“節目(157円)”に向けた動きは懐疑的…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/05/21 11:10

◆ 相次ぐ“タカ派寄り”発言にて… - “156円回復”


“上値の重さ”を引きずりながらではあるものの、基本的に昨日も“下値の堅さ”が際立ちました。
特に“タカ派寄り(米早期利下げに懐疑的)”の「FRB関係者発言」が相次いだことで、“ドル買い”が目立ちました。

 『インフレ2%確信には時間を要する(ボスティック・アトランタ連銀総裁)』
 『インフレ抑止を続けるべき(バーFRB副議長)』
 『インフレ2%軌道に乗ったか判断するのは時期尚早(ジェファーソンFRB副議長)』
 『年内3回利下げはもはや適切でない(メスター・クリーブランド連銀総裁)』

米10年債利回りが“さらに上昇(→4.55%)”を見せる中、ドル円は“156.299円”へと上値を伸ばし、本日に入って“156円半ば”へとさらに上値を拡大しています。

◆ それでも“上値の重さ”は引きずる…?


想定よりも少し早い上昇ですが、こうして「米CPI(15日)」後の下落幅をほぼ取り戻したことを考えると“もう一段”は想定せざるを得なくなりつつあるのが実状といえます。
ただしオーダー状況を見ると、テクニカル的なポイントである“156.549円(5/15高値)/156.771円(5/14高値)”にかけては、ドル売りオーダーがびっしり並んでいるとも聞き及びます。
大きな節目となるのは“157.010円(4/29~5/3の61.8%戻し)”ですので、それに向けて動くにはまだ材料が足りない…?

本日は日銀金融政策運営のキーパーソンとされる「内田日銀副総裁出席のパネルディスカッション(日本時間16:25~)」が予定されています。
「追加利上げ」に関するコメントが発せられるかは懐疑的ではありますが、確認するまでは動きづらいと見るのが妥当ともいえます。
“より下値が堅い”は継続とは見ますが、“上値の重さ”もまだ引きずると考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

158.228(4/29~5/3の76.4%戻し)
上値5:157.980(5/1高値、+2σ、大台)
上値4:157.335(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:157.010(4/29~5/3の61.8%戻し、大台)
上値2:156.771(5/14高値、+1σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:156.549(5/15高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:156.263
下値1:156.026(日足・一目均衡表基準線、大台)
下値2:155.745(ピボット1stサポート)
下値3:155.664(5/16~5/20の23.6%押し)
下値4:155.504(5/20安値、20日移動平均線、週足・一目均衡表転換線)
下値5:155.247(5/17安値、5/16~5/20の38.2%押し、ピボット2ndサポート)
155.190(日足・一目均衡表転換線)
154.954(5/16~5/20の50%押し、ピボットローブレイクアウト、大台)
154.636(5/16~5/20の61.8%押し)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想