為替相場まとめ7月15日から7月19日の週
15日からの週は、円相場主導の展開だった。水曜日にはトランプ氏が円や人民元が安すぎると苦言を呈したことや、河野デジタル相が、円安是正のために日銀に利上げを要求との記事がでたことが円買いを加速させた。特段の介入の動きがないなかで、ドル円は158円台から156円近辺まで急落した。木曜日の東京市場では155円台前半まで下値を広げた。鈴木財務相の指摘もあって、河野デジタル相は金融政策は日銀に委ねるとトーンダウンした。週末にかけては調整が入り157円台を回復。ただ、7月に入ってからの下落の流れは続いている。ドル全般もドル売りが継続。ドル指数は4か月ぶりのドル安水準となっている。一連の米経済統計も市場の9月利下げ期待は根強い。ECB理事会では政策金利が据え置かれ、次回9月については事前にコミットせずオープンの姿勢が示された。ポンドに関しては、8月利下げ開始に焦点が当てられているが、インフレや雇用がまちまちのとなり、まだ見通しは不透明だ。7月末には日銀決定会合と米FOMCの発表を控えている。米国は週末からブラックアウト期間に入るが、日銀に関しては今後、観測報道などが増えることが予想される。
(15日)
東京市場は海の日の祝日で休場。
ロンドン市場は、静かな取引。ドル円は158円付近で推移しており、先週後半のような波乱の動きはみられていない。トランプ氏が狙撃されたが負傷にとどまったことで、かえって大統領復帰への道が開けた感がある。週明けのアジア市場ではドル買いが先行、ドル円は158.40付近まで買われた。しかし、その後は次第に上値が重くなりロンドン序盤には157.75近辺まで軟化した。円安方向への値動きには介入警戒感が付きまとったほか、市場での米早期利下げ観測がドル売りに作用しているようだ。今年1月以来に米2年債利回りが30年債利回りを下回る場面があった。きょうはユーロ圏財務相会合が開催され、財政問題が討議される予定。ユーロ圏の投資家にやや警戒感が高まっている可能性も指摘される中で、欧州株は売りが先行。しかし、米利下げ観測もあって米株先物・時間外取引は堅調に推移している。欧州株も次第に下げ幅を縮小してきている。ドル円が158円付近に落ち着くなかで、ユーロ円は172.50台へと小幅に高値を伸ばしている。ユーロドルはアジア早朝に1.08台に下げたが、ロンドン時間には1.09台を回復している。
NY市場では、ドル円の上値が重い展開。東京勢が祝日で休場の中、157円台に入ると買い戻しも出るようだが、以前のような上値を目指す動きは後退している。先週の財務省による介入観測で円売りを仕掛けにくいほか、先週のインフレ指標を通過して、市場はFRBの利下げ期待を高めており、ドル自体も上値の重い展開が見られている。アジア時間にドル買い戻しが見られていたものの、NY時間にかけてドルは再び軟調に推移している。パウエルFRB議長がイベントに出席、「第2四半期にはインフレに関して若干の進展があった。過去3回のインフレはかなり良いペースだ」と述べていた。労働市場についても「ますます良いバランスに移行している」との認識も示していた。発言が伝わった直後にドル売りが強まり、ドル円は157.20近辺まで急速に下落する場面が見られた。ただ、一時的な反応に留まり、直ぐに戻している。短期金融市場では現在、9月利下げを完全に織り込んでいる。ユーロドルはNY時間にかけて堅調に推移も、次第に上値が重くなり1.09ちょうど付近で推移した。ポンドドルは一時1.29台後半と底堅く推移。市場は英中銀の8月利下げを巡って見方が完全に分かれており、短期金融市場でも五分五分で織り込んでいる状況。
(16日)
東京市場で、ドル円は堅調。前日の米株式市場ではダウ平均が4日続伸だった。東京市場でも株高を受けたリスク選好の円安に、午前中には158.70グ金かで上昇。午後には高値圏揉み合いのなかで158.79近辺に高値を更新。ユーロ円は172.10台から172.90台まで、ポンド円は204.80台から205.79近辺まで買われた。ただ、上値では介入警戒感も残った。ユーロドルは1.08台後半で12ポイントレンジにとどまった。
