【QAあり】ドラフト、上期予想、売上高・各段階利益とも 10%超上振れ 通期予想に対する進捗率も順調

投稿:2024/08/21 19:00

COMPANY PROFILE

荒浪昌彦氏:みなさま、こんにちは。株式会社ドラフト代表取締役の荒浪です。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。先日発表した当社の第2四半期の決算についてご説明します。

まず、簡単な会社概要です。当社は「ALL HAPPY BY DESIGN」を理念に、デザインの力で世界にHAPPYの循環を作り出し、社会に貢献することを目指しています。

COMPANY PROFILE

当社グループは、デザイン事業を100パーセントとした単一セグメントで、インテリアデザイン、建築デザイン、プロダクトデザイン、ブランディングなど、デザインを軸に分野横断的な活動を行い、事業や社会の課題をデザインの力で解決しています。

Villa ASO

最近の事例をいくつかご説明します。スライドの写真は、株式会社ひらまつさまが代官山に構える「リストランテASO」です。みなさまご存じのとおり、ひらまつさまは上場しており、レストラン経営等を行っていますが、「リストランテASO」は戦略的な位置づけで運営されています。この建物自体はかなり古くからありますが、当社が新しくリデザインした案件です。

Villa ASO

「リストランテASO」は非常に伝統のある建物ですので、古いところを活かしながら、いかに現代的にデザインし直すかというところに注力しました。改装後、営業は非常に好調だとうかがっています。このように、古いものに新しい価値をつけていくことが当社の事業の1つです。

太陽インキ製造 InnoValley

埼玉にある太陽インキ製造株式会社さまの研究開発施設も、当社がデザインした案件です。

太陽インキ製造 InnoValley

こちらは、私にとって非常に感慨深い案件です。当社の事業は小さなオフィスのデザインからスタートしていますが、その頃は主にIT企業がクライアントでした。

そして、案件の規模もだんだん大きくなり、当社の知名度も上がってくる中で、オフィスを自分の会社のブランディングの一部と位置づけて大胆に変えるお客さまもだんだん増えてきました。しかし、メーカーがこのようなことを行うという認識が私にはありませんでしたので、時代が変わったと非常に感じた案件でした。

一昨年に総合商社である兼松株式会社さまの東京本社も担当しましたが、あのようなレガシーな大会社の方々も空間デザインを非常に重視するようになったのかと、大きな時代の流れを感じたプロジェクトでした。

Salone del Mobile.Milano 2024 “Pointillisme”

当社のもう1つの軸として、インテリアデザインの事業にも取り組んでいます。スライドの写真は、4月にイタリアで開催された「ミラノサローネ」という世界的なインテリアデザインの展示会に出展した当社のブースです。

Salone del Mobile.Milano 2024 “Pointillisme”

この「ミラノサローネ」はかなり大規模で、多数の会社が参加します。展示室がいくつかある中で、今年は限られた企業だけが展示できるブースに出展することができました。

「ミラノサローネ」には昨年から参加していますが、昨年の実績が認められて、今年は著名ブランドが集まるブースに出展することができました。この場所に出展できた日本企業は、当社以外にもう1社だけで、インテリアデザインの領域でも今着実に力を伸ばしています。

2024年12月期2Q 業績ハイライト 前年同期比

第2四半期の業績についてご説明します。売上高66億8,500万円、営業利益5億7,900万円、経常利益5億5,900万円、純利益3億4,200万円と、昨年に比べて大きく伸びています。これは当社グループのデザインに対する根強い需要に加え、四半期ごとの売上高のデコボコがかなり解消してきていることが要因です。

スライドには2023年12月期第2四半期の数字も載っていますが、昨年は上半期と下半期で売上が4:6の割合でした。特に第4四半期にかなり売上を計上していて、第2四半期の時点では営業損失、経常損失の状態でした。今年の業績予想では上半期と下半期で1:1の売上比率を計画していますが、その水準をほぼ達成し、営業利益、経常利益ともにプラスに持っていくことができています。

売上高は前年同期比71.2パーセント増となりました。営業利益は昨年のマイナスから前年同期比6億7,500万円増に転じ、経常利益も前年同期比6億7,100万円増となっています。

販管費は昨年に比べて増加しています。主な要因は人件費で、人員増と昇給によるものです。また、広告宣伝費も増加していますが、これは先ほどお伝えした「ミラノサローネ」の出展によるものです。いずれについても、当社としては成長のために必要な費用だと考えています。

2024年12月期2Q 業績ハイライト 期初予想比

期初予想に対する進捗です。スライド中央の網かけの数字は先ほどご説明した実績、左側は第2四半期の期初予想の数字です。

売上高60億円と予想していましたが、それを11.4パーセント上回り、66億円で着地しました。営業利益および経常利益も、期初予想を上回る進捗となっています。

業績ハイライト 規模別売上高と平均売上高

売上高についてもう少し詳しくご説明します。スライド左側のグラフは、規模別売上高の推移です。一番濃い色は1億円以上のプロジェクトを示しています。前年同期には1億円以上の案件の合計売上高は17億円でしたが、それが50億円に大きく増加しています。

右側のグラフは、プロジェクトの上位30件の平均売上高です。こちらも前年同期時点の9,600万円から、1億8,900万円と大きく伸びています。このように、案件規模は年々拡大していますが、今年もその傾向が続いています。

先ほど、売上の四半期ごとの偏りがなくなってきたとお伝えしました。その要因の1つとして、案件規模が大きくなってきていることが挙げられます。いわゆる進行基準の適用案件が増えたことで、四半期ごとのデコボコがそれほどなく、売上が計上できる体制になってきていると考えています。

