【QAあり】キットアライブ、通期営業利益は予算を達成 エンジニア採用の激化が売上高に影響、24年は広告手法改善で復活を狙う
北海道から日本のクラウドビジネスを支える Kitalive Inc.
嘉屋雄大氏:みなさま、こんばんは。株式会社キットアライブ代表の嘉屋雄大です。本日は、遅い時間からのご参加ありがとうございます。これよりキットアライブの2023年12月期決算についてご説明します。
弊社の事業概要についてご説明します。キットアライブは北海道札幌市に本社があります。弊社は「Salesforce」というパブリッククラウドのプラットフォームを専門に取り扱っており、北海道から全国のお客さまに対し「Salesforce」の導入を支援している会社です。
株式会社キットアライブについて
弊社のプロフィールです。本社は札幌市北区で、札幌駅のすぐ近くにあります。日本橋に東京事業所もありますが、社員54名のうち50名ほどの社員は札幌に所属しています。設立は2016年8月で、社歴は7年と少しです。
事業内容としては、「Salesforce」のビジネスを行っています。スライドの右側に札幌証券取引所、アンビシャスのロゴがあるとおり、2022年に上場した会社です。
サービスの特徴
弊社の事業内容として、サービスの特徴を細かくご説明します。弊社はクラウドのソリューションなどを展開していますが、こちらは大きく2つに分かれています。
1つ目が「Salesforce」の導入支援で、「Salesforce」のプラットフォームの特性を最大限に活かすかたちでシステムを構築するビジネスです。お客さまである会社のご要望に応じてオーダーメイドでシステムを構築します。ITコンサルティングから要件定義、開発、システムテスト、運用保守といったことをワンストップのサービスとして提供しています。
弊社の大きな特徴が2つ目のビジネスで、「Salesforce」の製品開発支援です。「Salesforce」には、「iPhone」の「App Store」と同じような「AppExchange」というマーケットプレイスがあります。
そこに、名刺管理や勤怠管理といったすべての会社で必要なビジネス用のアプリケーションを登録することが可能です。それをシステム管理者が数クリックすると、その会社ですぐに使えるようになるという基盤が用意されています。そちらのアプリケーションを構築しています。
「Salesforce」は今、世界中で15万社以上で利用されており、その15万社がこのアプリケーションのターゲットとなります。ただし、「Salesforce」の技術の特性上、そのアプリケーションをすぐに作れるわけではありません。
弊社は長らくこの製品開発のビジネスを行っており、そのノウハウを活かして「Salesforce」のマーケットに参入していきたい会社をサポートしています。具体的には、製品の企画から開発、実際の市場への投入、その後の要望に応じたエンハンス開発などの支援を全面的に行っています。その支援のために弊社で作ったアプリも多くあります。
この2つのビジネスでは技術要素が違うところがありますが、弊社には両方のエンジニアがおり、これらを組み合わせてビジネスを展開していることが特徴です。
ビジネスの流れ
スライドの図はビジネスの流れを表しています。中央に弊社があり、「Salesforce」の製品開発支援のビジネスとして、製品開発委託元企業があります。その会社からお客さまや案件をご紹介いただくことが非常に多く、ご紹介いただいたお客さまに対して「Salesforce」の導入支援や製品の導入支援を行っています。
今、この製品に関係する引き合いが非常に多いです。図の左上にあるセールスフォース・ジャパンからお客さまや案件をご紹介いただくパターンももちろんあるのですが、現在はパートナー企業からのご紹介が非常に多くなっています。
当社の市場ニーズ
「クラウドを活用し、全国のお客様の生産性向上に北海道から貢献すること」が、弊社の市場ニーズです。
2023年12月期 通期ハイライト
2023年12月期の通期業績についてご説明します。まず、通期のハイライトです。営業利益は予算を達成しましたが、採用が予定どおりに進まず、売上高は未達にて着地しています。
通期の売上高は8億1,600万円、予実進捗率は90.1パーセントです。前期比では15.6パーセント増ですが、10パーセント近くの未達となっています。営業利益は約2億円で、進捗率は104.3パーセントです。累積取引先数は前期比22.6パーセント増の114社という実績です。
次に売上高未達の要因です。「Salesforce」導入に関する案件の打診は、先ほどお伝えした両パターンとも非常に多くありました。しかし、エンジニアの採用活動が予定どおりに進まず、目標14名のところ6名の入社にとどまったことが売上高未達の大きな要因になっています。
昨年入社した社員については、研修終了後に待機状態となることなく、すぐに案件に参画しています。