ロンドン市場は、円売りが続かず。ドル円は東京朝方の158円付近から東京午後には158.79近辺まで買われた。輸入など実需の円売り観測がでていた。しかし、その後は上値が重い展開に。米債利回り低下や、159円に接近したことで介入警戒などが上値を抑えている。日銀当座預金見通しからの推計で12日には2.1兆円規模の介入実施が示唆された。11日に続いて連続の介入観測となっている。実需と介入警戒のせめぎ合いの格好となっているようだ。クロス円も上昇一服となり、ユーロ円は172円台半ばから後半で、ポンド円は205円台で売買が交錯している。ユーロドルは一時1.09台乗せ、ポンドドルは1.29台後半と小高く推移も、取引レンジは狭く模様眺めとなっている。独ZEW景況感指数の低下には反応薄で、米小売売上高待ちとなっている。
NY市場では、ドル円が上に往って来い。序盤はドル買いが優勢となり、ドル円は158円台後半まで上昇。朝方発表の6月の米小売売上高が予想を上回る内容だったことや輸入物価指数も予想を上回ったことから、為替市場はドル買いで反応した。しかし、後半になって序盤の上げを取り戻す展開が見られた。ドル円は158円台後半から前半に値を落とした。市場はFRBの利下げ期待に変化はないと見ているもよう。「全体的に消費支出の鈍化傾向は安定化している一方、輸入インフレが依然として関連要因であることが示唆されている。とはいえ、今回の発表には9月利下げ観測を覆すような材料はない」とのコメントも聞かれた。ユーロドルは序盤に1.08台に下げる場面がああったが、1.09ちょうど付近へと戻している。今週は18日木曜日にECB理事会が開催され、ユーロにとっては最重要イベントとなる。しかし、今回は据え置きが確実視されており、市場は9月利下げのヒントが何か出るか注目している。ポンドドルは1.30の節目を前にして上下動。明日の英CPIが注目された。
(17日)
東京市場で、ドル円は午後に売りが強まった。午前中は158.30台から158.60付近へと上昇。前日の米株高を受けて日経平均も上昇、リスク選好の円売りとなった。しかし、午後には株安に転じると円買いが強まった。158円割れからストップを巻き込んで157.71近辺まで下落している。日経平均は後場にマイナスに転じると177円安まで下げた。クロス円も同様の動きで、ユーロ円は172円台後半まで買われたあとは172円台割れ。ポンド円は205円台後半から204円台後半へと反落。ポンドは午後3時の物価統計でインフレターゲットの対象であるCPI前年比が予想を上回り、前回と同じ+2.0%となったことで対ドルで少し買われたが、対円では円買いの勢いが勝った。ユーロドルは1.0900前後での推移が続いた。朝の消費者物価指数が予想を上回ったNZドルは対ドルで0.6080近辺まで買われた。対円では95円台硬軟から96円台前半で上に往って来い。
ロンドン市場は、円買いが強まった。河野デジタル相が日銀に利上げを要求との記事がきっかけとみられたほか、トランプ氏が円と人民元がドルに対して安すぎると苦言を呈したことも影響したようだ。また、介入警戒から上値が重くなるなかで、先週からの安値水準を割り込んで、ポジション調整が強まったことも指摘される。欧州株が連日軟調に推移しており、スイスフラン買いなどとともにリスク回避の動きも後押ししたようだ。ドル円は158円台から156円割れ目前まで下落。ユーロ円は172円台から一時170円台に突入。ポンド円は205円台から203円台へと下落した。足元ではやや下げ渋りも、依然として円高圏で推移している。ドル相場は売りが優勢。ロンドン早朝に発表された6月英CPIが前年比+2.0%と予想+1.9%を上回ったことでポンドドルは1.29台後半から1.30台前半へと買われている。英中銀の早期利下げ観測はやや後退している。ユーロドルも連れ高となり、1.09付近から1.09台半ばへと上昇。ドル円の急落を受けてドル指数は約4か月ぶりのドル安水準となっている。
