システム ディ Research Memo(5):2024年10月期第2四半期累計業績は若干の減収減益

配信元:フィスコ
投稿:2024/07/23 13:05
*13:05JST システム ディ Research Memo(5):2024年10月期第2四半期累計業績は若干の減収減益 ■業績動向

1. 2024年10月期第2四半期累計の業績概要
システム ディ<3804>の2024年10月期第2四半期累計の連結業績は売上高で前年同期比1.7%減の2,386百万円、営業利益で同7.0%減の512百万円、経常利益で同6.9%減の513百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同9.1%減の342百万円とわずかながら減収減益となり、会社計画に対しても下回る結果となった。仕入商品売上が大幅減となったためだが、本業である自社開発パッケージソフトの販売は順調でKPIとしているストック売上の拡大基調が続くなど、実態としては概ね計画どおりの進捗だったと見られる。

売上高の内訳を形態別で見ると、ストック売上が前年同期比4.8%増の1,223百万円、フロー売上が同7.7%減の1,162百万円となった。ストック売上は第2四半期末の累計顧客数が前年同期比9.3%増の10,377件(現役ユーザー数で同8.1%増の7,431件)と順調に拡大したことが増収要因となった。ストック売上比率も51.3%となり、目標とする50%をクリアした。一方、フロー売上は2023年6月に子会社化した中村牧場の売上が上乗せされたものの、前年同期に伸長した情報端末等の仕入商品の更新需要が一巡したことにより減収となった。

売上総利益率は前年同期の44.3%から45.0%に上昇し、売上総利益で同0.1%減の1,074百万円とほぼ同水準を維持した。処遇向上や人員の増員によって労務費が増加したものの、仕入商品の減少や外注費の削減が利益率の上昇要因となった。一方、販管費は前年同期比で37百万円の増加となった。人件費や営業経費の増加が主因となっている。同社は2024年に入って中途で3名、新卒で17名を採用しており、第2四半期末の従業員数は前年同期比17名増の290名(うち、シンク8名、中村牧場2名)となっている。

なお、中村牧場を子会社化以降、社内のAI人材を育成するため月1~2回のペースで社長の中村氏※による勉強会を開催しているほか、主要製品において生成AIを活用した新機能の開発にも取り組んでおり、既に学園ソリューションの「Campus Plan」の学務系システムにおいて、生成AIを使ってシラバスの大半を制作する新機能を開発しており、2024年5月の展示会で発表した。シラバスは各大学が学生を獲得するために特色をアピールする重要部分であり、担当教授においては同機能を活用することで制作に係る業務負荷を大幅に軽減することが可能となり、競合製品との差別化につながるものと期待される。その他にも、公教育ソリューションやウェルネスソリューション、ソフトエンジニアリング事業などで生成AIを活用した新機能の開発に着手している。

※中村氏は、データサイエンティストとして豊富な経験を持ち、大企業や公的機関(ダイキン工業<6367>、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、東日本電信電話(株)等)のAI人材育成プロジェクトに携わっているほか、自治体及びコンサルティング会社向けの研修講師などを行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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