2023年12月期 通期 業績ハイライト
細かい数値についてです。売上高は先ほどお伝えしたとおりです。売上総利益の予実進捗率は86.9パーセントで、売上総利益率は49.2パーセントとなっています。営業利益以下の各段階利益については、いずれも予実進捗率100パーセント超で着地しています。
2023年12月期 通期 貸借対照表
貸借対照表はスライドのとおりです。自己資本比率が前期比で6.9ポイント増加し、84.5パーセントとなっています。
2023年12月期 通期 キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローです。現金および現金同等物の期末残高は、前期末から約2億円増加しています。
売上高/経常利益又は経常損失の推移
スライドのグラフは第3期から第8期までを並べたものです。売上高は右肩上がりですが、前期の第8期については予算が未達となっています。経常利益も階段状に並んでいますが、第8期は経常利益率が24.8パーセントで着地しています。
純利益/純損失、1株当たり純利益/純損失の推移
純利益・純損失も似たような傾向で、前期は約1億4,700万円となっています。1株当たりの当期純利益は、過去最高の117.32円でした。
純資産額/総資産額、1株あたり純資産額の推移
1株当たり純資産額はスライドのとおりです。
売上総利益・売上総利益率の推移
スライドは売上総利益・売上総利益率のグラフです。前期の売上総利益率は第7期と同じ49.2パーセントで着地しています。
都道府県別取引先と累積取引先社数の推移
弊社のお客さまの分布です。スライドの地図の色を塗った部分が、弊社のお客さまがいる都道府県となっています。
弊社は北海道にあり、社員もほとんど北海道にいるのですが、お客さまは南は鹿児島県まで全国にいます。Web会議を使って遠隔のお客さまともコミュニケーションを取っています。この1年間で秋田・栃木・神奈川・大分と4県のお客さまが増え、現在、18都道府県のお客さまとの取引実績があります。
スライド右側のグラフは累積取引先社数の推移です。前期は114社まで伸びています。
2024年12月期 通期 業績予想
2024年12月期の業績予想についてご説明します。「Salesforce」に対する需要は非常に堅調に推移しており、引き合いも非常に多くあります。売上高は約9億円で、前期比で11パーセントほど伸ばす予定です。
今期は採用活動を抜本的に見直し、中長期の成長基盤を構築していきます。そのため今期は減益の計画で、営業利益は前期比38.1パーセント減の約1億2,000万円となっています。
2024年12月期 通期 業績予想
業績予想のグラフです。売上高は階段状になっていますが、利益については今期に落ち込む予定となっています。
2024年12月期 採用施策
今期の採用施策についてご説明します。まずは、何よりもエンジニアを拡充することです。昨今のエンジニアの獲得競争は非常に激しく、弊社もその渦中にありますが、弊社としてはなんとしてもエンジニアを拡充していかなければなりません。費用としては、広告宣伝費と従業員募集費を重点的に投下していこうと考えています。
また、今期の採用目標は19名です。前期は未達でしたが、それよりも高い目標を掲げています。19名のうちの9名については内定受諾、もしくは入社済みで、4月1日までに入社する予定です。したがって、およそ半分についてはすでに見えている状況です。
スライドの中央に、広告手法の改善と記載しています。弊社は昨年度まで、多くの費用を求人媒体に投じてきました。しかし、求人媒体による効果は年々落ちてきていることが数字として出ており、特に前期は求人媒体の効果が得られなかった1年でした。
これを契機とし、昨年から今年にかけて費用の使い方および求人媒体の出し方を大きく見直すことを計画しています。今期はセグメント型広告として、ターゲットを絞るかたちで、弊社の社名やブランドが確実に応募者に伝わるところに広告を出していこうと考えています。
始めようとしている取り組みの1つは、新卒の方向けに、大学生協の食堂で学生が使うお盆に弊社の広告を貼る施策です。お盆を持てば弊社が必ず目に入る状態を作り上げ、それを継続的に行い、インターンシップへの流入経路とします。これを、まずは弊社が一番のターゲットとしている国公立大学の食堂で行っていこうと考えています。
また、リファーラル紹介料について、弊社はこれまで、社員からの紹介での入社に対してリファーラルのお礼として10万円を払っていました。これを大きく見直し、30万円で対応しています。これにより、社員からの紹介も多くいただきたいと考えています。他にも施策として検討しているものは多くあります。
今期の採用施策の業績への影響についてです。弊社の前期の応募者の内定承諾率は81パーセントでした。新聞等で見られる内定承諾率は40パーセント台が多く、弊社における内定承諾率は比較的高い水準であると自負しています。内定を出せば、ほぼすべての方が弊社を選び入社するということです。