NY市場では、ドル売りが強まった。ドル円は156円台前半まで下げを加速。ドル売りもさることながら、本日は円の買戻しも強まり、ユーロ円やポンド円といったクロス円も下落。市場全体的に大きな巻き返しの動きが見られており、円相場はこれまで積み上がった円ショートの巻き返しが強まったもよう。円相場に関しては財務省による2日連続の介入がロング勢の上値追いの心理を圧迫している。そのような中で一旦これまでのポジションを解消しようという動きが活発化したのかもしれない。前日の米小売売上高は堅調な個人消費を示したものの、為替市場のドル買いの反応は一時的だった。市場はFRBの利下げに楽観的になっており、短期金融市場では9月利下げの可能性を完全に織り込む動きが出ている。ウォラーFRB理事は「利下げが可能になる地点に近づきつつある」との認識を示した。ユーロドルは一時1.09台半ばまで上昇。その後も1.09台を維持。明日はECB理事会が予定されている。政策は据え置きが確実視されており、注目は声明やラガルド総裁の会見に。ポンドドルは1.30の大台を回復。一時1.3045付近まで上昇し、約1年ぶりの高値水準に上昇した。英消費者物価指数(CPI)を受けて、市場は英中銀による8月1日の利下げ開始への期待を後退させている。短期金融市場では前日まで五分五分の確率で見ていたものの、35%程度に低下している。
(18日)
東京市場では、円買いが一服。ドル円は前日海外市場での158円台から156円台までの急落を受けて、朝方には6月7日以来およそ1カ月ぶりの安値水準となる155.38近辺まで下落した。その後は買い戻しが優勢。昼過ぎには156.57近辺まで高値を伸ばした。ただ、日経平均が900円超の大幅安となったことなどが上値を抑え、取引終盤には再び156円割れとなる場面があった。ユーロ円は170円ちょうど付近まで下落したあと、171.19近辺まで買われた。その後は170円台後半へ押し戻されている。豪ドル円は6月豪雇用統計の強い結果を受けて105円台半ばまで一時上昇。ユーロドルは昼にかけてドル買い傾向となり1.09台前半で上値が重くなった。
ロンドン市場は、やや円安・ドル高の推移。ドル円は東京朝方に155.38近辺まで下落したあとは、円買いの動きは一巡。156円台へと買い戻されている。ロンドン時間には156.59近辺まで反発した。クロス円も堅調。ユーロ円は170円付近を安値に、171円台乗せへと反発。足元では171円挟みで揉み合っている。一方、ユーロドルは米債利回り上昇とともに上値を抑えられ、1.09台前半での弱保ち合いとなっている。ポンドは上値が重い。この日発表された英雇用統計で、賃金の伸びが鈍化したことに反応。ECB理事会の発表前にポンド買いポジションに調整が入る面もあったようだ。ポンドドルは1.30台割れから1.29台後半へと軟化。ポンド円は東京午後の203.59近辺を高値に、ロンドン時間には202円台後半まで一時反落したあとは203円台前半に落ち着いた。ユーロ対ポンドではユーロ買いの動きが入っている。今回のECB理事会では政策金利が据え置かれる見込み。次回の9月理事会について、利下げが示唆されるのかどうかが注目されている。
NY市場では、ドルの買い戻しが強まった。ドル円は157円台に買い戻された。米株式市場が大幅安となったことが、リスク警戒のドル買いにつながったとの指摘があった。ダウ平均は一時600ドル超下落。ただ、FRBの9月利下げを市場は確信し始めており、トランプ氏もドル安を選好している兆候がある中、ドル買いの継続性については疑問符も出ている。一方、円の方は財務省の介入が警戒され、月末の日銀の利上げへの期待も根強くある状況。ユーロドルは1.08台に伸び悩んだ。本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに政策を据え置いた。9月利下げを巡って注目は声明やラガルド総裁の会見だったが、こちらも予想通りにコミットすることはなく、オープンな姿勢を強調していた。「必要な限り十分に景気抑制的な水準に維持」との文言も再表明している。ポンドドルは1.29台に再び下落。前日は1.30台を回復し、1.30台半ばまで上昇していたが、大台は維持できず。前日の英CPIと本日の英雇用統計は英中銀の仕事を難しくしている。短期金融市場では、8月1日の英中銀政策委員会(MPC)での利下げの可能性を45%程度で見ている状況。
