*15:08JST テノックス Research Memo(8):社会・環境問題解決への技術開発などを推進
■テノックス<1905>の中期経営計画
3. 開発戦略
開発戦略では、保有技術の高付加価値化、社会・環境問題解決への技術開発、100年企業を目指した新技術の開発、を推進する。保有技術の高付加価値化では、保有技術をブラッシュアップして付加価値の高い基礎工法のバリエーションを強化するとともに、ICT技術を活用しながら施工品質の向上や工事現場の働き方改革を推進する。具体的には、硬質地盤への掘削性向上や小型機による大径改良施工など掘削施工技術のノウハウを生かして施工性を向上させることで、コストパフォーマンスに優れた工法を提供する方針で、2027年3月期の公的認証取得と実用化を目指す。また、施工状況をリアルタイムに監視・共有する「VCCS」については、2026年3月期に全工法に展開、2027年3月期には新基幹システムと連携して施工計画や現場管理の精度向上を目指す。
社会・環境問題解決への技術開発については、創業以来の環境に配慮した基礎工法の開発への貢献に加え、時代のニーズに応えるため、災害に強い安全な国土形成や脱炭素社会の実現に向けた技術開発に注力する。具体的には、防災拠点などの重要構造物の強靭化に向けて格子状地盤改良による液状化対策を適用するほか、循環型社会へ向けて既存杭を引き抜いた後の地盤の安定処理技術や、産業副産物を活用した低環境負荷型の地盤改良技術の開発を推進する。いずれも2027年3月期には現場での運用を開始する予定である。
100年企業を目指した新技術の開発では、AIによる施工機の自動運転、ロボティクス技術による現場作業の完全自動化により、担い手不足や働き方の多様化への適応、施工品質の向上や災害ゼロを目指す。また、建築基礎の品質管理システムの体系化や設計・施工管理データを活用することにより、提案する仕様と施工方法の最適化を図る。このほか、脱炭素・資源循環社会に向けて、施工段階におけるCO2発生ゼロや低炭素地盤改良技術の確立、自然材料を用いた基礎の開発にも挑戦する。
環境経営の実践とDXの推進を実行する
4. 環境・デジタル戦略
環境・デジタル戦略では、環境経営の実践とDXの推進を実行する。環境経営の実践では、気候変動による地球温暖化への対策を重要な経営課題とし、基礎工事のカーボンニュートラルの実現を目指す。Scope※1・2では、グリーン電力を活用する基礎工事業界初の電動小型杭打機の実用化でCO2排出量ネットゼロの実現を目指す。このほか、環境配慮型軽油代替燃料の使用継続や燃料削減添加剤の活用、EV車の導入や太陽光発電設備の整備などにより、使用燃料を削減する。これらの取り組みにより、2031年3月期の目標として、温室効果ガス排出量40%(2,000t)削減を掲げている。Scope3では、テノコラムやガンテツパイルなど保有工法をブラッシュアップした環境付加価値の高い新工法開発や、CO2を封じ込めた炭酸塩の地中固定化、産業副産物や再エネ鋼管の積極的活用、クレジットや証書によるカーボンオフセット、サプライチェーンと連携したCO2削減戦略、調達や物流の省力化などを推進することで、2031年3月期に温室効果ガス20%(60,000t)削減を目標としている。
※Scope:サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を示し、Scope1は工事プロセスなど事業者自らが排出する温室効果ガス、Scope2は他社から供給された電気や熱・蒸気の使用に伴う間接的に排出される温室効果ガス、Scope3はScope1・2以外の間接的に排出される温室効果ガスという3つのScopeに分けられる。
DXの推進では、業務の効率化や生産性の向上により省力施工の実現を目指す。建設業界は労働人口の減少や高齢化が進展していることから、新設した「環境・DXグループ」を軸にDX人財の育成や新基幹システムの導入による業務の省力化を目指す。具体的には、AIの活用やICT技術の積極的導入によって生産性を向上させる。「VCCS」の完全装備による施工品質の見える化、ウェアラブルカメラ導入による遠隔地現場の安全・品質管理の徹底、工事部門の「業務の見える化」を目的とした生産性向上アプリの開発・実用化などを推進する。また、DX推進による働き方改革として、デジタルリテラシーの向上やデジタル人財の育成、デジタルソリューションの活用による新サービスの創出や新基幹システム導入による業務の「省力化」「見える化」の実現を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 開発戦略
