ほぼ日、「ほぼ日手帳」が牽引し売上高は前期比13.3%の増収 全体に占める海外構成比率は45.0%に増加
『ほぼ日手帳』が牽引し、前年同期比約13.3%の増収
鈴木基男氏:株式会社ほぼ日取締役の鈴木です。本日はお足元の悪い中お集まりいただき、ありがとうございます。2024年8月期第2四半期の決算概要のご説明を行います。
さっそくですが、第2四半期の事業報告です。至ってシンプルな内容ですが、当社主力商品の「ほぼ日手帳」が牽引し、前年同期比約13.3パーセントの増収で着地しました。売上高は50億3,000万円であり、前年同期比で5億9,100万円、13.3パーセントの増となっています。
内訳としては、「ほぼ日手帳」の売上高が36億5,100万円で、全体の売上に対して72.6パーセントの構成比となっており、前年同期比で6億4,800万円、21.6パーセントの増となっています。
当社はその他にも「ほぼ日商品」と銘打って、タオル、腹巻き、布団などの寝具、そして食品など、生活にまつわるさまざまなものを販売しています。こちらの売上高は前年同期と同程度の10億3,500万円となっています。
「その他」に関しては、自社EC等で販売した商品の配送にかかる手数料をお客さまにご負担いただくのですが、その手数料が主な内容になります。こちらは3億4,300万円で、前年同期比マイナス5,700万円となっています。
もう少し具体的な中身をお伝えします。まずは「ほぼ日手帳」についてです。2024年版の「ほぼ日手帳」の販売部数は、2月末時点で82万部となっています。この数字は2023年版の総販売部数と並ぶほどで、順調に販売が進んでいます。
2001年10月に最初の「ほぼ日手帳」がこの世に誕生し、その際は初版部数1万2,000冊からスタートしましたが、2024年版を発売して間もなく累計販売部数が1,000万部を突破するということで、メモリアルな年となりました。
昨今の売上増加の背景として、欧米での「ほぼ日手帳」への高い関心があり、本年度も続いています。そちらに呼応するかたちで「ほぼ日手帳」関連のコンテンツやSNSの英語対応の強化や、海外での展示イベントの実施を通して認知を高めています。また、実際にご使用いただくユーザーは英語圏の方が多くなっているため、英語版の手帳本体のラインナップも拡充しました。
「ほぼ日商品」においては、より多くの方にほぼ日の商品をお試しいただく機会を増やすことを目的として、本年1月に自社ECサイト「ほぼ日ストア」で3年ぶりのセールを行い、売上が増加しました。一方で、暖冬の影響等により冬物のアパレルや寝具の動きは低調になり、生活雑貨の売上は減少しました。結果として、トータルでは前年同期並みの売上となっています。
「その他」の売上高に関しては、お客さまにご負担いただいている自社ECの配送にまつわる手数料になりますが、今年に入ってから、日本ですと「税込1万1,000円以上は送料無料」、アメリカですと「250ドル以上は送料無料」といったように、一定以上の金額を購入いただいた場合に送料を当社が負担するというサービスに切り替えたことによって、減少しているものになります。
これらの結果、売上高は50億3,000万円と、前年同期比13.3パーセント増で着地しています。
第2四半期は増収増益
損益についてご説明します。端的な結果として、第2四半期は増収増益です。
売上高は50億3,000万円で、前年同期比13.3パーセント増です。売上原価は18億3,400万円で前年同期比8.6パーセント増、原価率では昨年に対して1.6ポイント程度改善した着地となっています。要因としては、「ほぼ日手帳」の売上高が占める割合が増加したことと、海外への販売が進んだことによります。
一方で、販売管理費は21億1,500万円で、前年同期比16.1パーセント増と、売上の増加より少し多い結果となっています。海外直販での売上に伴って増加するコストがあらかじめ見込まれているのですが、基本的には売上と連動して増加しているものになります。
結果として、営業利益は10億8,000万円で前年同期比16.3パーセント増、経常利益は10億7,800万円で前年同期比17.6パーセント増、当期純利益は7億4,600万円で前年同期比17.7パーセント増となっています。