(19日)
東京市場は、円売りが優勢。ドル円は朝方に157.07近辺まで下落したが、その後は米10年債利回りの上昇とともに157.40付近と前日NY終値付近に下げ渋り。午後には河野デジタル相が「日銀に利上げを求めているわけではない」と発言したことなどから日銀による追加利上げ観測が後退し円が売られ、一時157.86近辺に高値を更新した。ユーロ円も午後に入って171.88近辺に高値を更新。ユーロドルはややドル高傾向となり、午後にかけては1.0885近辺に軟化している。
ロンドン市場は、円相場が神経質に振れている。ドル円は157円台後半へと高値を伸ばした。河野デジタル相が17日の日銀に利上げを要求する記事について、否定したことに反応していた。しかし、高値を付けた後、ロンドン朝方にはにわかに売りが強まり157円台割れまで下落した。市場には介入警戒感もみられたが、世界的なシステム障害の影響で欧州株先物などが下落したことに反応したもよう。その後は157円台半ばへと買い戻されて揉み合っている。ユーロ円は171円台後半から一時171円台割れまで、ポンド円は204円台前半から203円台割れまで一時下落。ロンドン時間には動きは一服している。ドル相場はややドル買いに傾いている。ユーロドルは1.09付近から1.08台後半へ、ポンドドルは1.2950付近から1.29ちょうど付近まで軟化した。米10年債利回りは4.20%付近の前日クローズを軸に方向感無く推移している。ユーロ対ポンドではややユーロが買い戻されている。
NY市場は比較的落ち着いた動きとなった。ロンドン市場の安値からの買い戻しがNY市場朝まで続いたが、157円70銭前後までの上昇にとどまった。その後は157円台半ばを挟んでの推移。週末を前に動きが抑えられた。進退が注目されているバイデン大統領について、米大手メディアNBCが家族と今後の選挙戦継続について協議と報じ、撤退観測が一時広がったが、その後週明けに選挙運動再開と報じられた。相場への影響は限定的。まだ情勢が不透明で反応が難しい。ユーロやポンドは対ドルでの動きが抑えられ、対円ではドル円の動きに準拠。
(15日)
東京市場は海の日の祝日で休場。
ロンドン市場は、静かな取引。ドル円は158円付近で推移しており、先週後半のような波乱の動きはみられていない。トランプ氏が狙撃されたが負傷にとどまったことで、かえって大統領復帰への道が開けた感がある。週明けのアジア市場ではドル買いが先行、ドル円は158.40付近まで買われた。しかし、その後は次第に上値が重くなりロンドン序盤には157.75近辺まで軟化した。円安方向への値動きには介入警戒感が付きまとったほか、市場での米早期利下げ観測がドル売りに作用しているようだ。今年1月以来に米2年債利回りが30年債利回りを下回る場面があった。きょうはユーロ圏財務相会合が開催され、財政問題が討議される予定。ユーロ圏の投資家にやや警戒感が高まっている可能性も指摘される中で、欧州株は売りが先行。しかし、米利下げ観測もあって米株先物・時間外取引は堅調に推移している。欧州株も次第に下げ幅を縮小してきている。ドル円が158円付近に落ち着くなかで、ユーロ円は172.50台へと小幅に高値を伸ばしている。ユーロドルはアジア早朝に1.08台に下げたが、ロンドン時間には1.09台を回復している。
