リンカーズ、今期経常を一転赤字に下方修正

配信元:株探
投稿:2024/05/24 15:30
 リンカーズ <5131> [東証G] が5月24日大引け後(15:30)に業績修正を発表。24年7月期の経常損益(非連結)を従来予想の5200万円の黒字→9700万円の赤字(前期は8000万円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。

 会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した2-7月期(下期)の経常利益も従来予想の2億1200万円→6300万円(前年同期は1億1900万円)に70.3%減額し、一転して47.1%減益計算になる。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
  当社は2024年7月期の期初において、予測し得る経済環境動向や策定時点で把握出来ていた営業活動等を当該業績予想に織り込み、直前期である2023年7月期実績をベースに、一定量ストレッチした成長率を織り込んだ上で、売上高、各段階利益(営業利益、経常利益及び当期純利益)の計画を策定いたしました。 2024年7月期においては、期初の営業体制の見直し等により受注が低迷していたグローバル技術リサーチサービス「Linkers Research」の失速等による収益悪化を、各種サービスでリカバリーすべく積み上げを図ってまいりましたが、2024年7月期第3四半期末時点において、事業会社向けマッチングシステム「Linkers for Business」での複数機関の来期への導入延期並びに失注、その他サービスにて見込んでいた官公庁の大型入札案件の失注、M&A等の新規サービスのローンチの遅延等により、期初に策定した業績予想数値を達成するのが困難であることが予測できるようになったことから、業績の下方修正を行うことといたしました。 以下に、今回の業績未達の要因となった主な事象について、その要因を記載いたします。(売上) 2024年7月期の通期業績におきましては、主に「Linkers Research」の受注低迷、及び「Linkers for Business」の新規導入機関の導入遅延及び失注が発生したことから、期初における見込みを下回るなど売上高が想定を下回ることが見込まれるため、下方修正いたします。 技術探索サービス「Linkers Sourcing」、及び用途開拓サービス「Linkers Marketing」においては、前期末より、海外探索サービスの立上げ並びにコーディネーターネットワーク構築に、主たる営業リソースを重点的に配置したことなどにより、海外探索サービスの案件数は概ね予算どおりに進捗するなど一定の成果が現れました。一方で、手薄となった国内案件の受注獲得に向けて、期中に採用した営業人員の戦力化が想定よりも大幅に遅れたことから、受注獲得における先行指標である営業活動量が低下した結果、受注件数が想定を下回り、売上が未達となる見通しとなっております。 金融機関向けマッチングシステム「Linkers for BANK」においては、策定時点での引き合い等を勘案し、新規にて過去最高の13機関(期初の3機関の解約を織り込んで合計10機関の純増)の導入を見込んで販売計画を策定いたしました。既存導入機関にて順調に成果が示現していることから営業活動は比較的順調に進み、導入候補機関のリードも大きく拡大しておりますが、複数の導入予定機関にて意思決定に時間を要し来期の検収となることが確定した結果、2024年7月期においては、過去最高の11機関に導入予定となるものの当初計画からは2機関減となったことから、売上は未達となる見通しとなっております。 事業会社向けマッチングシステム「Linkers for Business」においては、2024年7月期において、商談が進行中の案件を中心に3機関の新規導入を見込んで販売計画を策定いたしましたが、提案企業内での体制変更や、既存サービスとの親和性等の見直し等が発生したことで、商談がペンディングまたは失注となったことが確定したことから、2024年7月期においての新規受注は特別価格での1機関の導入に留まるとともに、既存導入機関でのスポットコンサルティングサービスのスタート遅延等もあり、売上が未達となる見通しとなっております。 調達支援サービス「Linkers Trading」においては、主に海外サプライヤーからの調達支援を主たる事業としておりますが、前期に大幅な売上未達となった背景から、2024年7月期においては、実需のみで販売計画を策定いたしました。一部の大口需要家の調達が順調に推移したことで、予想を上回って進捗しているものの、仕入価格に期中に進行した為替レートの転嫁ができなかったこと等から、利益面での貢献は僅少であります。 グローバル技術リサーチサービス「Linkers Research」においては、前期に案件受注数及び売上高において過去最高を更新したことから、2024年7月期においては「一般リサーチ」は案件単価の向上による量から質への転換による売上拡大と併せて、当社が調査テーマを企画して購入企業を募る「マルチクライアントリサーチ」を毎月設計・販売する計画を織り込んだ販売計画を策定いたしました。期初より、当該サービスの将来的な独自拡大を企図した施策の一環として、従来のクロスセルから部門独自の営業活動を行う体制へと変更を行いましたが、営業人員の採用が遅れたことから想定以上に営業活動が難航し、当初計画していた案件数の受注が困難となったことにより、売上が未達となる見通しとなっております。(売上原価、売上総利益) 「Linkers Research」の受注減退に伴う外部リサーチャー等への外注費用の圧縮等により、業務委託料が同約39%減の執行となるなど主要原価の削減に取り組んだものの、「Linkers Trading」にて、一部の大口需要家の調達が順調に推移したことから、仕入高が前回発表予想比で約71%増と増加したこともあり、売上原価全体では同約9%減に留まりました。収益性の高い「Linkers Research」、及び「Linkers for Business」等の売上未達の影響が大きく、売上総利益は同約22%減を見込んでおります。(販売費および一般管理費及び営業利益) 販売費及び一般管理費においては、2025年7月期以降の更なる成長を企図した人員採用とプラットフォ ーム開発の強化によるコスト増を織り込んで策定しております。採用面においては、2024年7月期末の人員が純増で13名程度と概ね計画通りとなる見通しであり、プラットフォーム開発においては、既存システムの利便性向上などの開発とともに、新たにプラットフォーム開発にも着手するなど、開発投資においても概ね順調に進捗していることなどを背景に、主要経費を含めて概ね前回発表予想とほぼ近似した執行になる見込みとなることから、売上総利益の落ち込みをリカバリーするには至らず、△197百万円の営業損失(前回発表予想は53百万の営業利益)を見込んでおります。(経常利益及び当期純利益) 2024年2月に補助金収入を計上したことから、経常利益は赤字幅を圧縮して△97百万円の経常損失(同52百万円の経常利益)を、当期に属する法人税等及び税効果会計等を見積り、当期純損失利益は△67百万円(同45百万円の当期純利益)を見込んでおります。 これらの事業環境と当社の収益状況等を勘案し、2024年7月期通期業績予想を上記のとおり下方修正いたします。
配信元: 株探

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