~気候変動への適応研究を加速させ、ホップ産業への貢献と持続的な原材料調達を目指す~
キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志、以下キリン)の飲料未来研究所(所長 森木博之)と、東京大学発スタートアップ企業の株式会社CULTA(CEO 野秋収平、以下CULTA)は気候変動に適応したホップ生産に関する共同研究を2023年8月より開始し、ホップの屋内栽培技術を確立しました。この屋内栽培技術によって、屋外では夏季にしか収穫できなかったホップを、他の季節でも収穫することに成功しました。今後、年間の収穫、評価の回数を増やすことでホップの気候変動への適応研究を加速させます。
■研究背景
ビールの原材料であるホップの収穫時期は日本においては一般的に年1回夏季のみであるため、収穫したホップの品質評価も年1回しか行うことができません。加えてホップの生育は気候や病虫害の発生などの外部環境にも左右されやすいため、品種改良には10年以上の長い期間を要し、栽培技術の開発や評価にも多くの労力がかかります。
昨今、気温上昇や干ばつによるホップの収量・品質低下も深刻な問題となっていることから、気候変動に対応する品種改良や栽培技術の開発は喫緊の課題となっています。
■研究成果(概要)
今回、当社はホップの屋内栽培技術を確立し、屋外では夏季にしか収穫できないホップを他の季節でも収穫することに成功しました。この技術によって年に複数回ホップを収穫、品質評価でき、外部環境にも左右されないため、ホップの品種改良や栽培技術開発のサイクルを早めることができます。さらにホップの生育メカニズム解明や、今までにない新しい栽培技術の開発にもつながる可能性があります。
ホップの毬花 ホップの屋内栽培の様子
■今後の展開
気候変動に適応したホップの品種改良・栽培技術の研究開発を加速させ、急激な環境変化に対応していくことで、持続的なホップ生産の実現を目指します。
今後もキリングループは、複合的に発生し相互に関連する環境課題(生物資源・水資源・容器包装・気候変動)に統合的に取り組み、豊かな地球の恵みを将来にわたって享受し、引き継ぎたいという思いをバリューチェーンに関わるすべての人々とともにつなぐべく、自然と人に「ポジティブインパクト」を与えるさまざまな取り組みを積極的に進めていきます。
研究成果について
<背景・目的>
ホップはビール醸造に欠かせない原材料の一つであり、日本においては一般的に年に1回夏季に収穫されます。近年、気候変動、特に気温上昇や干ばつによるホップの収量・品質低下が問題となっており、品種改良や栽培技術の迅速な開発が求められています。屋外でのホップ栽培は、収穫と品質評価が年に1回しかできないため、品種改良には10年以上の長い期間が必要です。また、気候や病虫害の発生等の外部環境に生育が左右されやすいため、栽培技術の開発や評価を行うにも労力がかかります。一方、屋内栽培は人工的に制御した環境で、光・水・施肥等を最適に管理してホップを栽培することで、1年に複数回収穫と品質評価ができ、また外部環境の影響を受けず安定した栽培や評価が可能となるため、屋外栽培による研究開発の課題を解決できる可能性があります。
当研究は、CULTAとの共同研究の一環として、静岡県のAOI-PARC(アグリオープンイノベーション拠点)を利用して2023年から開始しました。人工的に制御した環境での植物栽培と、ゲノム情報を活用した植物の表現型予測を組み合わせた高速育種技術に強みを持つCULTAと、ホップの研究を長年続けてきたキリンが共同研究を行うことで、気候変動への適応に関する研究開発を加速させ、持続的な原材料調達の実現を目指しています。
<研究方法>
2023年からAOI-PARCにて、光や、温度、湿度、二酸化炭素濃度などの環境要因を制御できる次世代栽培実験装置を用いてホップの屋内栽培試験を実施しました。CULTAがホップの栽培管理と生育データを取得し、キリンがホップの栽培方法に関するアドバイスや、品質評価を実施しました。それらのデータを相互に共有し、ホップに最適な屋内栽培技術を共同で研究しました。
<研究成果>
ホップの屋内栽培技術を確立し、屋外では夏季にしか収穫できないホップを他の季節でも収穫することに成功しました。この研究成果により、1年に複数回ホップを収穫して品質評価ができる可能性があり、気候変動への適応に関する品種改良や栽培技術開発の加速が期待できます。
<CULTA> https://culta.jp/
CULTAは、「『未来の適地適作』で、生産者と消費者を幸せにする」ミッションを掲げる、気候変動時代の新しい農業をつくる東京大学発スタートアップ企業です。人工的に制御した環境での植物栽培と、ゲノム情報を活用した作物の表現型予測を組み合わせた高速育種技術に強みを持ち、これまではイチゴ、サツマイモで、気候変動に適応できる品種改良を行なってきました。
キリンとCULTAは、共同研究を通してホップの屋内栽培技術をもとに、気候変動への適応に関する研究開発を加速させることで、お客様に高品質な原材料を使用した高品質な製品をこれからも変わらず楽しんでいただくことを目指した取り組みを進めていきます。
<AOI-PARC(アグリオープンイノベーション拠点)>
https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/nogyo/nogyoshinkou/1003292/1026959.html
静岡県が2017年に開所した、県内外の研究機関や企業などが互いの技術やアイデアを持ち寄り、協創して農業の生産性革新に取り組むための研究拠点です。
キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志、以下キリン)の飲料未来研究所(所長 森木博之)と、東京大学発スタートアップ企業の株式会社CULTA(CEO 野秋収平、以下CULTA)は気候変動に適応したホップ生産に関する共同研究を2023年8月より開始し、ホップの屋内栽培技術を確立しました。この屋内栽培技術によって、屋外では夏季にしか収穫できなかったホップを、他の季節でも収穫することに成功しました。今後、年間の収穫、評価の回数を増やすことでホップの気候変動への適応研究を加速させます。
■研究背景
ビールの原材料であるホップの収穫時期は日本においては一般的に年1回夏季のみであるため、収穫したホップの品質評価も年1回しか行うことができません。加えてホップの生育は気候や病虫害の発生などの外部環境にも左右されやすいため、品種改良には10年以上の長い期間を要し、栽培技術の開発や評価にも多くの労力がかかります。
昨今、気温上昇や干ばつによるホップの収量・品質低下も深刻な問題となっていることから、気候変動に対応する品種改良や栽培技術の開発は喫緊の課題となっています。
■研究成果(概要)
今回、当社はホップの屋内栽培技術を確立し、屋外では夏季にしか収穫できないホップを他の季節でも収穫することに成功しました。この技術によって年に複数回ホップを収穫、品質評価でき、外部環境にも左右されないため、ホップの品種改良や栽培技術開発のサイクルを早めることができます。さらにホップの生育メカニズム解明や、今までにない新しい栽培技術の開発にもつながる可能性があります。
ホップの毬花 ホップの屋内栽培の様子
■今後の展開
気候変動に適応したホップの品種改良・栽培技術の研究開発を加速させ、急激な環境変化に対応していくことで、持続的なホップ生産の実現を目指します。
今後もキリングループは、複合的に発生し相互に関連する環境課題(生物資源・水資源・容器包装・気候変動)に統合的に取り組み、豊かな地球の恵みを将来にわたって享受し、引き継ぎたいという思いをバリューチェーンに関わるすべての人々とともにつなぐべく、自然と人に「ポジティブインパクト」を与えるさまざまな取り組みを積極的に進めていきます。
研究成果について
<背景・目的>
ホップはビール醸造に欠かせない原材料の一つであり、日本においては一般的に年に1回夏季に収穫されます。近年、気候変動、特に気温上昇や干ばつによるホップの収量・品質低下が問題となっており、品種改良や栽培技術の迅速な開発が求められています。屋外でのホップ栽培は、収穫と品質評価が年に1回しかできないため、品種改良には10年以上の長い期間が必要です。また、気候や病虫害の発生等の外部環境に生育が左右されやすいため、栽培技術の開発や評価を行うにも労力がかかります。一方、屋内栽培は人工的に制御した環境で、光・水・施肥等を最適に管理してホップを栽培することで、1年に複数回収穫と品質評価ができ、また外部環境の影響を受けず安定した栽培や評価が可能となるため、屋外栽培による研究開発の課題を解決できる可能性があります。
当研究は、CULTAとの共同研究の一環として、静岡県のAOI-PARC(アグリオープンイノベーション拠点)を利用して2023年から開始しました。人工的に制御した環境での植物栽培と、ゲノム情報を活用した植物の表現型予測を組み合わせた高速育種技術に強みを持つCULTAと、ホップの研究を長年続けてきたキリンが共同研究を行うことで、気候変動への適応に関する研究開発を加速させ、持続的な原材料調達の実現を目指しています。
<研究方法>
2023年からAOI-PARCにて、光や、温度、湿度、二酸化炭素濃度などの環境要因を制御できる次世代栽培実験装置を用いてホップの屋内栽培試験を実施しました。CULTAがホップの栽培管理と生育データを取得し、キリンがホップの栽培方法に関するアドバイスや、品質評価を実施しました。それらのデータを相互に共有し、ホップに最適な屋内栽培技術を共同で研究しました。
<研究成果>
ホップの屋内栽培技術を確立し、屋外では夏季にしか収穫できないホップを他の季節でも収穫することに成功しました。この研究成果により、1年に複数回ホップを収穫して品質評価ができる可能性があり、気候変動への適応に関する品種改良や栽培技術開発の加速が期待できます。
<CULTA> https://culta.jp/
CULTAは、「『未来の適地適作』で、生産者と消費者を幸せにする」ミッションを掲げる、気候変動時代の新しい農業をつくる東京大学発スタートアップ企業です。人工的に制御した環境での植物栽培と、ゲノム情報を活用した作物の表現型予測を組み合わせた高速育種技術に強みを持ち、これまではイチゴ、サツマイモで、気候変動に適応できる品種改良を行なってきました。
キリンとCULTAは、共同研究を通してホップの屋内栽培技術をもとに、気候変動への適応に関する研究開発を加速させることで、お客様に高品質な原材料を使用した高品質な製品をこれからも変わらず楽しんでいただくことを目指した取り組みを進めていきます。
<AOI-PARC(アグリオープンイノベーション拠点)>
https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/nogyo/nogyoshinkou/1003292/1026959.html
静岡県が2017年に開所した、県内外の研究機関や企業などが互いの技術やアイデアを持ち寄り、協創して農業の生産性革新に取り組むための研究拠点です。
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