したがって、広告等を使ってより知名度を高め、応募者数を増やし、内定を増やしていくことにより、採用の目標は十分達成できると考えています。その一方で、今期は広告宣伝費と従業員募集費に大きく予算を割くため、結果として減益となる予定です。
加えて、これからは学生や若手の入社が多くなっていくため、入社後の教育訓練や研修等にも費用を大きく割いていきたいと考えています。成長・育成に少し時間がかかるかもしれませんが、育成に力を入れることで、来期以降にさらなる成長と復活を目指したい考えです。
北海道大学様との連携を強化
弊社の会社から歩いて10分ぐらいのところに北海道大学があります。その北大との連携をより強化していく取り組みを始めています。
北大では、「北大テックガレージ」という仕組みを用いて、学生のアントレプレナーシップを養う取り組みを行っています。こちらは、自ら課題解決を行うことができる人材育成を目的とするプロダクト開発支援のプログラムです。
学生自身がプロダクトを企画し、自分でものづくりを行って、国内や場合によっては海外の展示会に出展します。そこでVCの方と出会ったり、事業化していくこともあり得るかもしれません。この「北大テックガレージ」と強い結びつきをもって、その活動に対する資金を弊社が1社独占で支援させていただこうと考えています。
この取り組みを最初に始めたのは東京大学で、東大は大和証券が独占で支援を行っています。それが波及して北大や旧帝大など他の大学に広がっている状況です。弊社はこのようなことを継続的に行い、学生に近いところで活動しようと考えています。
今後の成長イメージ
これらの取り組みによる今後の成長イメージです。来期、再来期と売上は右肩上がりとなります。利益については今期はへこむかたちですが、来期・再来期については売上を戻してさらに成長する想定です。
国内パブリッククラウドサービス市場予測
国内のパブリッククラウドのサービス市場の予測としては、2021年から2026年の年間平均成長率は20.8パーセントと、引き続き伸びることが予測されています。
会社がシステムを導入する際に、パブリッククラウドが必ず選択肢に挙がってくる状況は当面続いていくと考えています。
国内CX関連ソフト/CRMアプリケーション市場予測
弊社が扱っている「Salesforce」の一番強い領域であるCX(カスタマーエクスペリエンス)の市場予測としては、年間の平均成長率は8パーセントで伸び続けています。弊社に対する引き合いも依然として強いと実感しています。CRMについても年間平均成長率10パーセントで伸びる予測です。
このように、弊社はまだ成長市場の中でビジネスを行うことができています。
少人数プロジェクトの特徴
弊社の取り組みの特徴は、少人数のプロジェクトです。「Salesforce」のプロジェクトも近いところがありますが、1つのプロジェクトに携わる人数がだいたい3名くらいと比較的少ないです。そのため、リーダーになる経験回数が非常に多くなります。経験年数が短くとも、リーダーとなりうるのです。
また、複数工程を経験する機会も多くなります。プロジェクトが大規模になると、例えばテストしか対応しない、プログラムしか書かない、お客さまと話をしたことがないといったことが起こりうるのですが、少人数だからこそすべての工程に関わり、お客さまと対峙する経験を早くからでき、それによってリーダーになれるのです。
加えて、業務理解度の向上があります。少人数がゆえに、新卒のメンバーも含めて打ち合わせのテーブルにつくというようにお客さまの業務を理解する機会が増え、エンジニアとしての成長につながると考えています。
採用・育成
採用・育成です。今、弊社の平均年齢は33.8歳で、若い会社だと考えています。中途や新卒・第二新卒を多く採用し、育成支援制度を用いて業務理解度の高いエンジニアを育成しています。また、下流だけではなく上流の、お客さまと対峙する能力や経験も早期に習得できています。
その上で、Web会議を使って全国のお客さまに「Salesforce」の導入支援を行っています。
全社員のうち22%が北海道大学出身
先ほど「北大テックガレージ」の話をしましたが、現状、全社員のうち22パーセントが北海道大学の出身です。学生は北大から北海道以外の会社に就職することもありますが、北海道に残り、地場の会社である弊社に就職する社員が少しずつですが増えてきています。
2024年4月には北大出身者が5名増加する見込みです。
エンジニアの成長を会社として支援
エンジニアの職分として、若手の社員は自分で勉強することが必要になっていきます。
そのため、弊社は「もっとアライブ」という制度を設けています。これは、残業時間を使って自分で勉強してもよいという制度です。資格取得に使われるケースが多く、前期は全社で810時間の実績がありました。
