前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

配信元:株探
投稿:2024/04/05 05:20

ユニチカ <3103>  218円 (+50円、+29.8%) ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。ユニチカ <3103> [東証P]がストップ高。同社は4日、世界最高レベルの非常に高い比表面積を持つハイエントロピー合金を合成する技術を開発したと発表。ハイエントロピー合金とは、5種類以上の元素が同程度含まれる主成分を持たない多元系合金のこと。今回開発した技術は、さまざまな組成のハイエントロピー合金に応用できるため、次世代エネルギーとして期待される水素利用を促進する高性能な水素生成電極や燃料電池用電極触媒などの創出が期待できるとしている。

ソシオネクス <6526>  4,689円 (+700円、+17.6%) ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。ソシオネクスト <6526> [東証P]がストップ高。2日に経済産業省が先端半導体の量産を目指すラピダスに対し、追加支援に踏み切ることが明らかになって以降、株式市場において 半導体関連株に対する関心が改めて高まった。だが前日3日に台湾で大地震が発生。台湾積体電路製造(TSMC) の操業面での懸念が広がり、半導体株の重荷となっていた。TSMCをめぐっては3日夜、生産設備の7割以上が復旧したことが明らかとなり、早期復旧への期待が高まったほか、3日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したことも相まって、4日の東京市場では半導体株への買い戻しの流れが顕著となった。直近で25日移動平均線近辺での下値の堅さを示していたソシオネクスに対しては、米系証券会社による投資判断引き上げも伝わっており、中期的な成長期待をもとにした買いが集まったようだ。

平和堂 <8276>  2,214円 (+208円、+10.4%)

 東証プライムの上昇率4位。平和堂 <8276> [東証P]が4日ぶり急反騰。同社は4日午後1時半、24年2月期の連結決算発表にあわせ、25年2月期の業績・配当予想を開示した。今期の営業収益予想は前期比4.4%増の4440億円、最終利益予想は同34.1%増の91億円とし、年間配当予想は同18円増配の60円とした。あわせて今期の配当性向を30%以上とする方針を示したほか、27年2月期までの配当政策として累進配当を導入するといい、これらを好感した買いが株価を押し上げたようだ。同社は中期経営計画も公表した。子育て世代のニーズへの対応やドミナント戦略をベースとした経済圏拡大、コスト構造改革の推進などを通じ、中核となる小売事業を強化していく。24年2月期の営業収益は前の期比2.3%増の4254億2400万円、最終利益は同9.7%減の67億8400万円だった。

ナルミヤ <9275>  1,350円 (+121円、+9.9%)

 ナルミヤ・インターナショナル <9275> [東証S]が急反発。3日の取引終了後、25年2月期連結業績予想について売上高を前期比7.6%増の403億2300万円、営業利益を同11.6%増の23億5000万円と前期に続き増収増益の見通しを発表。配当予想も前期比12円増の53円を見込んでおり、これを好感した買いを呼び込んだ。同時に発表した24年2月期決算は売上高が前の期比7.1%増の374億8400万円、営業利益が同23.5%増の21億500万円だった。行動規制の解除によって百貨店やショッピングセンターなど実店舗へ客が戻り、こうした店舗向けの売り上げが伸びた。あわせて27年2月期を最終年度とする中期経営計画を明らかにした。最終年度に売上高474億円、営業利益30億円、配当性向35%の達成を目指す。

東電HD <9501>  1,012.5円 (+87.2円、+9.4%)

 東証プライムの上昇率6位。東京電力ホールディングス <9501> [東証P]が3日続急伸。東日本大震災で株価が急落した2011年以来、およそ13年ぶりに1000円台に乗せた。足もと柏崎刈羽原発の再稼働思惑が高まっている。同原発を巡っては、先月下旬から今月2日まで国際原子力機関(IAEA)による現地調査が行われ、テロ対策について継続的な改善が見られることが確認された。また、今月15日にも再稼働に向けた検査の一環として、核燃料を入れる作業が始まる見通しだ。地元同意を得られるかなど再稼働に向けた道筋はなお不透明だが、期待先行で物色が加速したようだ。

JET <6228>  3,730円 (+320円、+9.4%)

 ジェイ・イー・ティ <6228> [東証S]が急反発。半導体洗浄装置の開発・設計、製造・販売及びアフターサービスを一気通貫で手掛けるが、高い商品開発力に定評があり、業績拡大トレンドを邁進している。3日取引終了後、次世代半導体の量産を目指すラピダスから受託した次世代半導体製造技術の基礎研究開発業務が完了し、新たに試作装置製作を開発(製作に関する研究開発業務を受託)することを発表した。来年に完成予定の工場の試作ラインに納入することになるが、これを材料視する買いを呼び込んだ。

