ドル円、弱い米指標を受け一時160円台に下落も後半に戻す 円安根強い=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/04 05:45
ドル円、弱い米指標を受け一時160円台に下落も後半に戻す 円安根強い=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、序盤はドル売りが強まり、ドル円は160円台に一時下落した。朝方発表になった米経済指標に弱い内容が相次いだことで、市場では利下げ期待が高まっている。特にISM非製造業景気指数は予想外の弱さを見せ、判断基準の50を下回った。

 サービス業は底堅さを維持していると見られていただけに、ネガティブ・サプライズとなった模様。短期金融市場ではFRBの9月利下げの確率を80%程度まで高めていた。また、朝方発表のADP雇用統計も非農業部門雇用者数(NFP)が15万人増と予想を下回り、雇用の冷え込みを示した。

 ただ、下げが一巡すると押し目買いも活発に入り、結局、序盤の下げを取り戻している。160.80円付近から161.70円付近まで買い戻された。根強い円安がドル円の下値を支えている。本日は下に往って来いの展開となった。

 ユーロドルは一時1.08ドル台を回復。きょうの上げでユーロドルは一気に200日線を回復しており、リバウンド相場に復帰できるか、明日以降の動きが注目される。

 ユーロに関しては仏議会選挙が目下の最注目だが、第1回目の投票でルペン氏率いる右派の国民連合(RN)が躍進した。一方、左派・中道派は右派の過半数獲得を阻止するために、候補者が選挙から大規模に離脱しており、これにより右派政党の過半数獲得は難しい情勢となっている。これらの展開はユーロに恩恵をもたらす可能性があるとの指摘も聞かれ、7月7日の第2回目の投票を前にユーロの下振れリスクをさらに和らげるという。

 仏メディアによると、214から218名の3位候補が選挙戦から離脱したことで、三つ巴の選挙戦が300強から約108に減っているという。三つ巴が解消されれば、票が割れることがなく、左派・中道派連合に有利に働く。

 ポンドドルは一時1.2775ドル付近まで上昇。100日線付近での売買交錯が続いていたが、きょうの動きで上放れへの期待感が台頭している。目先は6月前半に上値を拒まれた1.28ドルの水準が意識される。

 明日は英総選挙が行われ、野党・労働党が勝利し、政権交代が実現すると見られている。予想通りに過半数を確保した場合でもポンドへの影響は限定的とみられている。市場はすぐに他の話題に移る可能性が高く、英総選挙が市場の主要イベントとなる可能性は低いという。

 出口調査で労働党が過半数を占め、保守党が第2党となった場合でも、ポンドのトレーダーは直ぐに日曜日の仏議会選挙の第2回目の投票と、英中銀の8月利下げをを示唆する可能性のある7月中旬の英経済指標に関心が移るとしている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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