シーラテクノロジーズ Research Memo(4):不動産デベロッパー事業は自社ブランドを中心に展開

配信元:フィスコ
投稿:2024/08/19 13:24
*13:24JST シーラテクノロジーズ Research Memo(4):不動産デベロッパー事業は自社ブランドを中心に展開 ■シーラテクノロジーズの事業概要

3. 不動産デベロッパー関連事業
不動産デベロッパー関連事業は、子会社のシーラが事業を行っている。自社オリジナルブランド「SYFORME(シーフォルム)」などの投資用マンションを中心とする各種不動産の企画/仕入/開発/施工/販売/賃貸管理/建物管理のほか、自社保有物件の賃貸等を行っている。「真に価値あるコンパクトマンション」の供給を目指し、東京23区や横浜・川崎エリアを中心にエリア特性に応じて比較的コンパクトサイズで高品質なレジデンスや商業用施設などを供給している。販売は企業やファンド向けの1棟販売や投資家向けの区分販売が中心で、販売後の賃貸管理/建物管理に関わる収入が安定収益源となる。

2012年1月に自社ブランドマンション第1号として「SYFORME IRIYA」を販売して以来、2023年12月期末時点で累計供給棟数は79棟、累計管理棟数は57棟、累計管理戸数は3,328戸、入居率は99.4%(いずれも「利回りくん」ファンドからの受託を含む)となっている。また2024年4月末時点では累計供給棟数84棟、累計管理戸数3,390戸、入居率は99.8%となった。賃貸用不動産としての自社保有物件は、2023年12月期末時点で商業用ビル13棟(家賃収入380百万円)、レジデンス267戸(家賃収入338百万円)で、これも安定収益源となっている。

不動産デベロッパー関連事業は、2021年9月に特定建設業免許を取得したことで自社開発物件の自社施工やほかの事業会社からの工事請負も可能となり、翌年12月に自社施工第1号物件となる「SYFORME HIGASHI-IKEBUKURO」を竣工した。従来の主力のレジデンス開発に加え、オフィスビル、商業ビル、宿泊施設などの大規模案件の取得・開発に向けて体制を強化した。そして2023年12月には、リゾートタイプの自社ホテルブランド「SYLA HOTEL」シリーズ第1弾となる「SYLA HOTEL ZUSHI-HAYAMA」(宿泊定員6〜12名、施設運営は(株)羅針盤)を開業した。さらに2024年3月には東京都江東区に同社初のオフィスビルとなる「SYLA TOYOCHO」を竣工した。

2023年11月にはETPより建築塗装FC事業「スターペイント」を譲り受け、東証に上場している大手塗料メーカーと業務提携した。これによりFC加盟店とともに地域に根付いたサービスを提供するほか、シーラにおける建築コストの低減、管理物件の大規模改修コストの低減、新規事業としての戸建住宅リフォーム分野への展開などを進めていく。2024年5月には事業譲受後の初のFC店舗となる「スターペイント和歌山ショールーム」を開業した。

2023年12月には、米BlackRockのリアルエステート部門が運用する私募ファンドと協業合意した。シーラが開発する「SYFORME」シリーズを中心に日本における不動産プロジェクトへの投資機会を提供するなど、相互連携を強化する。これに伴い4物件を米BlackRockに売却(2023年12月期に3棟、2024年1月に1棟)した。今後も大口顧客としての取引が期待される。

2024年1月にはクミカ(旧 リベレステ)と資本業務提携した。クミカは南関東エリアにおいてファミリータイプマンションを中心に不動産企画・開発・販売を行っており、シーラと合計すると首都圏でトップクラスのマンション供給デベロッパーとなる。資本業務提携によって、不動産開発エリアの補完、投資用マンションとファミリーマンションの開発・販売を強化するとともに、大型物件の共同開発・共同プロジェクトも推進する方針だ。これらの業容拡大に向けた施策により、シーラにおけるストックアセットの多様化と収益拡大に加え、「利回りくん」の供給商品のバリエーションと量を増やしていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

<SO>
配信元: フィスコ