NY市場では、ドル円の上値が重い展開。東京勢が祝日で休場の中、157円台に入ると買い戻しも出るようだが、以前のような上値を目指す動きは後退している。先週の財務省による介入観測で円売りを仕掛けにくいほか、先週のインフレ指標を通過して、市場はFRBの利下げ期待を高めており、ドル自体も上値の重い展開が見られている。アジア時間にドル買い戻しが見られていたものの、NY時間にかけてドルは再び軟調に推移している。パウエルFRB議長がイベントに出席、「第2四半期にはインフレに関して若干の進展があった。過去3回のインフレはかなり良いペースだ」と述べていた。労働市場についても「ますます良いバランスに移行している」との認識も示していた。発言が伝わった直後にドル売りが強まり、ドル円は157.20近辺まで急速に下落する場面が見られた。ただ、一時的な反応に留まり、直ぐに戻している。短期金融市場では現在、9月利下げを完全に織り込んでいる。ユーロドルはNY時間にかけて堅調に推移も、次第に上値が重くなり1.09ちょうど付近で推移した。ポンドドルは一時1.29台後半と底堅く推移。市場は英中銀の8月利下げを巡って見方が完全に分かれており、短期金融市場でも五分五分で織り込んでいる状況。
(16日)
東京市場で、ドル円は堅調。前日の米株式市場ではダウ平均が4日続伸だった。東京市場でも株高を受けたリスク選好の円安に、午前中には158.70グ金かで上昇。午後には高値圏揉み合いのなかで158.79近辺に高値を更新。ユーロ円は172.10台から172.90台まで、ポンド円は204.80台から205.79近辺まで買われた。ただ、上値では介入警戒感も残った。ユーロドルは1.08台後半で12ポイントレンジにとどまった。
ロンドン市場は、円売りが続かず。ドル円は東京朝方の158円付近から東京午後には158.79近辺まで買われた。輸入など実需の円売り観測がでていた。しかし、その後は上値が重い展開に。米債利回り低下や、159円に接近したことで介入警戒などが上値を抑えている。日銀当座預金見通しからの推計で12日には2.1兆円規模の介入実施が示唆された。11日に続いて連続の介入観測となっている。実需と介入警戒のせめぎ合いの格好となっているようだ。クロス円も上昇一服となり、ユーロ円は172円台半ばから後半で、ポンド円は205円台で売買が交錯している。ユーロドルは一時1.09台乗せ、ポンドドルは1.29台後半と小高く推移も、取引レンジは狭く模様眺めとなっている。独ZEW景況感指数の低下には反応薄で、米小売売上高待ちとなっている。
NY市場では、ドル円が上に往って来い。序盤はドル買いが優勢となり、ドル円は158円台後半まで上昇。朝方発表の6月の米小売売上高が予想を上回る内容だったことや輸入物価指数も予想を上回ったことから、為替市場はドル買いで反応した。しかし、後半になって序盤の上げを取り戻す展開が見られた。ドル円は158円台後半から前半に値を落とした。市場はFRBの利下げ期待に変化はないと見ているもよう。「全体的に消費支出の鈍化傾向は安定化している一方、輸入インフレが依然として関連要因であることが示唆されている。とはいえ、今回の発表には9月利下げ観測を覆すような材料はない」とのコメントも聞かれた。ユーロドルは序盤に1.08台に下げる場面がああったが、1.09ちょうど付近へと戻している。今週は18日木曜日にECB理事会が開催され、ユーロにとっては最重要イベントとなる。しかし、今回は据え置きが確実視されており、市場は9月利下げのヒントが何か出るか注目している。ポンドドルは1.30の節目を前にして上下動。明日の英CPIが注目された。
(17日)
東京市場で、ドル円は午後に売りが強まった。午前中は158.30台から158.60付近へと上昇。前日の米株高を受けて日経平均も上昇、リスク選好の円売りとなった。しかし、午後には株安に転じると円買いが強まった。158円割れからストップを巻き込んで157.71近辺まで下落している。日経平均は後場にマイナスに転じると177円安まで下げた。クロス円も同様の動きで、ユーロ円は172円台後半まで買われたあとは172円台割れ。ポンド円は205円台後半から204円台後半へと反落。ポンドは午後3時の物価統計でインフレターゲットの対象であるCPI前年比が予想を上回り、前回と同じ+2.0%となったことで対ドルで少し買われたが、対円では円買いの勢いが勝った。ユーロドルは1.0900前後での推移が続いた。朝の消費者物価指数が予想を上回ったNZドルは対ドルで0.6080近辺まで買われた。対円では95円台硬軟から96円台前半で上に往って来い。