売上高全体に占める海外売上高の構成比率が45.0%に増加
冒頭にもお伝えしましたが、昨今では海外において「ほぼ日手帳」が求められており、人気が広がっている部分があります。
糸井重里が立ち上げた、いかにも国内に向けたサービスや事業を行っているように思われる株式会社ほぼ日という会社ですが、実は第2四半期の売上高全体において、海外売上高の構成比率は45.0パーセントにまでなっています。
2022年8月期では12億2,500万円だった海外での売上高が、当期では22億6,100万円と大きく伸長しています。
当社には「ほぼ日ストア」という、「Amazon」や「楽天」といった他社のモールではなくて、ダイレクトにユーザーさんから購入いただいている自社のECサイトがあります。
こちらに関して、海外のお客さまが購入する際に、例えば、「言語が何語で書いてあるか」「通貨が何の表記で書いてあるか」「決済手段に何が選べるか」といったところの利便性が求められると思います。
これまでの「ほぼ日ストア」では、「ほぼ日手帳」では英語の商品ページを一部準備しているのですが、言語は日本語ですし、購入時の通貨は円で表示されており、決済はクレジットカード一択といったサービスになっていました。
こちらを、昨年8月以降ガラリと変えまして、ほぼすべての国の言語と主要通貨に対応しています。決済についても100以上の決済手段から選べるように変更して、利便性を向上させました。
この結果、当期では「ほぼ日ストア」の海外に向けた販売は、非常に大きく伸長しました。逆を返すと、これまで海外のユーザーさまには非常にご不便をかけていたと思うところですが、そのような変化があり、この伸びにつながっています。
余談ですが、決済手段の利便性がどのくらいのものなのかは、導入してみるまでわからない部分がありました。クレジットカード一択から変更することで、実はクレジットカードの利用比率が54パーセントくらいまで低下しています。
単一のブランドで言うと「PayPal」が1位に躍り出ており、VISAよりも「PayPal」を選ぶ方が多くなっています。ヨーロッパの、特にドイツでは80パーセントの方が「PayPal」を利用しており、決済手段がグローバルで大きく多様化していることを当期で目の当たりにしています。
『ほぼ日手帳』の海外売上高の構成比率が54.4%に増加
先ほど、売上高全体における海外売上高の構成比率は45パーセントとお伝えしましたが、主に「ほぼ日手帳」に関わるものになります。「ほぼ日手帳」という分類だけで見た時の比率は、昨年の同時期では海外売上高が49.6パーセント、国内売上高が50.4パーセントと、ほぼ同水準になったとお伝えしましたが、当期に関しては海外売上高が54.4パーセントと国内を上回る規模になっています。
各エリアの状況ですが、相変わらず北中米が金額規模としても大きく、成長率も引き続き40パーセント以上となっています。中国は昨年に続き今年も微減となり苦戦しています。
昨年、ヨーロッパは約2倍に伸びているとお伝えしていたところ、当期はそこからさらに2倍に伸長しています。その他のエリアについても、アジアで30パーセント、オセアニアで50パーセント、その他の南米アフリカや中東で200パーセントのプラスと、各地域がそれぞれに成長しています。
ひっそりとではあるのですが、国内もしっかりと10パーセント程度の伸びを見せており、中国を除く全エリアで売上が増加している状況になっています。
貸借対照表
貸借対照表です。前期末に入荷している「ほぼ日手帳」の棚卸資産が、販売開始に伴い大きく減少しています。手帳の動きに連動して、売上債権、仕入れ債務についても減少し、現預金が増加するかたちになっています。
キャッシュ・フロー計算書
最後にキャッシュフローです。営業活動によるキャッシュフローは前期末比14億7,200万円のプラスとなりました。投資活動では1億5,000万円、財務活動では配当金の支払により1億円のキャッシュアウトがありますが、トータルでは利益が出ていることから、キャッシュフローとしては順調な結果となっています。
本日のご説明は以上になります。
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