*13:01JST ハマキョウ Research Memo(1):過去最高値を更新中、19期連続の増配目指す
■業績動向
ハマキョウレックス<9037>は、独立系の3PL(企業の物流を包括的に受託する、言わば物流のアウトソーシング)の大手である。同社は1971年静岡県浜松市で設立した。以降は急速な成長を遂げ、現在は全国及びインドなどの海外に拠点がある。業界では物流を含めた総合的な事業体制見直しが進行するなか、3PLのニーズは年々高まりつつある状況だ。2024年3月期のセグメント別営業収益構成比は、物流センター事業が64.0%、貨物自動車運送事業が36.0%の比率である。
1. 2024年3月期連結決算
2024年3月期連結決算は、営業収益が前期比6.6%増の140,572百万円、営業利益が同8.8%増の12,569百万円、経常利益が6.7%増の13,136百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.2%増の8,305百万円となり、すべての項目で過去最高を更新した。
物流センターの新規稼働やM&A効果などによって着実に営業収益を伸ばした。利益面では、物流センター事業において物流センター運営の充実及び新規に受託したセンターが順次業績に寄与した結果、各利益は増益となった。
物流センター事業のセグメント利益は、前期比6.3%増の10,641百万円と増益となった。同社の物流センター数は186センターへ拡充した。内訳は自社センターが57、借用センターが129である。新たに受託した16社の案件以外にもビジネスとして進めている新規案件が多数存在しており、成長余地が大きい。同社は京阪久宝ホールディングス(株)、サカイグループ((株)サカイアゼットロジ、(株)サカイ産業運輸、(株)サカイファルコン、(株)アイアール、(株)アイアール北斗、(株)サカイ産業静岡)を2023年7月に子会社化した。今後も物流センター事業では、こうしたM&Aも含めて顧客のニーズに沿う形で物流センターの強化に努める考えだ。
貨物自動車運送事業のセグメント利益は、同25.8%増の1,923百万円と大幅増益を確保した。新型コロナウイルス感染症の拡大以降はしばらく減益を余儀なくされていたものの、5期ぶりに回復に転じた。これまで貨物自動車運送事業の伸び悩みを物流センター事業の好調がカバーしていたが、2024年3月期は両事業とも貢献した格好となった。なお、燃料費の収益に及ぼす目安はリッター当たり1円の変動で、約39百万円の利益変動要因になるという。貨物自動車運送事業においても、2023年4月に(株)山里物流サービスを子会社化し、M&Aにてスケールメリットを追求している。
財務面では、有利子負債が前期末の21,700百万円から23,512百万円に増加した。M&Aの影響で全体としては増加したが、引き続き子会社の近物レックス(株)の借入金に関しては返済を進めていくとしている。2024年3月期末時点の自己資本比率は54.2%と前期の54.1%からわずかに改善した。全体として、財務体質は良好と言える。
2. 2025年3月期業績予想
2025年3月通期連結の業績予想は、営業収益が146,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益が12,900百万円(同2.6%増)、経常利益が13,800百万円(同5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が8,600百万円(同3.6%増)と増収増益を見込み、2024年3月期に続いて営業収益・各段階利益は過去最高益の更新を想定している。
物流センター事業は、2025年3月期に15センターの新規獲得を目指す考えである。3PLに関しては引き続きニーズが強いため、今後も成長が期待される。貨物自動車運送事業はドライバーの労働環境改善に努めるとともに、人件費を吸収するため運賃是正に積極的に取り組む考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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ハマキョウレックス<9037>は、独立系の3PL(企業の物流を包括的に受託する、言わば物流のアウトソーシング)の大手である。同社は1971年静岡県浜松市で設立した。以降は急速な成長を遂げ、現在は全国及びインドなどの海外に拠点がある。業界では物流を含めた総合的な事業体制見直しが進行するなか、3PLのニーズは年々高まりつつある状況だ。2024年3月期のセグメント別営業収益構成比は、物流センター事業が64.0%、貨物自動車運送事業が36.0%の比率である。
1. 2024年3月期連結決算
2024年3月期連結決算は、営業収益が前期比6.6%増の140,572百万円、営業利益が同8.8%増の12,569百万円、経常利益が6.7%増の13,136百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.2%増の8,305百万円となり、すべての項目で過去最高を更新した。
物流センターの新規稼働やM&A効果などによって着実に営業収益を伸ばした。利益面では、物流センター事業において物流センター運営の充実及び新規に受託したセンターが順次業績に寄与した結果、各利益は増益となった。
物流センター事業のセグメント利益は、前期比6.3%増の10,641百万円と増益となった。同社の物流センター数は186センターへ拡充した。内訳は自社センターが57、借用センターが129である。新たに受託した16社の案件以外にもビジネスとして進めている新規案件が多数存在しており、成長余地が大きい。同社は京阪久宝ホールディングス(株)、サカイグループ((株)サカイアゼットロジ、(株)サカイ産業運輸、(株)サカイファルコン、(株)アイアール、(株)アイアール北斗、(株)サカイ産業静岡)を2023年7月に子会社化した。今後も物流センター事業では、こうしたM&Aも含めて顧客のニーズに沿う形で物流センターの強化に努める考えだ。
貨物自動車運送事業のセグメント利益は、同25.8%増の1,923百万円と大幅増益を確保した。新型コロナウイルス感染症の拡大以降はしばらく減益を余儀なくされていたものの、5期ぶりに回復に転じた。これまで貨物自動車運送事業の伸び悩みを物流センター事業の好調がカバーしていたが、2024年3月期は両事業とも貢献した格好となった。なお、燃料費の収益に及ぼす目安はリッター当たり1円の変動で、約39百万円の利益変動要因になるという。貨物自動車運送事業においても、2023年4月に(株)山里物流サービスを子会社化し、M&Aにてスケールメリットを追求している。
財務面では、有利子負債が前期末の21,700百万円から23,512百万円に増加した。M&Aの影響で全体としては増加したが、引き続き子会社の近物レックス(株)の借入金に関しては返済を進めていくとしている。2024年3月期末時点の自己資本比率は54.2%と前期の54.1%からわずかに改善した。全体として、財務体質は良好と言える。
2. 2025年3月期業績予想
2025年3月通期連結の業績予想は、営業収益が146,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益が12,900百万円(同2.6%増)、経常利益が13,800百万円(同5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が8,600百万円(同3.6%増)と増収増益を見込み、2024年3月期に続いて営業収益・各段階利益は過去最高益の更新を想定している。
物流センター事業は、2025年3月期に15センターの新規獲得を目指す考えである。3PLに関しては引き続きニーズが強いため、今後も成長が期待される。貨物自動車運送事業はドライバーの労働環境改善に努めるとともに、人件費を吸収するため運賃是正に積極的に取り組む考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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