開発戦略では、保有技術の高付加価値化、社会・環境問題解決への技術開発、100年企業を目指した新技術の開発、を推進する。保有技術の高付加価値化では、保有技術をブラッシュアップして付加価値の高い基礎工法のバリエーションを強化するとともに、ICT技術を活用しながら施工品質の向上や工事現場の働き方改革を推進する。具体的には、硬質地盤への掘削性向上や小型機による大径改良施工など掘削施工技術のノウハウを生かして施工性を向上させることで、コストパフォーマンスに優れた工法を提供する方針で、2027年3月期の公的認証取得と実用化を目指す。また、施工状況をリアルタイムに監視・共有する「VCCS」については、2026年3月期に全工法に展開、2027年3月期には新基幹システムと連携して施工計画や現場管理の精度向上を目指す。
社会・環境問題解決への技術開発については、創業以来の環境に配慮した基礎工法の開発への貢献に加え、時代のニーズに応えるため、災害に強い安全な国土形成や脱炭素社会の実現に向けた技術開発に注力する。具体的には、防災拠点などの重要構造物の強靭化に向けて格子状地盤改良による液状化対策を適用するほか、循環型社会へ向けて既存杭を引き抜いた後の地盤の安定処理技術や、産業副産物を活用した低環境負荷型の地盤改良技術の開発を推進する。いずれも2027年3月期には現場での運用を開始する予定である。
100年企業を目指した新技術の開発では、AIによる施工機の自動運転、ロボティクス技術による現場作業の完全自動化により、担い手不足や働き方の多様化への適応、施工品質の向上や災害ゼロを目指す。また、建築基礎の品質管理システムの体系化や設計・施工管理データを活用することにより、提案する仕様と施工方法の最適化を図る。このほか、脱炭素・資源循環社会に向けて、施工段階におけるCO2発生ゼロや低炭素地盤改良技術の確立、自然材料を用いた基礎の開発にも挑戦する。
環境経営の実践とDXの推進を実行する
4. 環境・デジタル戦略
環境・デジタル戦略では、環境経営の実践とDXの推進を実行する。環境経営の実践では、気候変動による地球温暖化への対策を重要な経営課題とし、基礎工事のカーボンニュートラルの実現を目指す。Scope※1・2では、グリーン電力を活用する基礎工事業界初の電動小型杭打機の実用化でCO2排出量ネットゼロの実現を目指す。このほか、環境配慮型軽油代替燃料の使用継続や燃料削減添加剤の活用、EV車の導入や太陽光発電設備の整備などにより、使用燃料を削減する。これらの取り組みにより、2031年3月期の目標として、温室効果ガス排出量40%(2,000t)削減を掲げている。Scope3では、テノコラムやガンテツパイルなど保有工法をブラッシュアップした環境付加価値の高い新工法開発や、CO2を封じ込めた炭酸塩の地中固定化、産業副産物や再エネ鋼管の積極的活用、クレジットや証書によるカーボンオフセット、サプライチェーンと連携したCO2削減戦略、調達や物流の省力化などを推進することで、2031年3月期に温室効果ガス20%(60,000t)削減を目標としている。
※Scope:サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を示し、Scope1は工事プロセスなど事業者自らが排出する温室効果ガス、Scope2は他社から供給された電気や熱・蒸気の使用に伴う間接的に排出される温室効果ガス、Scope3はScope1・2以外の間接的に排出される温室効果ガスという3つのScopeに分けられる。
DXの推進では、業務の効率化や生産性の向上により省力施工の実現を目指す。建設業界は労働人口の減少や高齢化が進展していることから、新設した「環境・DXグループ」を軸にDX人財の育成や新基幹システムの導入による業務の省力化を目指す。具体的には、AIの活用やICT技術の積極的導入によって生産性を向上させる。「VCCS」の完全装備による施工品質の見える化、ウェアラブルカメラ導入による遠隔地現場の安全・品質管理の徹底、工事部門の「業務の見える化」を目的とした生産性向上アプリの開発・実用化などを推進する。また、DX推進による働き方改革として、デジタルリテラシーの向上やデジタル人財の育成、デジタルソリューションの活用による新サービスの創出や新基幹システム導入による業務の「省力化」「見える化」の実現を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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