ポンドの下げがきつい 予算案への懸念続く=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/10/31 23:25
 先ほどから為替市場は全体的にドル買いが強まっており、各通貨ペアはドルに対して売りが強まっているが、特にポンドの下げがきつい。ポンドドルは短時間に1.30ドル近辺から急速に1.28ドル台まで一時下落している。

 英国債市場では売りが続いており、利回りが急上昇している。英10年債は一時4.53%近くまで上昇。市場の一部からは前日のリーブス英財務相の秋季予算案が指摘されている。財政ルールを変更し、今後数年間の大幅な借り入れを可能にした。増税も発表したが、公共サービスの拡大など財政刺激策も明らかにしている。

 今回の英国債の下落は2年前のトラス政権が、財源の裏付けがない大型減税を発表した際の混乱とは比較にならないものの、リーブス財務相が市場を味方につけるには微妙なかじ取りが求められることを浮き彫りにしたとの評価も聞かれる。英労働党は財政健全化を旗印に掲げていたが、その予算案に英国債は下落(利回り上昇)で反応している状況。

 英中銀の利下げ期待も後退しており、短期金融市場が織り込む来年末までの英中銀の利下げは計1.00ポイントに後退している。先週末の25日には1.25%と見込まれていた。

GBP/USD 1.2913 GBP/JPY 197.30 EUR/GBP 0.8410

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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