シーラテクノロジーズ Research Memo(6):太陽光発電など再生可能エネルギー関連事業も拡大

配信元:フィスコ
投稿:2024/08/19 13:26
*13:26JST シーラテクノロジーズ Research Memo(6):太陽光発電など再生可能エネルギー関連事業も拡大 ■シーラテクノロジーズの事業概要

5. その他事業
その他事業では、再生可能エネルギー関連事業を行っている。子会社のシーラソーラーが、非FIT太陽光発電設備※の設計/施工/調達/販売/運営/保守メンテナンス、売電、再生可能エネルギー関連商品の販売のほか、旧 シーラバイオテックが太陽光発電パネルを搭載したコンテナ型データセンターの販売や維持管理、バイオマス発電などを展開している。

※固定価格買取制度の適用を受けていない発電設備のこと。


同事業の強みは、太陽光発電システムの施工・販売から保守・メンテナンス、さらに売電まで関連業務を一括受託するトータルソリューションや、グループ内の「利回りくん」を活用して投資家の出資を獲得できることである。「利回りくん」では、シーラソーラーとシーラバイオテックの共同事業として太陽光データセンター「ABURAJIMA」の運営を2022年7月に開始した。同8月にはシーラが「利回りくん」を活用して「ABURAJIMA」ファンドを組成した。

2023年12月にはシーラソーラーが、徳島県三好市で実施されている次世代ソーラーシェアリングプロジェクト「UMABA PROJECT」に、太陽光発電設備の設計・施工事業者として参画した。中山間地域での再生可能エネルギーの普及促進とともに、休耕地・荒廃農地の有効活用による農業衰退の活性化や農業従事者の確保を目指し、その成果として脱炭素社会に向けた持続可能で横展開可能な自立型営農ソーラーの構築が期待されている。2024年3月にはシーラソーラーがリブザクリエイティブ(株)と包括業務提携契約を締結した。シーラソーラーの太陽光発電所開発の知見とリブザクリエイティブのドローン技術を活用した測量業務により、土地の現地調査の精度向上や効率化など開発プロセスの効率向上を推進する。

6. リスク要因と対策・課題
不動産関連事業における一般的なリスク要因としては、不動産市況(地価・賃料、オフィス空室率・賃貸住宅稼働率など)や金利変動の影響、建築コスト上昇、開発物件・土地の在庫リスク、法的規制などが挙げられる。しかし同社においては「利回りくん」運営を活用することで、対象不動産オフバランス化による財務構造の改善や不動産価格変動リスク分離を図り、さらに物件売却後のAPBM収入と自社保有不動産から得られる家賃収入が安定収益源となるビジネスモデルである。一般的な不動産デベロッパーに比べて業績変動リスクを抑えられ、利用しやすい工夫がなされている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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