円売り強まる、首相と日銀総裁の会談を受けて利上げ観測後退=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/10/02 20:35
円売り強まる、首相と日銀総裁の会談を受けて利上げ観測後退=ロンドン為替概況

 ロンドン市場では、円売りが強まっている。この日、石破首相と植田日銀総裁が初の会談を実施、意見交換した。植田日銀総裁は、「政府と日銀は緊密に連携することで一致」「極めて緩和的な状況で経済支えてる状態にある」「経済物価見通しが日銀の見通し通りなら、見極める時間十分ある」と述べ、利上げ姿勢を封印していた。その前に報じられた加藤財務相からも「金利が上がること前提ではなく、適切な金融政策を期待」との発言があった。そして、石破首相が「現在、追加の利上げをするような環境にはない」と明言したことで、円売りが一段と勢い付いている。ドル円は前日NY終値143.57付近から一時144.86近辺まで急伸。クロス円も買われ、ユーロ円が160円台乗せ、ポンド円が192円台乗せへと上伸している。先週の自民総裁選前の水準まで円安が進行しており、いわゆる石破ショック相場を解消する動きとなっている。中東情勢が一段と緊迫化しているが、この時間帯はリスク回避の動きは収まっている。欧州株は高安まちまち。原油相場は引き続き上昇。米債利回りは上昇している。ユーロドルは1.10台後半、ポンドドルは1.32台後半から1.33台乗せまでの振幅が続いている。

 ドル円は144円台後半での取引。この日は円安が強まっている。東京朝方の143.43近辺を安値に、東京昼過ぎには144円台に乗せた。しかし、東京午後には中東リスクが意識されて143.50台まで反落。そして、ロンドン時間に入ると加藤財務相の利上げけん制発言に続いて、石破首相と植田日銀総裁の初の会談後に首相が「現在、追加の利上げをするような環境にはない」と明言したことで144.86近辺まで急上昇した。植田日銀総裁も利上げ路線を封印している。

 ユーロドルは1.10台後半での取引。ロンドン朝方に1.1054近辺まで下落、ロンドン序盤に1.1083近辺まで上昇。レンジ相場が続いている。ユーロ円はドル円とともに買われている。ロンドン早朝に158.71近辺を安値に、足元では160.33近辺まで高値を伸ばしてきている。対ポンドでは前日終値を挟んだ上下動にとどまっている。円相場主導の展開となっている。

 ポンドドルは1.32台後半での取引。ロンドン早朝の1.3261近辺を安値にロンドン序盤には1.3306近辺まで高値を伸ばした。その後は売買が交錯、揉み合いとなっている。ポンド円はロンドン早朝の190.42近辺を安値に買われ、足元では高値を192.36近辺まで伸ばしている。ユーロポンドは0.8321から0.8338までのレンジで方向感に欠ける取引となっている。 

minkabu PRESS編集部 松木秀明 

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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