今回の日銀の利上げ、議論呼ぶ決定として記憶される可能性=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/31 23:31
 日銀は本日の決定会合で国債購入の減額のほか、0.25%への利上げも決定した。前日深夜の観測報道通りではあったものの、円相場は円高で反応しており、ドル円は心理的節目の150円を一時割り込む展開が見られている。

 一部からは、今回の日銀の利上げ決定が物議を醸した利上げの1つとして記憶される可能性が十分にあるとの指摘が出ている。日本国内のタカ派的なコンセンサスの中でさえ、低調な日本経済の状況から見て、エコノミストの多くは、今回は金利は据え置くと予想していた。

 日銀はかつて、金融引き締めに必要なものとして、力強い賃金の伸びと需要主導型のインフレを挙げていたが、現状の日本経済からすれば、どちらの要素も不十分だと指摘している。

 日銀は足元の実体経済よりも、円安や金融緩和の副作用のほうをより懸念しているようで、パンデミック後にインフレが急上昇した際に他のいくつかの国が行ったような転換を行ったという。つまり、金融政策が供給サイド主導のインフレを食い止めることはほとんどできないとの見方を捨て、それとは関係なく金利を引き上げたという。

 エコノミストは、これにはリスクが伴うと警告する。小幅な利上げは成長の足を引っ張るだけの効果しかなく、最悪の場合、より広範な景気悪化を引き起こすかもしれないとも付け加えている。

USD/JPY 150.17 EUR/JPY 162.75
GBP/JPY 192.73 AUD/JPY 98.09

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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