Salesforce認定資格保有者数一覧
この制度を用いて取得する資格の数も増えており、1月4日現在での資格保有者数はスライドに記載のとおりです。名称の最後に「アーキテクト」と書いている資格が高難易度の上位資格で、こちらの人数も少しずつですが増えています。
地域とともに成長を
弊社だけが成長するのではなく地域と一緒に成長していきたいと、「Kids Alive」と名付けた寄付活動を行っています。弊社は、子どもがいる社員に対し、子ども1人当たり月1万円を支給しています。そして四半期に一度、その合計金額と同じ額を地域に寄付することを継続して行っています。
従業員の状況(2023年12月末時点)
従業員の状況です。残念ながら、前期第4四半期にエンジニアが2名退職しました。そのこともあり、今期は採用と育成により注力しようと考えています。
全従業員におけるエンジニアの比率は87パーセントで、離職率は6.3パーセントです。2022年4月1日以降の全社退職者数は3名です。2022年4月1日時点では1名でしたが、前期第4四半期に2名が加わって3名になりました。2019年4月1日以降の新卒・第二新卒の社員における退職者は1名です。
全従業員の25.9パーセントが女性の社員で、管理職に占める女性の割合は12.5パーセントです。労働者の男女の賃金の差異はスライドに記載のとおりです。
私たちのミッション
弊社のミッションは「Challenge together.」です。弊社は「Salesforce」に関連するシステムを作っていますが、その根本はお客さまの業務を改善していくことです。
ただし、業務の改善はそれほど簡単なことではなく、ミッションの中で「改革」という言葉を使っているように、非常に厳しい道をお客さまと一緒に歩んでいかなくてはいけません。その道をお客さまと手を取って進んでいきたいという思いで、このミッションを掲げています。
質疑応答:減益予想の要因について
「今期は減益予想ですが、どのような要因に基づく見通しなのでしょうか?」というご質問です。
採用の施策を抜本的に見直していくため、広告宣伝費と従業員募集費に予算を割くことと、「北大テックガレージ」の件があります。さらに、研修等の育成の費用も多く見ているため、減益を予定しています。
今期に採用と育成に使った費用が、社員がエンジニアとして活躍する場がどんどん増えていくことで来期の売上と利益につながることを期待して、今期は投資の年にしたいと考えています。
質疑応答:エンジニア採用数未達の要因について
「エンジニアの採用数が未達とのことですが、どのようなものが要因だとお考えですか?」というご質問です。
こちらは、採用ターゲットに対する知名度の低さが大きな課題・要因であると考えています。求人媒体は多く使っていましたが、弊社の知名度、つまり「キットアライブ」がどのような会社かが、北海道においても十分に伝わっていないことを痛感しました。
これに対し、いわゆるマス広告のような大きな広告を打って知名度を上げることはあまり考えていません。例えばコミュニティに対する広告や弊社が狙っている範囲に対する広告のように、セグメントで区切るかたちの広告でなければ、弊社を正しく理解してもらえないと考えています。
したがって、今期はまず採用ターゲットをしっかり絞り、そこに対して最適な広告宣伝を打っていきます。その上で、流入の経路もしっかりと用意することを徹底的に行いたいと考えています。
質疑応答:売上高未達でも利益を確保できた要因について
「売上高が未達にもかかわらず利益が確保できたのは、エンジニア採用が未達で、結果的に想定より費用が抑えられたということでしょうか?」というご質問です。
こちらはご指摘のとおりです。採用未達により、その分の人件費や販管費が予定よりも抑えられたことが要因です。
直近での離職はありましたが、生産性は維持できていると考えており、24パーセントの営業利益率は確保できています。高い利益率によって予算が達成できたともいえます。
質疑応答:従業員募集のための施策について
「今期、従業員を集める上で何か作戦はありますか?」というご質問です。
まず、大学生協の、特に国公立大学にターゲットを絞った学食トレイ広告を行う準備をしています。また、今はお話しできないこともありますが、その他の取り組みについても準備をしています。
ターゲット・セグメントを絞って、弊社を必ず知っていただけるような取り組みをいくつか準備しています。こちらは今後、お伝えできるタイミングで開示する予定です。
質疑応答:エンジニア採用について
「エンジニアが想定どおりに採用できなかったのは、札幌の企業だからでしょうか? リモート勤務はあまり考えられないのでしょうか?」というご質問です。
仮に弊社が東京にあったらどうだったのかについては試すことができないのですが、理由の1つは知名度です。弊社は北海道の会社として、北海道でより知名度を上げていかなければなりません。
