ispace Europe、Control Data Systems SRL社とペイロード輸送サービス契約を締結、 高精度な測位技術を月面へ輸送

配信元:PR TIMES
投稿:2024/05/14 14:17
ルーマニア初の月面ミッションに向けた重要な一歩

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、欧州法人であるispace EUROPE S.A. (以下ispace EU)が、産業用ワイヤレス技術・製品の開発を行うルーマニアのControl Data Systems SRL社(以下CDS社)との間でペイロード輸送サービス契約を締結したことをお知らせいたします。本契約により、ispaceは2026年に予定しているミッション3にて、CDS社の高精度な測位技術を実証する機器を月面に輸送する計画です。


CDS社は欧州宇宙機関(ESA)の支援を受け、超広帯域の無線をベースに、高精度なローカライゼーション機能と通信技術を組み合わせて、より正確な位置の特定を可能にする技術を開発しています。GPSのようなシステムが存在しない月面において、本技術は今後の月面探査にも有益で画期的な技術と言えます。

本契約の締結は、2024年3月1日発表の両社が締結した、将来の月ミッションにおける戦略的協力関係構築に向けたペイロード輸送サービスに関する覚書*¹を発展させたものです。ルーマニアのペイロードが月面に輸送される最初の事例となるだけでなく、将来的な月の商業的な活用に向けた月の科学的理解に大きく貢献することが期待されています。CDS社のこの機器は2026年に予定しているispace technologies U.S.(ispace U.S.)のミッション3の一環としてAPEX 1.0ランダー(月着陸船)に搭載され月面に輸送される計画です。月面では、ローバー(月面探査車)とランダーの通信により、本技術の実証を行う予定です。
ispace-Europe CEO Julien Lamamy (左)とCDS Founder and CEO Ovidiu Ratiu (右)
ispace EUROPE S.A. CEO Julien-Alexandre Lamamy コメント
「ispaceは、世界中の顧客に月面へのアクセスおよび月面でのあらゆる技術の実証機会を提供してまいります。今回、ルーマニア初の商業月面ミッションの実現のため、CDS社へ月面への輸送サービスを提供できることを、非常に誇りに思います。」


Control Data Systems SRL社 Founder and CEO Ovidiu Ratiuコメント
「CDSは、今後の月面開発に必要不可欠な、高精度の位置特定機能と電気通信の技術を開発しています。ispaceとの協業により、この重要な技術を月面で実証する機会を得ることができます。」
左からispace-Europe CEO Julien Lamamy, Charlotte Nassey, CDS Founder and CEO Ovidiu Ratiu, ispace Founder & CEO 袴田武史, ispace-Europe
*¹ 関連プレスリリース:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=5133


株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げ
を完了。続く2024年冬[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

■Control Data Systems SRL 社 について (https://www.cds.ro/)
Control Data Systems社(CDS)は、1994年に設立されたルーマニアのクルジュ・ナポカにあるテクノロジー企業。同社は、航空宇宙、石油・ガス、環境モニタリングなどの産業用アプリケーション向けのワイヤレス製品・技術の開発企業であり、2011年にルーマニアがESAに加盟した後は、宇宙領域で、衛星のAIT運用向けの無線アプリケーションや、衛星アプリケーション用の無線通信バスの開発など、複数のESAとの研究プロジェクトを成功させている。



[i] 2024年5月時点の想定
[ii] 2024年5月時点の想定
[iii] 2024年5月時点の想定
配信元: PR TIMES

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