アジア株 上海株5日続落、景気停滞・米中摩擦激化 台風上陸で「泣きっ面に蜂」 台湾株は調整局面入り

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/26 14:20
アジア株 上海株5日続落、景気停滞・米中摩擦激化 台風上陸で「泣きっ面に蜂」 台湾株は調整局面入り

東京時間14:03現在
香港ハンセン指数   16998.37(-6.60 -0.04%)
中国上海総合指数  2879.19(-7.98 -0.30%)
台湾加権指数     22106.16(-765.68 -3.35%)
韓国総合株価指数  2726.62(+15.97 +0.59%)
豪ASX200指数    7926.50(+65.29 +0.83%)
インドSENSEX30種  80568.13(+528.33 +0.66%)

アジア株はまちまち。

韓国と豪州、インドは反発。ダウ下げ止まり受け安堵感が広がっている。香港株は上げ帳消し、中国株の下げが嫌気されている。

3営業日ぶりに取引を再開した台湾株は大幅下落。史上最高値をつけた7月11日から10%下落、調整局面入りした。8年ぶりとなる大型台風「ケーミー」上陸に伴い24日と25日は臨時休場だった。取引所が2日連続で閉鎖されたのは2016年以降はじめて。休み中のナスダック大幅下落を受け、聯発科技や聯華電子、創意電子、世芯電子、祥碩科技などハイテク関連が大幅下落している。TSMCは5.8%安、過去3カ月で最大の下げを記録。

上海株は5営業日続落、一時プラス圏を回復する場面もあったが買いは続かず。
中国人民銀行は今週、7日物リバースレポ金利や事実上の政策金利であるローンプライムレート、中期貸出制度(MLF)1年物金利など主要金利を相次いで引き下げた。1年物MLF金利の20bpもの引き下げは新型コロナウイルスが始まった2020年以降で最大規模となる。当局は中国株の下落に歯止めをかけようとしているが、マーケットは金利引き下げに無反応。

中国当局は今年も「大規模」な景気支援策は必要ないとしており、もはや株価下落阻止には政府系ファンドの買い支えと株取引制限・監視強化しかない。それでも投資家心理が改善するわけではないため、中国株がV字回復を描くのは困難だろう。

フィリピンや台湾を襲った大型台風「ケーミー」が中国大陸に上陸、当局は今年初めて気象に対する警報「最高レベル」を発令した。半導体生産の混乱などが予想されておりサプライチェーン停滞が懸念される。長引く不動産不況や消費低迷・デフレ問題、米中対立、ここに来て台風などの自然災害と、中国はまさに「泣きっ面に蜂」状態。

来週の中国イベントへの警戒感も高まっている。米政権が8月1日から中国の電気自動車に対する関税を現在の25%から4倍の100%に引き上げるほか、EV用リチウムイオン電池を25%に、レガシー半導体を50%に引き上げる方針だ。そのほか、中国7月の製造業PMIと非製造業PMI、中小企業を対象とした財新の製造業PMIも発表される。

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)