岩谷産 <8088>  8,948円 (+548円、+6.5%)

 東証プライムの上昇率10位。岩谷産業 <8088> [東証P]が3日続急伸。前週3月29日につけた高値8680円を上回り上場来高値圏に突入した。産業用・家庭用ガスなどの専門商社でLPガスの卸売及び小売販売量では業界首位。水素分野に強みを持つことで知られ、会社側も同分野に経営資源を注ぎ成長戦略の要に位置付けている。水素はクリーンエネルギーの代表格で、脱炭素への取り組みにおいても重要なポジションにある。そのなか、政府が原子力を活用した水素製造の実証を2028年にも始める方向にあることが伝わり、水素関連株の一角に物色の矛先が向いた。同社は同テーマの筆頭格として注目度が高い。

イズミ <8273>  3,694円 (+210円、+6.0%)

 イズミ <8273> [東証P]が続急伸。3日の取引終了後、食品スーパー大手の西友(東京都武蔵野市)が九州地域で展開する食品スーパー事業を承継すると発表。業績への貢献を期待した買いが入った。イズミ傘下のゆめマート熊本が西友との間で吸収分割契約を締結し、九州地域にある69店舗を取得する。九州事業の売上高は969億9700万円(22年12月期)。吸収分割の効力発生日は8月1日の予定。取得額は非開示としている。

パレモ・HD <2778>  177円 (+10円、+6.0%)

 パレモ・ホールディングス <2778> [東証S]が急伸。3日の取引終了後、地域経済活性化支援機構(東京都千代田区)傘下のファンド運営会社であるREVICキャピタルが保有するパレモ・HDの優先株265株について、西松屋チェーン <7545> [東証P]に全て譲渡することを承認したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けて経営環境が大幅に悪化し、事業の再建に向けた支援を受けたパレモ・HDだが、今後は西松屋チェとの将来の協業なども視野に入れるという。業績面でのポジティブな影響を見込んだ買いを誘う要因となったようだ。

コニカミノル <4902>  528.3円 (+29.4円、+5.9%)

 コニカミノルタ <4902> [東証P]が続急伸。4日、構造改革の実施を発表した。生産性の向上とともに、グローバルの人員の最適化を進め、対象はグループ全社で2400人規模を計画する。株式市場では、構造改革の実施による収益回復への思惑が広がり資金が流入。ショートカバーを誘発して株高に弾みをつけたようだ。26年3月期の事業貢献利益への押し上げ効果は約200億円と見込む。

住友鉱 <5713>  5,091円 (+262円、+5.4%)

 住友金属鉱山 <5713> [東証P]が7日続急伸。連日で年初来高値を更新した。3日の米ニューヨーク市場で金先物相場は中心限月で1トロイオンス=2300ドルを突破し、史上最高値を更新した。住友鉱に対しては、金相場の上昇による業績へのポジティブな影響に対する期待を強める方向に作用し、幅広い投資家から買いを集めたようだ。3日のニューヨーク市場では米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演などを背景に、年3回の利下げが困難になるとの市場の見方が後退した。これを受けて米長期金利の上昇が一服。ドルが売られ、金先物相場を押し上げる要因となったとみられている。

花王 <4452>  6,099円 (+298円、+5.1%)

 花王 <4452> [東証P]が4日続急伸。6000円台に乗せて年初来高値を更新した。香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが、花王に対して経営改善を求める声明を公表したことが明らかとなり、思惑買いを誘ったようだ。オアシスは花王に対し、潜在価値の最大化に向け、主要な化粧品とスキンケアブランドの国際的な成長に重点を置くべきだ、などと主張。同社が化粧品やヘルス&ビューティケア事業に注力し、マーケティングを改善すれば、株価は1万円を超えると試算している。

アルインコ <5933>  1,075円 (+52円、+5.1%)

 アルインコ <5933> [東証P]が急伸。3日の取引終了後、25年3月期からの3カ年の中期経営計画を策定したと発表した。最終年度の27年3月期に売上高680億円(24年3月期見通しは580億円)、経常利益50億円(同28億円)、PBR(株価純資産倍率)1倍以上を目指す。更に連結配当性向は40%を目標に累進配当を実施する方針も示しており、評価されたようだ。中期経営計画の期間中には建設機材やレンタル事業などコア事業の持続的な成長を図るほか、住宅機器事業では構造変革を進めて事業の安定化を目指す。同社はあわせて24年3月期業績に関し、売上高が計画を44億円下回る580億円(前の期比4.5%減)、最終利益が計画を2億円上回る19億円(同22.9%増)で着地したようだと開示した。建設機材関連事業での販売の後ずれの影響が出た一方、為替差益を計上する。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース
配信元: 株探

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