今週のポイント
先週の豪ドル/円やNZドル/円、カナダドル/円は大きく変動しました。4月29日に一時、豪ドル/円は104円台後半、NZドル/円は95円台前半、カナダドル/円は117円台前半へと上昇した後に一転して下落。一時、豪ドル/円は99.843円、NZドル/円は90.778円、カナダドル/円は111.298円へと下落する場面がありました。豪ドル/円などの急落(円の急伸)については、市場では本邦当局が為替介入(米ドル売り・円買い介入)を実施したとの観測があります。
日銀と他の主要中銀との政策金利の差の大きさからみれば、豪ドル/円などのクロス円には上昇圧力が加わりやすいと考えられます。ただ、クロス円は米ドル/円の動向にも影響を受けます。米ドル/円が再び上昇基調を強める場合、本邦当局の対応(為替介入の有無)に注目です。
豪ドル/円や豪ドル/米ドル、豪ドル/NZドルについては、7日のRBA(豪中銀)の政策会合の結果が重要です(本稿執筆時点で結果は未発表)。
メキシコペソについては、9日のBOM(メキシコ中銀)の政策会合が材料になりそうです。BOMは3月の会合で0.25%の利下げを行うことを決定し、政策金利を11.25%から11.00%へと引き下げました。
メキシコのCPI(消費者物価指数)は、コア指数が3月まで14カ月連続で上昇率が鈍化しました(3月は前年比4.55%)。その一方で、総合指数はここ数カ月間4%台(前年比)で推移しており、上昇率の鈍化傾向に歯止めがかかっているようにみえます。CPIの動向から考えると、9日の会合で政策金利は据え置かれそうです。
BOMの声明にも注目です。声明では、その次の6月の会合に関してのヒントが示されるかどうかが焦点になりそうです。9日の会合で政策金利が据え置かれて、声明が6月の会合での利下げ観測を後退させるような内容になれば、メキシコペソにとってプラスになると考えられます。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.08500NZドル~1.11000NZドル>
豪ドル/NZドルの行方は、7日のRBA(豪中銀)政策会合が重要なカギを握りそうです。本稿執筆時点(7日午前10時過ぎ)で会合の結果は発表されていませんが、政策金利は4.35%に据え置かれると考えられます。
足もとの豪ドル/NZドルの上昇は、RBAの先行きの利上げ観測浮上の影響が大きいと考えられます。7日の会合ではRBAの声明やブロック総裁の会見の内容を受けて、市場の金融政策見通しがどう変化するかにも注目です。利上げ観測が後退する場合、豪ドル/NZドルには下落圧力が加わりそうです。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35500カナダドル~1.38500カナダドル>
マックレムBOC(カナダ中銀)総裁は5月1日、「利下げ(のタイミング)が近づいている」と明言しました。米FRBの利下げが後ズレする可能性があることについてマックレム総裁は、FRBの金融政策と歩調を合わせる必要はないとの認識を示しました。
BOCは次回6月5日の会合で利下げを行うとの観測が市場にはある一方で、FRBの利下げはまだ先(9月?)と市場は予想しています。市場の金融政策見通しからみれば、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わりやすいと考えられます。
カナダの4月雇用統計が10日に発表されます。雇用統計が市場予想よりも弱い結果の場合、BOCの6月の利下げ観測が一段と強まるとともに、米ドル/カナダドルは上値を試す展開が想定されます。
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