円安・ユーロ高 欧州株上昇 仏選挙結果めぐる警戒感は一服=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/08 20:40
円安・ユーロ高 欧州株上昇 仏選挙結果めぐる警戒感は一服=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、円安・ユーロ高の動き。先週末の仏国民議会・決戦投票では左派連合、与党、極右勢力の順に議席を獲得した。事前に優勢が伝えられていた極右勢力は第3党に後退した。いずれの勢力も過半数は獲得できず、ハングパーラメント状態となった。週明けのオセアニア市場ではユーロが下窓を開けて取引を開始した。ただ、売りが一巡すると買戻しが入る格好でロンドン市場を迎えた。当初は売りが先行した欧州株だが、次第に買いが優勢になり、プラス圏を回復している。フランス国債の売りも一服。リスク警戒感が後退した背景としては、過半数を獲得した勢力がなかったことが、むしろ左派・右派に偏った極端な政策運営を行いにくい点が評価されているとの指摘があった。ユーロドルは1.08手前水準から1.0840台まで買われて、週明けの下げを解消した。ユーロ円は173円台半ばから174円後半まで一時上昇し、本日の高値を更新。ドル円は東京午前の160.26近辺を安値に、ロンドン時間には161円台に乗せる場面があった。ポンド相場はユーロに連れ高となっており、対ドルは1.28台割れから1.28台を回復、対円は205円台前半から206円台半ばへと上昇している。

 ドル円は161円付近での取引。160.70台と先週末終値付近で週明けの取引を開始。東京午前にはリスク警戒の動きでユーロ円とともに売られ、安値を160.26近辺に広げた。しかし、その後は買い優勢に転じている。ロンドンン序盤には161円台乗せから161.12近辺に高値を伸ばした。欧州株高などリスク警戒の後退がドル円を押し上げている。

 ユーロドルは1.08台前半での取引。週末の仏国民議会選・決戦投票でどの勢力も過半数を獲得できず、市場は不透明感を広げてスタート。週明けの1.0840付近から1.0820付近に窓を開けて下落。その後安値を1.0802近辺に広げた。しかし、売り一巡後は次第に買戻しの流れとなり、ロンドン序盤には1.0843近辺に高値を更新。東京早朝の下げを消した。ユーロ円は東京午前の173.52近辺を安値に、その後は買いに転じた。ロンドン序盤には欧州株の上昇とともに174.63近辺まで買われた。その後は174円台前半に上昇一服。対ポンドでは目立った方向性はみられなかった。クノット・オランダ中銀総裁は、7月に利下げする理由はみあたらない、と述べ、真にオープンな会合は9月となることを示唆した。

 ポンドドルは1.28台前半での取引。東京早朝の1.2791近辺を安値に買われている。ロンドン序盤には一時1.2831近辺に高値を伸ばした。ポンド円は東京午前に205.30近辺まで下押しされたあとは、上昇に転じている。ロンドン序盤には206.54近辺まで高値を伸ばした。ユーロポンドは0.8440付近から0.8460付近で売買が交錯しており、方向性は希薄。ハスケル英中銀委員は講演の事前原稿で、インフレ圧力が落ち着く確実性が一段と高まるまで主要金利は据え置くべき、と主張した。

minkabu PRESS編集部 松木秀明 

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