ロンドン市場は、円買いが強まった。河野デジタル相が日銀に利上げを要求との記事がきっかけとみられたほか、トランプ氏が円と人民元がドルに対して安すぎると苦言を呈したことも影響したようだ。また、介入警戒から上値が重くなるなかで、先週からの安値水準を割り込んで、ポジション調整が強まったことも指摘される。欧州株が連日軟調に推移しており、スイスフラン買いなどとともにリスク回避の動きも後押ししたようだ。ドル円は158円台から156円割れ目前まで下落。ユーロ円は172円台から一時170円台に突入。ポンド円は205円台から203円台へと下落した。足元ではやや下げ渋りも、依然として円高圏で推移している。ドル相場は売りが優勢。ロンドン早朝に発表された6月英CPIが前年比+2.0%と予想+1.9%を上回ったことでポンドドルは1.29台後半から1.30台前半へと買われている。英中銀の早期利下げ観測はやや後退している。ユーロドルも連れ高となり、1.09付近から1.09台半ばへと上昇。ドル円の急落を受けてドル指数は約4か月ぶりのドル安水準となっている。
NY市場では、ドル売りが強まった。ドル円は156円台前半まで下げを加速。ドル売りもさることながら、本日は円の買戻しも強まり、ユーロ円やポンド円といったクロス円も下落。市場全体的に大きな巻き返しの動きが見られており、円相場はこれまで積み上がった円ショートの巻き返しが強まったもよう。円相場に関しては財務省による2日連続の介入がロング勢の上値追いの心理を圧迫している。そのような中で一旦これまでのポジションを解消しようという動きが活発化したのかもしれない。前日の米小売売上高は堅調な個人消費を示したものの、為替市場のドル買いの反応は一時的だった。市場はFRBの利下げに楽観的になっており、短期金融市場では9月利下げの可能性を完全に織り込む動きが出ている。ウォラーFRB理事は「利下げが可能になる地点に近づきつつある」との認識を示した。ユーロドルは一時1.09台半ばまで上昇。その後も1.09台を維持。明日はECB理事会が予定されている。政策は据え置きが確実視されており、注目は声明やラガルド総裁の会見に。ポンドドルは1.30の大台を回復。一時1.3045付近まで上昇し、約1年ぶりの高値水準に上昇した。英消費者物価指数(CPI)を受けて、市場は英中銀による8月1日の利下げ開始への期待を後退させている。短期金融市場では前日まで五分五分の確率で見ていたものの、35%程度に低下している。
(18日)
東京市場では、円買いが一服。ドル円は前日海外市場での158円台から156円台までの急落を受けて、朝方には6月7日以来およそ1カ月ぶりの安値水準となる155.38近辺まで下落した。その後は買い戻しが優勢。昼過ぎには156.57近辺まで高値を伸ばした。ただ、日経平均が900円超の大幅安となったことなどが上値を抑え、取引終盤には再び156円割れとなる場面があった。ユーロ円は170円ちょうど付近まで下落したあと、171.19近辺まで買われた。その後は170円台後半へ押し戻されている。豪ドル円は6月豪雇用統計の強い結果を受けて105円台半ばまで一時上昇。ユーロドルは昼にかけてドル買い傾向となり1.09台前半で上値が重くなった。
ロンドン市場は、やや円安・ドル高の推移。ドル円は東京朝方に155.38近辺まで下落したあとは、円買いの動きは一巡。156円台へと買い戻されている。ロンドン時間には156.59近辺まで反発した。クロス円も堅調。ユーロ円は170円付近を安値に、171円台乗せへと反発。足元では171円挟みで揉み合っている。一方、ユーロドルは米債利回り上昇とともに上値を抑えられ、1.09台前半での弱保ち合いとなっている。ポンドは上値が重い。この日発表された英雇用統計で、賃金の伸びが鈍化したことに反応。ECB理事会の発表前にポンド買いポジションに調整が入る面もあったようだ。ポンドドルは1.30台割れから1.29台後半へと軟化。ポンド円は東京午後の203.59近辺を高値に、ロンドン時間には202円台後半まで一時反落したあとは203円台前半に落ち着いた。ユーロ対ポンドではユーロ買いの動きが入っている。今回のECB理事会では政策金利が据え置かれる見込み。次回の9月理事会について、利下げが示唆されるのかどうかが注目されている。
