*14:41JST プロパスト Research Memo(1):コンセプトとデザイン重視で新しい住環境を提案
■要約
1. 分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業を展開
プロパスト<3236>は、東京証券取引所「スタンダード市場」に上場する総合不動産ディベロッパーで、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3事業を展開し、その時々の経済環境に応じて最適な事業に注力している。同社は都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、扱う物件の特長は都市生活を満喫できるような高いデザイン性にある。競争の激しい首都圏のマンション市場をターゲットにしながら、情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けている。
2. 2024年5月期の業績概要
2024年5月期の売上高は23,301百万円(前期比16.4%増)、営業利益3,056百万円(同19.5%増)、経常利益2,595百万円(同23.7%増)、当期純利益1,820百万円(同16.5%増)と大幅な増収増益決算となった。前期決算発表時の期初予想比では、売上高は4.1%減であったが、営業利益は71.9%増となった。また、2024年1月に発表した修正予想比でも、売上高は0.1%増、営業利益は13.2%増の好決算であった。分譲開発事業は、自社物件の全戸引き渡しが完了したことで、売上高は3,755百万円(前期は計上なし)、営業利益(全社費用控除前、以下同様)は443百万円(前期は3百万円の損失)を計上した。賃貸開発事業は、19プロジェクトを売却し、売却物件が大型化したうえ地域優位性や企画が評価されたことで、売上高17,226百万円(前期比30.5%増)、営業利益3,524百万円(同21.4%増)の大幅な増収増益となった。バリューアップ事業は、5物件を収益性の高いエリアで売却したものの、販売棟数が減少した結果、売上高2,320百万円(同66.0%減)、営業利益350百万円(同63.1%減)の減収減益にとどまった。以上から、資産合計は増加し、利益剰余金の増加により純資産も増加したことで、自己資本比率は32.5%と中期的な目標である30%を達成し、同社の財務の安全性はさらに改善している。好決算を反映して、1株当たり4.0円(前期比2.0円増)への増配を実施した。強固な財務体質を実現する一方で、株主還元の充実にも配慮している。
3. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期通期については、売上高26,802百万円(前期比15.0%増)、営業利益1,991百万円(同34.9%減)、経常利益1,557百万円(同40.0%減)、当期純利益1,090百万円(同40.1%減)を計画している。分譲開発事業については、現状、新規物件の取得ができていないため売上高の計上予定はなく、引き続き物件の取得に努める。賃貸開発事業では、不動産価格は上昇を続けているものの、それ以上に資材高や人材不足による建築費の上昇が続いており19棟の販売を予定しているが、費用負担の増加から利益率の低下を予想する。バリューアップ事業では、2024年5月期に仕入が順調に進んだことから販売棟数は18棟を予定し、分譲開発事業の売上減や賃貸開発事業の利益率低下を補完する計画だ。以上の結果、増収を計画するものの、地価及び建築費の上昇等のコスト増の影響が大きいと見て減益を見込む。ただ、同社では、期初には慎重な業績予想を発表することから、予想を達成する可能性が高いと弊社では見ている。また、減益予想ながら前期と同額の1株当たり4.0円の配当を予定しており、株主還元にも配慮している。
4. 2026年5月期以降の業績見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、新築マンションの1戸当たり平均価格は高値で横ばいながら、販売戸数は低水準での推移が続いており、契約率は2024年5月には好不況の分かれ目である70%を大きく下回っている。足元では地価及び建築費がともに上昇しており、新築マンションの販売価格は一段と上昇する可能性や利益率を押し下げる可能性がある。ただ首都圏のマンション人気は底堅く、長期的にも都心の好立地マンションへのニーズは根強いと見られる。同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わり、3事業が補完し合うことで、2026年5月期以降も堅調な業績を継続すると弊社では見ている。
■Key Points
・総合不動産ディベロッパー。都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開し、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな特長
・2024年5月期は、大幅な増収増益決算。主力の賃貸開発事業が好決算をけん引。自己資本比率は上昇、目標の30%を達成。増配を実施し、株主還元の充実にも配慮
・2025年5月期の業績は、増収減益を予想。地価及び建築費の上昇の影響を織り込み、慎重な予想。前期と同額の配当を計画し、株主還元にも配慮
・2026年5月期以降も、3事業が補完することで堅調な業績を継続すると見る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業を展開
