【これからの見通し】ドル高が一服するなかで、ドル円に売り圧力 日銀関連の話題増える

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/11/19 15:53
【これからの見通し】ドル高が一服するなかで、ドル円に売り圧力 日銀関連の話題増える

 今週に入ってから、ドル高の動きは一服している。いわゆるトランプトレードへの思惑は強いものの、短期的には新たな材料が欲しいところとなっている。そのなかで、ドル円も上昇一服。今度は日銀関連の話題が増えてきている。日銀の次回会合は12月19日とまだ1カ月先だが、そろそろ利上げに向けた地ならしが始まるタイミングとなっているようだ。

 市場での12月日銀利上げ観測は5割強となっており、一時よりも増えてきている。ただ、5割強ではまだ半々の域を出ない。不透明感が広がるなかで、昨日の植田日銀総裁の経済懇談会・会見に対する市場の反応も定まらない状況だ。植田総裁は見通し通り進展してゆけば、緩和の度合いを調整するとの従来からの姿勢を繰り返した。

 足元の市場では、このところの円安の進行、しっかりとしたインフレの足取り、経済成長などを受けて追加利上げの環境は整ってきたとの見方が増えてきているようだ。言葉尻をとらえて、利上げの材料としやすい局面になっているもよう。12月会合では、いわゆる金融政策のレビューも発表される。黒田日銀時代の超緩和政策の効果に対する検証が中心となる。デフレの終焉が印象付けられる内容となれば、追加利上げにつながるとの見方もあるようだ。

 ただ、12月19日の決定会合までは、ちょうどあと1カ月ある。しばらくは市場との対話・コミュニケーションが続くこととなる。ドル円相場にとっては再びボラタイルな局面を迎えることとなりそうだ。今週は、21日にも植田日銀総裁の講演が予定されており注目される。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏経常収支(9月)、ユーロ圏消費者物価指数(HICP・確報値)(10月)、ハンガリー中銀政策金利(11月)、米住宅着工件数(10月)、カナダ消費者物価指数(CPI)(10月)など。カナダ消費者物価指数の予想は前年比+1.9%(前回+1.6%)、前月比+0.3%(前回-0.4%)と低下一服が見込まれている。トランプ関税政策への思惑もある。カナダ中銀は10月に50bp利下げを実施したあとで、次回12月では25bp利下げにペースダウンするとの観測を高めそうだ。

 発言イベント関連では、エルダーソンECB理事、パネッタ伊中銀総裁が講演、ミュラー・エストニア中銀総裁が金融安定報告について会見を行う。続いてベイリー英中銀総裁、ロンバルデッリ英中銀副総裁、マン英中銀委員、テイラー英中銀委員などが財務委員会に出席する。英予算やトランプ政策について言及がありそうだ。明日の英消費者物価指数は票を控えて、ポンド相場に関する材料も豊富になっている。米国ではシュミッド・カンザスシティ連銀総裁が経済見通しおよび金融政策について講演を行う。米企業決算発表は、ウォルマート、ロウズなどが注目されそうだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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