フランスの未解決の政治問題がユーロに暗雲との声も=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/08/20 03:27
 きょうのユーロは対ドルのみならず対ポンドでも買いが強まっており、ユーロドルは1.10ドル台後半まで一気に上昇。年初来の高値を更新している。今週はFOMC議事録やジャクソンホール会合が予定されており、市場はFRBの利下げへのヒントを期待している。一方、今週は4-6月期(第2四半期)の労使交渉での妥結賃金がECBから公表される。第1四半期は伸びが加速していたが、第2四半期もその流れに変化がなく、強めの数字が出るようであれば、9月のECBの利下げ期待に一石を投じるかもしれない。短期金融市場では9月利下げを完全に織り込んでいる状況。

 ただ、ユーロへの不安感も根強い。フランスの未解決の政治問題が引き続きユーロに暗雲を投げかけている。フランスの左派強硬派が自分たちの首相候補を選出しなければ、マクロン大統領を弾劾すると脅している。先の総選挙から6週間が経過したが、フランスではまだ首相が決まっていない。

 マクロン大統領と政治グループとの会談が今週予定されているが、首相選びでのこれ以上の遅延や混乱は、フランスとドイツの10年債利回り格差に再び圧力をかけ、ユーロに問題をもたらすとの指摘も出ているようだ。

EUR/USD 1.1083 EUR/JPY 162.38 EUR/GBP 0.8531

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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