これについては私の驕りもあったと思いますが、上場を機に知名度も上がると想定していたものの、うまくいきませんでした。それに対して、広告戦略を見直すことで、まず北海道で弊社がターゲットとするセグメントの方に弊社を知ってもらうことを考えています。
それは、札幌だから実行しやすい面もあります。札幌だからできていないというより、前期はセグメンテーションを含め広告宣伝の手法を誤ってしまったと考えています。今期はそれを見直す予定です。
リモート勤務については、現在、社員は出社と在宅どちらでもよいというハイブリッドワークを行っています。割合としては在宅のほうが多くなっていますが、コミュニケーションを取りながら業務を行っています。
ただし、例えば九州在住の方に入社していただくような、完全なリモートは行っていません。ハイブリッドワークとはいえ対面で会うことの重要性も考えており、現状では東京と札幌で採用を行っています。
質疑応答:離職率について
「離職率はどの程度ですか? 採用目標19名に対してどの程度離職されているのかを知りたいです」というご質問です。また、「新しい人を採用するのもいいですが、既存の従業員を大切にしてください」という言葉もいただいています。
離職率は6.3パーセントです。離職率については、私も下げていく努力を怠らずに行っていくことを考えています。
既存の従業員を大切にすることはもちろん考えています。福利厚生を強化していくことや、成長・育成の支援として、お話ししたような研修等も含めて支援していきたいと考えています。
質疑応答:屋外広告について
「昨年、北海道に旅行した際に御社のロゴを見たような気がします。屋外に広告を出されていますか?」というご質問です。
昨年は屋外への広告は出稿していませんが、もしかすると、イベント等で求人媒体が弊社のロゴを出されていて、それがたまたま掲示されていたのかもしれません。
質疑応答:株価下落の原因について
「今週、株価が大きく下落しましたが、減益予想の影響でしょうか?」というご質問です。
決算発表とともに株価が20パーセントほど下落し、投資家のみなさまにはご迷惑おかけして申し訳ありません。
市場の動きについて断定的なことはお伝えできませんが、決算発表の影響は間違いなくあったと思っています。これからも、みなさまのご期待に添えるよう尽力していきたいと考えています。
質疑応答:市場変更について
「東証に市場変更する予定はありますか?」というご質問です。
現状で確定的なことはお伝えできませんが、札幌証券取引所、特にアンビシャス市場はステップアップ市場といわれており、弊社としてもステップアップは常に意識しています。
質疑応答:採用計画について
「採用計画は新卒が中心ですか? 即戦力の中途採用が中心ですか?」というご質問です。
前期は、採用媒体も含めて比較的、即戦力を一番に考えていました。今期については、新卒と第二新卒を含めた若手社員を増やしていこうと考えています。教育研修等も行っていき、若手がどんどん活躍できる会社を作っていこうと考えています。
中途採用をまったくやってないかというとそうではなく、スライドに記載のようにリファーラルも強化しています。比率としては若手社員を強く増やしていく計画です。
質疑応答:お客さまの属性について
「お客さまの属性について、規模の大小や業種などを教えてください」というご質問です。
弊社の主要業務がお客さまの情報管理であることから、本当にさまざまな業種から引き合いをいただいています。例えば、金融系や製造業、情報通信が多いです。小売や公共などは少ないですが、それ以外の業種については満遍なくお付き合いするケースが増えています。
お客さまの規模の大小については、年々規模が大きくなっています。これは弊社の上場を機に変わってきた点で、引き合いをいただくお客さまについても上場企業や上場を考えている会社、上場企業の子会社が増えてきました。
弊社はまだ社歴が浅いため、上場前に選んでいただくことは少し難しかったと思うのですが、弊社が上場したことでその不安が払拭され、お声がけいただくケースが増えてきているのではないかと想像しています。
これを良い契機とし、さらにエンジニアを拡充することで、引き続きビジネスを伸ばせると考えています。今期はその取り組みを強める計画です。
質疑応答:ビジネスの割合について
「『Salesforce』の導入支援と『Salesforce』製品開発支援の売上・利益の割合、および将来的なビジネスの割合や注力することを教えてください」というご質問です。
利益の割合は、どちらかが非常に高いのではなく、ほとんど同じ割合です。売上の比率については、「Salesforce」製品開発支援とそれに関連する引き合いがどんどん増えており、「Salesforce」導入支援よりも若干多くなっています。
