ドル円は一時151円台に下落 米雇用統計が雇用の冷え込み示す=NY為替概況
ドル円は一時151円台に下落 米雇用統計が雇用の冷え込み示す=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は一時151円台に下落した。この日発表になった米雇用統計を受けてドル売りが強まっている。非農業部門雇用者数(NFP)は17.5万人増と基準の20万人を割り込み、予想も大きく下回った。失業率も3.9%に悪化したほか、注目の平均時給も前年比3.9%と4%を下回り、21年6月以来の低水準に鈍化した。
雇用の冷え込みを示す数字であり、短期金融市場では年内2回の利下げ期待を完全に織り込む動きが一時復活していた。ドル円は、上値では介入警戒感もある中、ロング勢の見切り売りが強まったようだ。ただ、下値では根強い買いも依然として見られ、一時153円台に戻す場面も見られた。今週は160円台まで急上昇する場面も見られたが、財務省の介入観測が2回あり、そこから急落している。150円に接近すればさすがに値ごろ感も出るようだ。
米雇用統計だが、幾分か熱気が冷めつつあることが示唆された。しかし、パウエルFRB議長が金融政策での対応を正当化するとした予想外の軟化には相当しないと見られている。「早期の利下げを期待する向きには、雇用者数の伸び減速は朗報だ。賃金上昇ペースの鈍化はさらに喜ばしいニュースだろう。しかし、あくまで単月の数字で、FRBが利下げの検討を早めるには、この種のデータが数カ月続き、インフレ統計の改善も伴う必要がある」との指摘も出ている。今週は、第1四半期の雇用コスト指数や単位労働コストなど、労働需給に幾分緩和が見られながらも賃金上昇圧力が依然続いていることを示す統計が相次いでいた。
ユーロドルは買い戻しが加速し、一時1.08ドル台まで上昇する場面が見られた。しかし、本日の200日線が1.08ドルちょうど付近に来ているが、その水準を超えると戻り待ちの売りオーダーも並んでいるようで、1.07ドル台に伸び悩んでいる。
本日は3月のユーロ圏失業率が発表になっていたが、6.5%と5カ月連続で過去最低の水準で推移している。今年に入って経済が改善を続ける中、雇用市場のひっ迫が、利下げを検討するECBの足かせとなる可能性があるとの指摘も出ている。労働需要の軟化が今後の賃金協定に影響を及ぼす可能性があるとしても、労働者不足は第2四半期の失業率の大幅上昇を阻むという。
6月にECBが利下げに踏み切るという見方を変えるものではないが、問題はその後で、景気回復が続けば労働市場が再び引き締まり、賃金上昇率の低下傾向が逆転する可能性があると述べている。ECBが金利正常化プロセスにおいて慎重に行動する十分な理由があるとも付け加えた。
ポンドドルは一旦1.26ドル台まで上昇したものの、動きが落ち着くと戻り売りが出て1.25ドル台半ばに伸び悩んだ。200日線が1.25ドル台半ばに来ているが、その水準を上回ると売り圧力も強まるようだ。
来週は英中銀が金融政策委員会(MPC)を開催する。政策は据え置きが確実視されているが、一部からはそこで6月利下げを示唆する可能性が指摘されている。英中銀は利下げサイクルの開始が間近に迫っていることを市場に呼び起こすと予想しているという。6月に0.25%ポイントの利下げを見込んでいるようだ。ただ、MPC内では利下げについて意見が分かれているとの指摘も出ており、市場は早くても8月の利下げ開始が予想されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は一時151円台に下落した。この日発表になった米雇用統計を受けてドル売りが強まっている。非農業部門雇用者数(NFP)は17.5万人増と基準の20万人を割り込み、予想も大きく下回った。失業率も3.9%に悪化したほか、注目の平均時給も前年比3.9%と4%を下回り、21年6月以来の低水準に鈍化した。
雇用の冷え込みを示す数字であり、短期金融市場では年内2回の利下げ期待を完全に織り込む動きが一時復活していた。ドル円は、上値では介入警戒感もある中、ロング勢の見切り売りが強まったようだ。ただ、下値では根強い買いも依然として見られ、一時153円台に戻す場面も見られた。今週は160円台まで急上昇する場面も見られたが、財務省の介入観測が2回あり、そこから急落している。150円に接近すればさすがに値ごろ感も出るようだ。
米雇用統計だが、幾分か熱気が冷めつつあることが示唆された。しかし、パウエルFRB議長が金融政策での対応を正当化するとした予想外の軟化には相当しないと見られている。「早期の利下げを期待する向きには、雇用者数の伸び減速は朗報だ。賃金上昇ペースの鈍化はさらに喜ばしいニュースだろう。しかし、あくまで単月の数字で、FRBが利下げの検討を早めるには、この種のデータが数カ月続き、インフレ統計の改善も伴う必要がある」との指摘も出ている。今週は、第1四半期の雇用コスト指数や単位労働コストなど、労働需給に幾分緩和が見られながらも賃金上昇圧力が依然続いていることを示す統計が相次いでいた。
ユーロドルは買い戻しが加速し、一時1.08ドル台まで上昇する場面が見られた。しかし、本日の200日線が1.08ドルちょうど付近に来ているが、その水準を超えると戻り待ちの売りオーダーも並んでいるようで、1.07ドル台に伸び悩んでいる。
本日は3月のユーロ圏失業率が発表になっていたが、6.5%と5カ月連続で過去最低の水準で推移している。今年に入って経済が改善を続ける中、雇用市場のひっ迫が、利下げを検討するECBの足かせとなる可能性があるとの指摘も出ている。労働需要の軟化が今後の賃金協定に影響を及ぼす可能性があるとしても、労働者不足は第2四半期の失業率の大幅上昇を阻むという。
6月にECBが利下げに踏み切るという見方を変えるものではないが、問題はその後で、景気回復が続けば労働市場が再び引き締まり、賃金上昇率の低下傾向が逆転する可能性があると述べている。ECBが金利正常化プロセスにおいて慎重に行動する十分な理由があるとも付け加えた。
ポンドドルは一旦1.26ドル台まで上昇したものの、動きが落ち着くと戻り売りが出て1.25ドル台半ばに伸び悩んだ。200日線が1.25ドル台半ばに来ているが、その水準を上回ると売り圧力も強まるようだ。
来週は英中銀が金融政策委員会(MPC)を開催する。政策は据え置きが確実視されているが、一部からはそこで6月利下げを示唆する可能性が指摘されている。英中銀は利下げサイクルの開始が間近に迫っていることを市場に呼び起こすと予想しているという。6月に0.25%ポイントの利下げを見込んでいるようだ。ただ、MPC内では利下げについて意見が分かれているとの指摘も出ており、市場は早くても8月の利下げ開始が予想されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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