月に政策委員に就任したテイラー委員は、経済が低迷した場合、金利は予想よりも速いペースで引き下げられる可能性があることを示していた。段階的な利下げとは来年の約1.00%ポイントの利下げを意味すると具体的に説明していた。8月の利下げに反対票を投じていたタカ派のハスケル氏に代わったため、英中銀はハト派寄りの方向に若干傾いたようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って買い戻しが活発化した。本日はウクライナ情勢への不透明感がさらに強まっており、プーチン大統領が核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したことで、市場は地政学的リスクを再燃。
円相場はリスク回避の円高が強まり、ドル円は153円台前半まで下落する場面も見られた。しかし、下げて始まった米株式市場に買い戻しが見られていることもあり、いまのところウクライナ情勢については、市場も静観しているようだ。米株式市場の買戻しについては、明日の引け後に決算発表を控えたエヌビディアが上昇していることが支援しているとの声も聞かれる。ただ、地政学リスクについては、この先も頻繁に意識されるとの見方も根強い。
ドル円は154円台後半まで上昇し、序盤の下げを完全に取り戻した格好となっている。ただ、選挙後のトランプトレードの勢いは弱まっており、ドル高もひと息つき、安定の兆候も見られている。投資家はトランプトレードを十分に享受したようで、米国のさらなるデータと、トランプ氏の経済政策が来年どの程度実施されるかについて、市場は模索し始めているようだ。
ユーロドルは下に往って来いの展開。地政学的リスクを再燃で、ロンドン時間に1.05ドル台前半まで下落したものの、NY時間に入って1.06ドルちょうど付近まで買い戻された。ただ、上値が重い雰囲気に変化はない。
エコノミストは、来年にユーロ圏のインフレが低下すれば、ECBは追加利下げがさらに可能になるとしたうえで、ECBによる追加利下げをあと5回、12月に1回、2025年第3四半期までに4回実施すると予想していると述べた。2025年のインフレを2.0%と予想しており、これは2024年の予想の2.3%からの低下を意味する。しかし、賃金とサービスインフレが依然高いことから、コアインフレは高水準で推移する可能性が高いとも指摘した。
なお、12月については一部から大幅利下げの期待が出ているが、ECB理事はその観測を否定しているようだ。
ポンドドルも一旦1.26ドル台前半に下落したものの、NY時間に入って買い戻しが膨らみ、1.26ドル台後半に戻している。トランプトレードのドル買いも落ち着く中、ポンドドルが反転の兆しを見せるか注目される。市場では英中銀は以前の期待ほど利下げはできないとの見方も広がっており、12月の金融政策委員会(MPC)での追加利下げは見送られるとの見方を強めている。
本日はベイリー英中銀総裁を始め、複数の英中銀委員が議会証言を行っていた。ベイリー総裁はインフレは両方にリスクがあり、段階的なアプローチが有効との認識を示し、慎重姿勢も垣間見せていた。
一方、9月に政策委員に就任したテイラー委員は、経済が低迷した場合、金利は予想よりも速いペースで引き下げられる可能性があることを示していた。段階的な利下げとは来年の約1.00%ポイントの利下げを意味すると具体的に説明していた。8月の利下げに反対票を投じていたタカ派のハスケル氏に代わったため、英中銀はハト派寄りの方向に若干傾いたようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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