プロパスト<3236>は、東京証券取引所「スタンダード市場」に上場する総合不動産ディベロッパーで、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3事業を展開し、その時々の経済環境に応じて最適な事業に注力している。同社は都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、扱う物件の特長は都市生活を満喫できるような高いデザイン性にある。競争の激しい首都圏のマンション市場をターゲットにしながら、情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けている。
2. 2024年5月期の業績概要
2024年5月期の売上高は23,301百万円(前期比16.4%増)、営業利益3,056百万円(同19.5%増)、経常利益2,595百万円(同23.7%増)、当期純利益1,820百万円(同16.5%増)と大幅な増収増益決算となった。前期決算発表時の期初予想比では、売上高は4.1%減であったが、営業利益は71.9%増となった。また、2024年1月に発表した修正予想比でも、売上高は0.1%増、営業利益は13.2%増の好決算であった。分譲開発事業は、自社物件の全戸引き渡しが完了したことで、売上高は3,755百万円(前期は計上なし)、営業利益(全社費用控除前、以下同様)は443百万円(前期は3百万円の損失)を計上した。賃貸開発事業は、19プロジェクトを売却し、売却物件が大型化したうえ地域優位性や企画が評価されたことで、売上高17,226百万円(前期比30.5%増)、営業利益3,524百万円(同21.4%増)の大幅な増収増益となった。バリューアップ事業は、5物件を収益性の高いエリアで売却したものの、販売棟数が減少した結果、売上高2,320百万円(同66.0%減)、営業利益350百万円(同63.1%減)の減収減益にとどまった。以上から、資産合計は増加し、利益剰余金の増加により純資産も増加したことで、自己資本比率は32.5%と中期的な目標である30%を達成し、同社の財務の安全性はさらに改善している。好決算を反映して、1株当たり4.0円(前期比2.0円増)への増配を実施した。強固な財務体質を実現する一方で、株主還元の充実にも配慮している。
3. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期通期については、売上高26,802百万円(前期比15.0%増)、営業利益1,991百万円(同34.9%減)、経常利益1,557百万円(同40.0%減)、当期純利益1,090百万円(同40.1%減)を計画している。分譲開発事業については、現状、新規物件の取得ができていないため売上高の計上予定はなく、引き続き物件の取得に努める。賃貸開発事業では、不動産価格は上昇を続けているものの、それ以上に資材高や人材不足による建築費の上昇が続いており19棟の販売を予定しているが、費用負担の増加から利益率の低下を予想する。バリューアップ事業では、2024年5月期に仕入が順調に進んだことから販売棟数は18棟を予定し、分譲開発事業の売上減や賃貸開発事業の利益率低下を補完する計画だ。以上の結果、増収を計画するものの、地価及び建築費の上昇等のコスト増の影響が大きいと見て減益を見込む。ただ、同社では、期初には慎重な業績予想を発表することから、予想を達成する可能性が高いと弊社では見ている。また、減益予想ながら前期と同額の1株当たり4.0円の配当を予定しており、株主還元にも配慮している。
4. 2026年5月期以降の業績見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、新築マンションの1戸当たり平均価格は高値で横ばいながら、販売戸数は低水準での推移が続いており、契約率は2024年5月には好不況の分かれ目である70%を大きく下回っている。足元では地価及び建築費がともに上昇しており、新築マンションの販売価格は一段と上昇する可能性や利益率を押し下げる可能性がある。ただ首都圏のマンション人気は底堅く、長期的にも都心の好立地マンションへのニーズは根強いと見られる。同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わり、3事業が補完し合うことで、2026年5月期以降も堅調な業績を継続すると弊社では見ている。
■Key Points
・総合不動産ディベロッパー。都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開し、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな特長
・2024年5月期は、大幅な増収増益決算。主力の賃貸開発事業が好決算をけん引。自己資本比率は上昇、目標の30%を達成。増配を実施し、株主還元の充実にも配慮
・2025年5月期の業績は、増収減益を予想。地価及び建築費の上昇の影響を織り込み、慎重な予想。前期と同額の配当を計画し、株主還元にも配慮
・2026年5月期以降も、3事業が補完することで堅調な業績を継続すると見る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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