今週のポイント
24日にBOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。その結果にカナダドルが反応しそうです。BOC会合における注目点は、“利下げが行われるかどうか”、“9月以降にさらに利下げする可能性が示されるのか”になりそうです(詳細については後述)。
TCMB(トルコ中銀)は23日に政策会合を開きます。政策金利は前回6月の会合まで3回連続で50.00%に据え置かれており、今回も据え置かれそうです。その通りの結果になれば、TCMBの声明が前回会合時から変化するかどうかに注目です。前回会合時の声明では、「インフレリスクに引き続き細心の注意を払う」、「月次のインフレ(率)の基調的なトレンドが大幅かつ持続的に低下するまで、金融引き締めスタンスを維持する」、「インフレの大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合には、金融政策を(さらに)引き締める」などとされました。前回から声明の内容に大きな変化がなければ、トルコリラに大きな反応はみられないかもしれません。
メキシコの7月前半のCPI(消費者物価指数)が24日に発表されます。CPIの市場予想は総合指数が前年比5.26%、コア指数が同4.01%。コア指数の上昇率は6月前半の4.17%から鈍化するものの、総合指数の上昇率は6月前半の4.78%から高まるとみられています。CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOM(メキシコ中銀)の利下げ観測が後退するとともに、メキシコペソにとってプラス材料になる可能性があります。
本邦当局による為替介入(米ドル売り・円買い介入)には注意が必要です。為替介入によって米ドル/円が大きく下落する場合、豪ドル円やメキシコペソ/円などのクロス円はそれに引きずられると考えられます。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.10000NZドル~1.12000NZドル>
豪ドル/NZドルは16日に一時1.11372NZドルへと上昇し、22年10月以来1年9カ月ぶりの高値をつけました。
10日のRBNZの政策会合を受けて市場ではRBNZ(NZ中銀)の利下げ観測が強まり(NZドル安材料)、そのことが引き続き豪ドル/NZドルを支援しました。
RBNZは政策会合時の声明で「金融政策は引き続き(景気)抑制的である必要がある」と改めて表明したものの、「抑制の程度は、予想されるインフレ圧力の鈍化に合わせて時間とともに緩和されるだろう」を追加。CPI(消費者物価指数)上昇率がRBNZの想定通りに鈍化すれば、利下げを行うことを示唆しました。
市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込むRBNZの次回8月14日の会合での確率は“利下げ”と“据え置き”でほぼ五分五分です。RBA(豪中銀)の政策金利については、市場では24年末まで据え置かれるとの見方が有力ですが、利上げの確率も3割程度織り込まれています。市場のRBAとRBNZの金融政策見通しからみれば、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わりやすいと考えられます。
今週(7/22- )は、豪州とNZのいずれも主要な経済指標の発表はなく、市場のRBAとRBNZの金融政策見通しは大きく変化しないかもしれません。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.36000カナダドル~1.38500カナダドル>
BOC(カナダ中銀)は24日に政策会合を開きます。その結果に米ドル/カナダドルが反応しそうです。
BOCは前回6月5日の会合で0.25%の利下げを行うことを決定。マックレムBOC総裁は会合後の会見で、「インフレ率が引き続き鈍化し、インフレ率が持続的に2%の目標に向かうとの確信が一段と強まるなら、追加利下げを予想するのが妥当だ」と述べました。
カナダのCPI(消費者物価指数)や失業率の動向をみると、BOCは24日の会合で追加利下げを行いそうです。6月CPIは前年比2.7%と、5月の2.9%から上昇率が鈍化しました。また、CPIトリム平均値は前年比2.9%、CPI加重中央値は同2.6%と、トリム平均値の上昇率は5月と同じでしたが、加重中央値の上昇率は5月の2.7%(2.8%から下方修正)から鈍化しました。6月失業率は6.4%と、5月の6.2%から悪化し、2年5カ月ぶりの高い水準となりました。
BOCの声明やマックレム総裁の会見にも注目です。今回の会合で利下げが行われて、声明やマックレム総裁の会見が9月以降にさらに利下げするとの観測を強める内容になる場合、カナダドル安材料になりそうです。米経済指標などによってFRBの利下げ観測が後退すれば、米ドル/カナダドルは1.38413カナダドル(4/16高値)に向かって上昇する可能性があります。
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