NY市場では、ドルの買い戻しが強まった。ドル円は157円台に買い戻された。米株式市場が大幅安となったことが、リスク警戒のドル買いにつながったとの指摘があった。ダウ平均は一時600ドル超下落。ただ、FRBの9月利下げを市場は確信し始めており、トランプ氏もドル安を選好している兆候がある中、ドル買いの継続性については疑問符も出ている。一方、円の方は財務省の介入が警戒され、月末の日銀の利上げへの期待も根強くある状況。ユーロドルは1.08台に伸び悩んだ。本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに政策を据え置いた。9月利下げを巡って注目は声明やラガルド総裁の会見だったが、こちらも予想通りにコミットすることはなく、オープンな姿勢を強調していた。「必要な限り十分に景気抑制的な水準に維持」との文言も再表明している。ポンドドルは1.29台に再び下落。前日は1.30台を回復し、1.30台半ばまで上昇していたが、大台は維持できず。前日の英CPIと本日の英雇用統計は英中銀の仕事を難しくしている。短期金融市場では、8月1日の英中銀政策委員会(MPC)での利下げの可能性を45%程度で見ている状況。
(19日)
東京市場は、円売りが優勢。ドル円は朝方に157.07近辺まで下落したが、その後は米10年債利回りの上昇とともに157.40付近と前日NY終値付近に下げ渋り。午後には河野デジタル相が「日銀に利上げを求めているわけではない」と発言したことなどから日銀による追加利上げ観測が後退し円が売られ、一時157.86近辺に高値を更新した。ユーロ円も午後に入って171.88近辺に高値を更新。ユーロドルはややドル高傾向となり、午後にかけては1.0885近辺に軟化している。
ロンドン市場は、円相場が神経質に振れている。ドル円は157円台後半へと高値を伸ばした。河野デジタル相が17日の日銀に利上げを要求する記事について、否定したことに反応していた。しかし、高値を付けた後、ロンドン朝方にはにわかに売りが強まり157円台割れまで下落した。市場には介入警戒感もみられたが、世界的なシステム障害の影響で欧州株先物などが下落したことに反応したもよう。その後は157円台半ばへと買い戻されて揉み合っている。ユーロ円は171円台後半から一時171円台割れまで、ポンド円は204円台前半から203円台割れまで一時下落。ロンドン時間には動きは一服している。ドル相場はややドル買いに傾いている。ユーロドルは1.09付近から1.08台後半へ、ポンドドルは1.2950付近から1.29ちょうど付近まで軟化した。米10年債利回りは4.20%付近の前日クローズを軸に方向感無く推移している。ユーロ対ポンドではややユーロが買い戻されている。
NY市場は比較的落ち着いた動きとなった。ロンドン市場の安値からの買い戻しがNY市場朝まで続いたが、157円70銭前後までの上昇にとどまった。その後は157円台半ばを挟んでの推移。週末を前に動きが抑えられた。進退が注目されているバイデン大統領について、米大手メディアNBCが家族と今後の選挙戦継続について協議と報じ、撤退観測が一時広がったが、その後週明けに選挙運動再開と報じられた。相場への影響は限定的。まだ情勢が不透明で反応が難しい。ユーロやポンドは対ドルでの動きが抑えられ、対円ではドル円の動きに準拠。
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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