午後:債券サマリー 先物は反発、5年債入札結果は順調

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/09 16:02
 9日の債券市場で、先物中心限月9月限は反発。前日の地合いを引き継いだ売りが一巡したあとは切り返し、午後には5年債入札の順調な結果を手掛かりとした買いが流入した。

 前日に厚生労働省が発表した5月の毎月勤労統計調査(速報)で賃金上昇率が高い伸びを示したことから、同日には「賃金の上昇は追加利上げの時期を探る日銀にとって政策面で追い風になる」との見方が広がり、この日も日銀の政策修正を意識した売りが先行した。ただ、下値では押し目買いが入り、債券先物は寄り付き直後に142円65銭まで軟化したあとはプラス圏に浮上。この日に財務省が実施した5年債入札の結果で一定の需要が確認されると、午後には一時142円92銭まで上伸した。とはいえ、きょうからあすまで日銀が国債買い入れの減額計画を巡って債券市場参加者会合を開くほか、米国ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が9~10日に議会証言を行うことから模様眺めムードが広がりやすく、一段の上値追いには慎重さが感じられた。なお、5年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が1銭と前回(6月20日)の2銭から縮小し、応札倍率は4.26倍と前回の3.97倍を上回った。

 先物9月限の終値は前日比17銭高の142円90銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.015%低下の1.070%で推移している。

出所:MINKABU PRESS
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