業績ハイライト 直接利益率の推移

利益についてご説明します。当社の事業には、大きく2つのタイプがあります。1つは設計デザインから施工までを行うデザインビルドという案件、もう1つは設計デザインのみを受注する案件です。

スライド左側のグラフは、設計から施工までを行うデザインビルドの利益率です。デザインビルドでは外注費がいろいろ発生しますので、粗利率は36.7パーセントとなりました。

一方で、設計デザインのみの案件では、労務費はかかりますが外注費がほとんど発生しません。したがって、粗利率は設計デザインのみの案件のほうが高くなる傾向があり、85.6パーセントとなりました。

なお、当社の管理会計上では、粗利率のことを直接利益率と表現しています。スライド右側のグラフは、それをトータルした直接利益率の推移です。順調に上がっており、適正水準である37パーセントから39パーセントの間で推移しています。

業績ハイライト 領域別売上高の前期比

領域別売上高の前期比です。当社では売上高を2つの領域に区分しています。1つが「オフィスデザイン・プロジェクトマネジメント・その他」で、もう1つが「ディスプレイデザイン・建築デザイン・その他」です。

当社は、オフィスのデザインからスタートしました。そのため、もともとオフィスデザインの領域が多かったのですが、案件規模が拡大し、クライアントが広がってくるにつれて、それ以外の商業施設やビル1棟のディスプレイデザインや建築デザインの領域が伸びてきています。

スライド左側のグラフは、「ディスプレイデザイン・建築デザイン・その他」の前年との比較です。前年同期に21億円だったものが31億円に伸びており、伸び率は47.7パーセントとなっています。

一方で、スライド右側のグラフは「オフィスデザイン・プロジェクトマネジメント・その他」の前年との比較です。前年同期の17億円から35億円に伸びており、伸び率は99.4パーセントとなっています。第2四半期に関しては、こちらの領域の伸びのほうが大きくなりました。

2024年12月期 業績見通し

業績見通しについてお話しします。先ほどご説明したように、第2四半期の業績は期初の予想に対して上回る状況となりました。

しかし、現時点では通期の業績予想は期初予想から据え置いています。売上高120億円、営業利益9億8,000万円、経常利益9億6,000万円、純利益5億8,000万円という計画は変更していません。

これには理由が2つあります。1つ目に、過去の傾向から言いますと、売上は下半期のほうが伸びるのですが、今期に関してはかなり平準化してきたためです。2つ目に、12月末の期をまたぐ進行基準の案件がどのくらい積み上がるかが、現時点ではまだはっきりしないためです。

当社の事業の進捗状況で言いますと、12月に売上計上となる案件は9月、10月くらいまで入ってきますので、今ちょうど第4四半期の案件が積み上がっています。その中でどれくらいのものが進行基準の対象になり、さらに今期どのくらいの売上計上になるかがまだ見えないため、業績予想については据え置きとしました。

状況がはっきりして、修正の必要が生じた際には、速やかに公表したいと思っています。

株主還元策

株主還元策については、成長資金を留保しながら、株主への還元を継続したいと考えています。今のところ、期初予想から変えておらず、1株当たりの配当金は昨年同様、6.0円で開示しています。

ただし、こちらについても成長資金やキャッシュの状況を踏まえて変更する場合には、速やかに開示したいと思っています。

株主還元策

株主優待として、当社がデザインした「QUOカード」の進呈も継続して実施したいと思っています。

質疑応答:代表が2人体制になってからの状況について

「今年3月に荒浪氏が代表取締役に就任し、創業者でもともとの代表取締役である山下泰樹氏と代表が2人体制になりました。半年が過ぎた状況を教えてください」というご質問です。

まず、2人の代表の役割の違いからご説明します。代表の山下はデザインと執行の代表者を兼ねています。一方、私はやや離れたところから執行チームの牽制を行っています。また、リスク管理を行うとともに、投資家のみなさまからいただいた意見を経営にどう活かしていくかというIRを担当しています。

私の役割は執行から離れているとはいえ、執行にかなり近いところで動いています。そのため、通常の社外取締役や監査等委員とは違い、経営に非常に近いところで仕事ができています。半年間、この体制を敷いてみて、非常に良かったと山下とも話しています。

良かった点は主に2つあります。1つは、当社が牽制やリスク管理を大事にしていることを社内外にきちんと伝えられた点です。特に監査法人のみなさまに非常に喜んでいただきました。「デザイナーがトップを務める会社は、コーポレートガバナンスがなかなか効きにくいところがあります。しかし、あえて代表を1人そのポジションに専任で置くというのは、監査法人としても非常に良かったと思っています」というお話をいただきました。

また、従来の代表取締役の山下が1人で権限を持つのではなく、同じ代表という立場の人間がきちんと牽制を効かせているという点は、社員から見ても、非常に安心感がある印象を受けると思います。

もう1つは、私が代表取締役としてIRを担当するようになったことです。これまでは、山下がデザイナーとしての事業に専念していたため、CFOの熊川久貴がIRを担当していました。しかし、個人投資家のみなさまと対話する中で、代表取締役が出てきて話をするとやはり違うということがわかりました。私がIR担当になってから、地方の個人投資家向け説明会などに行っても、いろいろなお話をしていただけるようになったと思っています。

現状、他の会社にはなかなかないスキームになっており、繰り返しになりますが非常に良い体制だと感じています。山下と私の関係を心配する方も時々いらっしゃるのですが、山下とは常にコミュニケーションを取っています。私は私の立場で、山下は山下の立場で、経営をどうするか議論している状況です。この関係をさらに進化させていきたいと思っています。

今後ともよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

関連銘柄

銘柄名称 株価 前日比
550.0
(08/30)
-2.0
(-0.36%)