こうなると“162円ライン”は意識せざるを得ないが…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/07/02 11:51

◆ 年初来高値更新… - “161円後半”へ


仏総選挙(1回目)を経たこともあって、昨日は“ユーロ買い(戻し)→ドル売り”が先行しました。
ただそれ以上に“円売り”が目立ったことから、ドル円はさらに上値を伸ばしています。
特に時間外取引で低下していた米10年債利回りが“上昇(4.38%→4.40%)”に転じたNYタイムにはその傾向が顕著であり、“年初来高値(6/28高値:161.279円)”を突破すると、一時“161.728円”へと駆け上がりました。
その後はわずかに値を落として引けたものの、こうなってしまうと“162円ライン”を意識せざるを得ないところです。

◆ 「円買い介入」が入らない以上は…?


「円買い介入」への警戒感は高まっているものの、どこで入るか?(あるいは入らないか?)というのは依然として不透明というのが実状といえます。
ただ円売りスピードは前回時(4/29)と比べると“幾分緩やか”といえますが、その水準に関しては“前回にはなかった(1986年以来)”ところに達しています。
特に“2007年以来(対豪ドル・対カナダドル)/2008年以来(対ポンド)”、はたまた“史上最安値更新(対ユーロ・対スイスフラン)”と、いわゆる“円全面安”の状況でもあり、過熱感は否めないといえます。

◆ それでも目先は“新規のポジション構築”は手控えられやすい…!?


ただ明後日(4日)には「米国休場(独立記念日)」で“流動性低下”が意識される中、“結果は水物”とされる「英総選挙」が行われます。
そうなるとその手前では新規のポジション構築は“手控えられ”やすく、そうなると“さらなる上値模索”に関しても抑制される…?

そうした中で“さらに上値模索”ともなれば、“投機的/過剰な動き”とされる可能性もありますが、自ずと本日の上値は限定されると見たいところです。
もちろん「円買い介入」が入らない以上、大きく下落する展開は想定しづらいと見ますが…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

162.893(ピボットハイブレイクアウト)
上値5:162.700(86/12/23高値)
上値4:162.382(+2σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:162.000(大台)
上値2:161.895(ピボット1stレジスタンス)
上値1:161.728(7/1高値《年初来高値》)
前営業日終値:161.479
下値1:161.000(大台、6/24~7/1の23.6%押し)
下値2:160.897(ピボット1stサポート)
下値3:160.730(7/1安値)
下値4:160.577(6/24~7/1の38.2%押し)
下値5:160.372(+1σ、ピボット2ndサポート)
160.262(6/28安値、6/24~7/1の50%押し、6/12~7/1の23.6%押し)
160.000(大台)
159.865(6/24~7/1の61.8%押し、日足・一目均衡表転換線、ピボットローブレイクアウト)

《11:00》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想