株価指数先物 【週間展望】 ―週初の急落で需給整理が一気に進展しロング対応へ

配信元:株探
投稿:2024/09/29 17:00

 今週の日経225先物は、波乱の展開から始まることになりそうだ。先週の米国市場は年内の追加利下げへの期待からNYダウ、 S&P500指数が連日で史上最高値を更新。中国の景気刺激策発表も材料視されたほか、マイクロン・テクノロジーの決算評価で他の半導体株に買いが広がる場面もみられ、主要な株価指数が週間ベースで上昇した。国内では良好な外部環境に加えて、9月期末の配当志向の物色や配当再投資に伴う需給が指数を押し上げる形となった。

 また、自民総裁選を巡る思惑が相場の大きな変動要因となった。1回目の投票では、高市早苗氏が1位、石破茂氏が2位となった。日銀の利上げに批判的な高市氏がトップで決選投票に進んだことで、為替市場では1ドル=146円台に円安が進行し、これを受けて日経225先物は終盤にかけて急伸し、一時3万9900円まで買われた。

 だが、決選投票では石破氏が逆転し、新総裁に選出。直後に円相場は一気に円高に振れ、日経225先物はナイトセッションで直近2日間の上昇分を帳消しにし、一時3万7290円まで急落し、日中比2410円安の3万7440円で終えている。

 週初はこの下落に対する裁定解消売りが入るほか、ヘッジ対応のショートが強まりやすい。先週は9月2日の戻り高値3万8950円を突破し、13週移動平均線(3万7750円)、26週線(3万8120円)を大きく上放れて終えたが、ナイトセッションでこれらを割り込んでいる。75日線(3万8050円)を割り込んで始まり、200日線(3万7390円)、25日線(3万7350円)水準まで下げており、両線が支持線として機能するかを見極めることになりそうだ。

 もっとも、高市氏の勝利を織り込んだ短期的な急伸後の急落であり、週初の波乱展開により需給整理は一気に進むとみられる。相場の落ち着きどころを探りつつ、改めて新政権への政策期待が高まる可能性があり、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。石破氏勝利で利上げ観測の高まりも警戒されそうだが、石破氏は日曜日の報道番組に出演し、政策金利の引き上げに慎重な姿勢を示している。貯蓄から投資の流れは止めてはいけないとも述べており、イレギュラー的な下落はロングの好機になりそうだ。

 一方で、今週の米国では、10月1日に9月ISM製造業景気指数、2日に米国9月ADP雇用統計、4日には9月雇用統計などの発表が予定されている。改めて経済指標の結果を受けた米国の金融政策の行方に関心が向かうことになろう。年内の大幅利下げ観測が高まるようだと、NYダウ、S&P500指数の高値更新が意識されやすく、支援材料になる可能性がある。

 そのため、ボトムは見極めづらいものの、まずはオプション権利行使価格の3万7000円から3万8000円のレンジを想定しておきたい。先週末の急伸でボリンジャーバンドの+2σを突破し、+3σ(4万0070円)に接近していた。過熱感が警戒されるなか、ナイトセッションで一気に中心値(25日)まで下げている。3万7000円を割り込んでくると-1σが位置する3万6260円が意識される局面もありそうだが、25日線水準で底堅さがみられれば、75日線辺りを意識したリバウンドに向かわせよう。75日線突破後はさらにショートカバーを交えた値動きによって、3万8000円から3万9000円のレンジに移行するだろう。

 なお、27日の米VIX指数は16.96(前日は15.37)に上昇した。ボトム圏での推移が続くなか、先週は週初に75日線を割り込み、その後も低下傾向をみせ200日線に接近していた。これまでも200日線が支持線として機能していたこともあり、反転しやすいところでもあったとみられる。週末には75日線(16.49)を上回り、25日線(17.34)に接近してきた。同線を上回ってくると慎重姿勢につながる可能性はあるが、基本的には20.00を明確に上回ってくるまでは、リスク選好の動きに向かいやすい。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.51倍に上昇した。指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035> [東証P]、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]などが後場一段高となった影響が大きかった。一方で、東証プライムの騰落銘柄では値下がり数が過半数を占めるなど日経平均型に買いが集中していたため、ナイトセッションの動きから、NTロングのリバランスの動きが入りそうだ。ただし、一気に需給整理は進展するとみられ、リバランス一巡後はNTロングを意識しておきたいところである。

