円相場の神経質な動き+流動性低下には要注意!
【注目ポイント】「100.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「105.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート割れなら、「97.660円」付近までの下落も視野に
【今後1カ月程度の“主戦場”(コアレンジ)】「97.660~105.000円」
今月18日に直近高値となる「109.329円」を付けた後、ここもとの急速な円高フロー進展の影響もあり、大幅な下値切り下げとなっている豪ドル/円。今週に入り、約半年間における市場参加者の平均コストを示す26週MA(移動平均線)や青色雲の下辺である先行2スパンを割り込み、昨日(25日)、心理的な節目である「100.000円」を刹那的に下回る動きとなっています。
週足チャートの各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 26週および52週MAが右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足が青色雲(=先行スパン、サポート帯)の下方で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIの乖離が縮小し、ADXが「50.00」を超える領域で横這いでの推移(上図赤色点線丸印)になっていることから、現在の豪ドル/円・週足チャートは、「上昇トレンド一服」→「下値固め模索」を示すチャート形状であると判断します。
喫緊の注目ポイントは・・・上述した、心理的な節目である「100.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
足もとにおいて、「100.000円」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「反発/上昇フロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの上放れ再開」や「(青色雲の上辺である)先行1スパン(≒103.300円)超え」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB(ボリンジャーバンド)・+1σラインをメドとする「105.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「100.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「心理的な節目割れ」→「(買い方の投げ売り/狼狽売りなどが伴う)もう一段の下値切り下げ」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「(約1年間における市場参加者の平均コストを示す)52週MA(≒98.630円)割れ」、また「+DIと-DIの収斂」なども伴いながら、週足レベルでの直近高安レート(安値:85.995円[23/3/24]、高値:109.329円[24/7/11])を結ぶFR(フィボナッチ・リトレースメント)・50.0%ライン、いわゆる“半値押し”水準である「97.660円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の豪ドル/円は下値固めを模索する相場付きとなる中、当面※は「97.660~105.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1カ月程度のスパンを想定しています。)
豪ドル/円およびその他クロス円通貨の動向に関しては、引き続き円相場主体での神経質な相場付きとなりそうです。例年夏場のこの時季においては、休暇・バカンスに伴う市場参加者の減少や商いの逓減を表す「夏枯れ相場」になりやすいと言われる中、本日からパリ五輪(7/26-8/11)がスタートします。市場の流動性が低下するタイミングでまとまった大口注文や予期せぬ材料等が入った場合は、事前予想を超えるボラティリティとなる可能性もあるため、大いに注意が必要です。トレードに際しては、リスク管理を最優先にしていただくようお願いします。
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