「Salesforce」製品開発支援とそれに付随するビジネスは、導入支援とは技術要素が違うとお話ししました。「Salesforce」は、100人の会社で使われることもあれば、1万人の会社でも使われることがあります。同じ「Salesforce」の開発の中でも、「Salesforce」の制約を回避するようなノウハウが必要です。
弊社は製品開発の中でそのようなノウハウがどんどん積み重なっているため、これを活かしたビジネスをしていくことが弊社の強みになっていくと考えています。製品開発に関して、他の「Salesforce」のパートナー企業が追従できないところまで高めていこうと思っています。
質疑応答:SaaSサービスの自社開発について
「自社でSaaSサービスを開発し、サブスクリプション型で提供する予定はないのでしょうか?」というご質問です。
弊社には製品開発をするエンジニアがいて、実際に行う力はありますが、現時点では開示できるような事項はありません。
質疑応答:SalesforceのAI「Salesforce Einstein」について
「SalesforceのAI『Salesforce Einstein』を使った案件の引き合いは増えているのでしょうか? どのような適用業務が多いですか?」というご質問です。
昨年、SalesforceがAIを全面的に採用していると発表しました。日本でそれが適用になったのはつい先日の2月14日です。現状、日本のビジネスではこれから本格的に展開していく予定になっています。
弊社における「Salesforce Einstein」の引き合いはまだありません。「Salesforce Einstein」自体がどう使えるのかも含め、各社が活用度合いを検討しているフェーズかと考えています。これからどんどん話が増えていくのではないかと思います。
これから事例が増えていくと思いますが、適用業務として一番考えやすいのは、営業がお客さまにメールを送ることを代替してもらえることです。例えば、今期に狙っているロイヤルカスタマーに対して提案したい案件がある場合、メールを送ってお客さまにアポイントを取ります。「そのメールを書いてほしい」というプロンプトの指示を出すと、AIがメールの文案を書いてくれます。
そこに「もっと事例を差し込んでほしい」などと指示をすると、それもまたAIが返してくれます。そしてボタンを押すとすぐにメールが送信されるという具合です。これにより、今まで自分で考えてメールを書いていた時間が大きく減っていきます。
しかも、そのメールはCRMにあるお客さまの過去の履歴を元にして送られます。例えば、メールを送るにあたって一番効果があるように「取締役のような決裁権者に送るとよいのではないか」というサジェストがあることもあります。文面についても過去の実績を含めて提案してくれます。
これ以外でもAIの活用はこれからどんどん進んでいくのではないかと思います。
質疑応答:グロース市場への上場について
「株価が低迷していますが、流動性の課題もあるためグロース市場への上場も視野に入れないといけないと思います」というご意見です。
株価については、ご迷惑をおかけしており恐縮です。グロース市場への上場については現状では開示する情報はないのですが、ステップアップ市場ということを意識して取り組んでいます。
質疑応答:採用における広告費用について
「引き合いがあるのにエンジニア不足で案件を取りきれていないのは非常にもったいないため、採用をがんばってください。一方で費用対効果も重要なため、コストに見合わない広告には注意してください」というご意見です。
本当にご指摘どおりです。コストに見合わない広告について、今期は流入経路をしっかり確保していこうと考えています。
例えば、新卒であればインターンシップへの参加の人数や、広告を打ってからどれくらいの間隔で申し込んできたかといったKPIを用いて、広告の効果を随時判断していくことを考えています。
どの広告に効果があるのか、どのセグメント・コミュニティに対して効果があったかを細かく見ていき、効果があればそこを重点的に投下していく、効果がなければやめるというように柔軟に対応していこうと考えています。
質疑応答:配当について
「若い会社のため、今は配当を語る段階ではないと思いますが、いつ頃配当をいただけますか?」というご質問です。
配当の重要性については重々理解しています。現状では、まずは広告宣伝も含めた弊社の成長に投資していきたい考えです。その中で、みなさまにお返しできることを継続して検討していきたいと考えています。
嘉屋氏からのご挨拶
お忙しい中、弊社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。今期の減益に加えて、株価についてもみなさまにご迷惑をおかけしています。今期はお伝えしたような取り組みを通じて、来期以降のさらなる成長へのステップアップをしたいと考えています。今後もキットアライブを応援していただければ幸いです。
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