 9月第3週(9月17日-20日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では5週連続の売り越しであり、売り越し額は7622億円(9月第2週は1兆0981億円の売り越し)だった。なお、現物は5122億円の売り越し(同1兆5425億円の売り越し)と5週連続の売り越しであり、先物は2500億円の売り越し(同4444億円の買い越し)と5週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で3421億円の売り越しで3週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で734億円の買い越しとなり、3週ぶりの買い越しだった。

 主要スケジュールでは、9月30日に8月鉱工業生産、中国9月製造業PMI、米国9月シカゴ購買部協会景気指数、パウエルFRB議長講演、10月1日に8月完全失業率、日銀金融政策決定会合の主な意見、日銀短観、米国9月ISM製造業景気指数、米国8月JOLTS求人件数、米大統選副大統領候補テレビ討論会、2日に米国9月ADP雇用統計、3日に米国9月ISM非製造業景気指数、4日に米国9月雇用統計などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
10月限 日経225 32360.91  TOPIX  2326.75
11月限 日経225 32454.88  TOPIX  2318.99
12月限 日経225 32639.57  TOPIX  2343.77
01月限 日経225 36025.97  TOPIX  2513.46
02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93
03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15
04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89
05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75
06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56
07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54
08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68
09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 09月27日  38820  39900  38750  39850  +1190
24/12 09月26日  37760  38740  37760  38660  +1000
24/12 09月25日  37920  38090  37480  37660  -160
24/12 09月24日  37790  38420  37690  37820  +290

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 09月27日  2706.5  2757.0  2690.0  2746.0  +48.0
24/12 09月26日  2633.5  2701.0  2633.5  2698.0  +69.5
24/12 09月25日  2644.0  2655.5  2620.0  2628.5  -8.5
24/12 09月24日  2631.5  2675.5  2630.5  2637.0  +21.5

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
09月27日(12月限) 37450  -2400
09月26日(12月限) 39280  +620
09月25日(12月限) 37980  +320
09月24日(12月限) 37670  -150
09月23日(12月限) 38115  +585
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
09月20日    1573億円  -116億円 1兆8166億円  +3909億円
09月13日    1690億円 -2543億円 1兆4256億円  +3072億円
09月06日    4233億円  -706億円 1兆1184億円  -4548億円
08月30日    4940億円  -428億円 1兆5733億円  -313億円
08月23日    5368億円  -25億円 1兆6046億円  +374億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
09月25日    4315万株   +559万株  6億2695万株   -5558万株
09月24日    3756万株   -187万株  6億8253万株   -1057万株
09月20日    3943万株   +435万株  6億9310万株   +1910万株
09月19日    3508万株   +344万株  6億7400万株   +1187万株
09月18日    3164万株    -25万株  6億6212万株   +4143万株
09月17日    3189万株   -2161万株  6億2069万株   -6026万株
09月13日    5350万株 -1億1836万株  5億6042万株   -4643万株
09月12日  1億7186万株   -4137万株  6億0686万株   +1億5176万株
09月11日  2億1324万株   +3705万株  4億5510万株   +3553万株
09月10日  1億7618万株   +694万株  4億1956万株   +1241万株
09月09日  1億6923万株   +3502万株  4億0715万株   -1126万株
09月06日  1億3421万株   -3199万株  4億1841万株   +252万株
09月05日  1億6621万株   -196万株  4億1589万株   +369万株
09月04日  1億6818万株   +850万株  4億1220万株   -1億0997万株
09月03日  1億5968万株   +323万株  5億2217万株   -2307万株
09月02日  1億5645万株    +8万株  5億4525万株   -1386万株

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