*14:17JST デイトナ Research Memo(7):2023年12月期は減収減益も、アジア拠点卸売事業は大幅な増収増益(2)
■業績動向
3. トピックス
(1) フィリピン現地法人を設立
デイトナ<7228>の2023年12月期の下期、インドネシアにおいて契約営業マンを増加させるなどにより、取引件数の拡大に注力した結果、直接販売店舗数が約3,000店となり、業績が大きく拡大した。その勢いをさらに増そうと周辺国でも新規事業開始の準備を進め、2023年12月開催の取締役会において、フィリピンに子会社DAYTONA Motorcycles Philippinesを設立することを決議した。2024年2月に同法人を設立し、同年4月に営業開始、同年7月に本格的な輸入販売を予定している。
(2) 小売事業の新展開
小売用品店はコロナ特需後の反動の影響を受け、アクティブバイクライダーは緩やかに増加しているものの、業績拡大は難しくなっており、単なる用品店から脱却し、施設化することで顧客の多様なニーズに応える必要性を認識した。施策として、ライコランド柏店に隣接する600坪の土地を購入し、レンタルガレージ、整備その他の業務を行う検討を始めたほか、ライコランド埼玉店において、所有する400坪に及ぶ大規模な敷地を利用し、新品の販売だけでなく、アップガレージ(中古部品用品)の販売を増やした。2022年に買収し傘下に収めた(有)オーディーブレインでは、2024年3月9日に直営店のマックスフリッツ浜松店をオープンし、連結対象子会社並みの売上を目指す。今後も全国にいくつかの直営店開店を検討している。子会社の(株)ダートフリークについても、Eコマースでの売上拡大のほか、専門の実店舗を大阪に2023年夏に、神戸にも2024年2月にオープンした。マックスフリッツやダートフリークはブランド価値が高いため、総合用品店にはない専門店としての魅力をアピールし、売上を拡大する戦略だ。
(3) 新規事業に関する動向
同社が扱う1900wの発電機は、他の車両メーカーが販売しているものよりも低価格であり、Bluetoothでエンジンをかけられる利便性も有していることから、昨今頻発する防災対策としてのニーズが高まっており、販路拡大に成功している。アウトドア部門についても、ファミリー向けキャンプ用品が頭打ちになるなか、ニッチなソロキャンプ市場をターゲットとすることで売上を伸ばしている。電動モビリティ部門については、市場が競争過多にある状況と、キックボードの成長性が不透明なことから、今後は電動アシスト自転車に注力するなど方針変更が垣間見えるようになった。
4. 財務状況
2023年12月期末の資産合計は前期末比689百万円増加し、10,331百万円となった。増加要因は流動資産が765百万円増となったことであり、なかでも現金及び預金が597百万円増加した。流動資産は7,826百万円と資産合計の75.7%を占めているが、同社は卸売の占める割合が大きいため、受取手形及び売掛金の1,602百万円と棚卸資産の4,040百万円が高いウエイトを占めている。さらに新規事業が成長するにつれて棚卸資産が増加する傾向があるため、やや留意する必要がある。売掛については、2023年11月、12月に、売上回収期間が45日と長いamazonのビッグセールで計上した売上が影響したほか、アジアでの取引量拡大も増加要因となっている。固定資産は同76百万円減の2,505百万円となっており、有形固定資産が53百万円、投資その他の資産が14百万円とそれぞれ減少したことが要因である。
負債合計は、前期末比229百万円減少し、2,674百万円となった。流動負債は同82百万円減の2,291百万円となっており、未払法人税等が99百万円減少したことなどによる。固定負債は長期借入金が141百万円減少したことなどにより、同146百万円減の383百万円となった。純資産合計は同919百万円増加し、7,656百万円となった。この結果、自己資本比率は前期末比4.2%ポイント上昇し73.2%となった。2018年12月期から順調に財務健全性を高めている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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3. トピックス
(1) フィリピン現地法人を設立
デイトナ<7228>の2023年12月期の下期、インドネシアにおいて契約営業マンを増加させるなどにより、取引件数の拡大に注力した結果、直接販売店舗数が約3,000店となり、業績が大きく拡大した。その勢いをさらに増そうと周辺国でも新規事業開始の準備を進め、2023年12月開催の取締役会において、フィリピンに子会社DAYTONA Motorcycles Philippinesを設立することを決議した。2024年2月に同法人を設立し、同年4月に営業開始、同年7月に本格的な輸入販売を予定している。
(2) 小売事業の新展開
小売用品店はコロナ特需後の反動の影響を受け、アクティブバイクライダーは緩やかに増加しているものの、業績拡大は難しくなっており、単なる用品店から脱却し、施設化することで顧客の多様なニーズに応える必要性を認識した。施策として、ライコランド柏店に隣接する600坪の土地を購入し、レンタルガレージ、整備その他の業務を行う検討を始めたほか、ライコランド埼玉店において、所有する400坪に及ぶ大規模な敷地を利用し、新品の販売だけでなく、アップガレージ(中古部品用品)の販売を増やした。2022年に買収し傘下に収めた(有)オーディーブレインでは、2024年3月9日に直営店のマックスフリッツ浜松店をオープンし、連結対象子会社並みの売上を目指す。今後も全国にいくつかの直営店開店を検討している。子会社の(株)ダートフリークについても、Eコマースでの売上拡大のほか、専門の実店舗を大阪に2023年夏に、神戸にも2024年2月にオープンした。マックスフリッツやダートフリークはブランド価値が高いため、総合用品店にはない専門店としての魅力をアピールし、売上を拡大する戦略だ。
(3) 新規事業に関する動向
同社が扱う1900wの発電機は、他の車両メーカーが販売しているものよりも低価格であり、Bluetoothでエンジンをかけられる利便性も有していることから、昨今頻発する防災対策としてのニーズが高まっており、販路拡大に成功している。アウトドア部門についても、ファミリー向けキャンプ用品が頭打ちになるなか、ニッチなソロキャンプ市場をターゲットとすることで売上を伸ばしている。電動モビリティ部門については、市場が競争過多にある状況と、キックボードの成長性が不透明なことから、今後は電動アシスト自転車に注力するなど方針変更が垣間見えるようになった。
4. 財務状況
2023年12月期末の資産合計は前期末比689百万円増加し、10,331百万円となった。増加要因は流動資産が765百万円増となったことであり、なかでも現金及び預金が597百万円増加した。流動資産は7,826百万円と資産合計の75.7%を占めているが、同社は卸売の占める割合が大きいため、受取手形及び売掛金の1,602百万円と棚卸資産の4,040百万円が高いウエイトを占めている。さらに新規事業が成長するにつれて棚卸資産が増加する傾向があるため、やや留意する必要がある。売掛については、2023年11月、12月に、売上回収期間が45日と長いamazonのビッグセールで計上した売上が影響したほか、アジアでの取引量拡大も増加要因となっている。固定資産は同76百万円減の2,505百万円となっており、有形固定資産が53百万円、投資その他の資産が14百万円とそれぞれ減少したことが要因である。
負債合計は、前期末比229百万円減少し、2,674百万円となった。流動負債は同82百万円減の2,291百万円となっており、未払法人税等が99百万円減少したことなどによる。固定負債は長期借入金が141百万円減少したことなどにより、同146百万円減の383百万円となった。純資産合計は同919百万円増加し、7,656百万円となった。この結果、自己資本比率は前期末比4.2%ポイント上昇し73.2%となった。2018年12月期から順調に財務健全性を高めている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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