*14:09JST iーplug Research Memo(9):V字回復後は従来の成長路線へ回帰
■業績動向
4. 2025年3月期の業績見通し
i-plug<4177>は2025年3月期の業績見通しについて、売上高5,640百万円(前期比22.5%増)、営業利益550百万円(同294.3%増)、経常利益548百万円(同298.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益406百万円(前期は193百万円の損失)を見込んでいる。2024年3月期は減損などによって厳しかったという印象があるが、主力の「OfferBox」(早期定額型)の成長力を背景にV字回復しており、しかも2025年3月期も利益を大きく上積みする予想となっていることから、従来の成長路線に回帰したと言えよう。
世界情勢は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化に伴って経済は着実に回復しているが、世界的なインフレ進行とそれに対する金融引き締め、長期化するロシア・ウクライナ情勢、イスラエル・パレスチナでの戦争勃発など、引き続き不安定な要素を抱えている。同社が事業展開する日本の新卒採用市場では、企業の新卒採用意欲は引き続き高い状態が維持されている。また、就職内定率も引き続き高い水準にあるが、内定取得・辞退企業数が増加していることから選考活動の早期化が進んでいることがうかがえる。このような環境下、同社は主力の「OfferBox」を中心に積極的な販促活動を行い、認知度の向上により一層努めるとともに、新たなサービスの開発・拡充とプロダクトの進化を図り、競争優位性を高める計画である。また、「eF-1G」では、顧客への付加価値を高めるため、プロダクト開発に注力して機能強化に取り組む。さらに、就職活動中の学生及び企業のニーズに応えるべく、「Tsunagaru就活」など各種サービスの拡充に努める考えである。一方、投資に関しては、大規模な投資を前のめりに行ったことが撤退や減損という結果につながったことを反省し、今後は既存事業の価値提供範囲を着実に拡げつつ、中長期の持続的な成長に向けて収益性を見据えた投資を適切な規模で実行し、事業開発と利益成長の両立を実現する方針である。
「OfferBox」(早期定額型)は高成長の持続を見込んでおり、引き続き受注を伸ばすとともに、決定人数増加に向けて新たなサービスやプロダクトの提供を検討している。「OfferBox」(成功報酬型)は採用活動の早期化を背景に厳しい展開が続くが、「OfferBoxPLUS」でカバーする計画である。「eF-1G」は引き続き安定した動きが予想されるが、新しい分野として適性検査をベースとしたピープルアナリティクスを検証中である。その他は、「PaceBox」のサービスは終了するが、マキシマイズの回復によって若干ながら増収が期待される。利益面では、マーケティングコストを意図的に増やすものの、新卒領域の利益改善や収益性を見据えた投資、「PaceBox」向けのコスト解消などにより収益性を高める計画である。足元第1四半期の受注は、2025年3月期業績予想に向けて順調なスタートとなったようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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4. 2025年3月期の業績見通し
i-plug<4177>は2025年3月期の業績見通しについて、売上高5,640百万円(前期比22.5%増)、営業利益550百万円(同294.3%増)、経常利益548百万円(同298.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益406百万円(前期は193百万円の損失)を見込んでいる。2024年3月期は減損などによって厳しかったという印象があるが、主力の「OfferBox」(早期定額型)の成長力を背景にV字回復しており、しかも2025年3月期も利益を大きく上積みする予想となっていることから、従来の成長路線に回帰したと言えよう。
世界情勢は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化に伴って経済は着実に回復しているが、世界的なインフレ進行とそれに対する金融引き締め、長期化するロシア・ウクライナ情勢、イスラエル・パレスチナでの戦争勃発など、引き続き不安定な要素を抱えている。同社が事業展開する日本の新卒採用市場では、企業の新卒採用意欲は引き続き高い状態が維持されている。また、就職内定率も引き続き高い水準にあるが、内定取得・辞退企業数が増加していることから選考活動の早期化が進んでいることがうかがえる。このような環境下、同社は主力の「OfferBox」を中心に積極的な販促活動を行い、認知度の向上により一層努めるとともに、新たなサービスの開発・拡充とプロダクトの進化を図り、競争優位性を高める計画である。また、「eF-1G」では、顧客への付加価値を高めるため、プロダクト開発に注力して機能強化に取り組む。さらに、就職活動中の学生及び企業のニーズに応えるべく、「Tsunagaru就活」など各種サービスの拡充に努める考えである。一方、投資に関しては、大規模な投資を前のめりに行ったことが撤退や減損という結果につながったことを反省し、今後は既存事業の価値提供範囲を着実に拡げつつ、中長期の持続的な成長に向けて収益性を見据えた投資を適切な規模で実行し、事業開発と利益成長の両立を実現する方針である。
「OfferBox」(早期定額型)は高成長の持続を見込んでおり、引き続き受注を伸ばすとともに、決定人数増加に向けて新たなサービスやプロダクトの提供を検討している。「OfferBox」(成功報酬型)は採用活動の早期化を背景に厳しい展開が続くが、「OfferBoxPLUS」でカバーする計画である。「eF-1G」は引き続き安定した動きが予想されるが、新しい分野として適性検査をベースとしたピープルアナリティクスを検証中である。その他は、「PaceBox」のサービスは終了するが、マキシマイズの回復によって若干ながら増収が期待される。利益面では、マーケティングコストを意図的に増やすものの、新卒領域の利益改善や収益性を見据えた投資、「PaceBox」向けのコスト解消などにより収益性を高める計画である。足元第1四半期の受注は、2025年3月期業績予想に向けて順調なスタートとなったようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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