*15:01JST ティアンドエス Research Memo(1):外部環境が良好のなか、前期に続き過去最高業績を継続
■要約
ティアンドエス<4055>は半導体工場などをはじめとする大規模システム開発を得意とする独立系ソフトウェア受託開発会社である。(株)東芝グループ、日立製作所<6501>グループ(以下、日立グループ)、キオクシア(株)グループを主要顧客に、システムの要件定義から保守・運用までバリューチェーン全体にわたるサービスを提供している。長年にわたりこれらの大手顧客と信頼関係を築いてきたことによって優良単価で案件を受注することが可能になっている点は注目に値する。事業は、基盤分野であるDXソリューションカテゴリー、拡大分野である半導体ソリューションカテゴリー、躍進分野であるAIソリューションカテゴリーの3つに分かれている。なお同社は、持株会社体制への移行プロセスの一環として、カテゴリー区分を再編している。
1. 2023年11月期の業績概要
2023年11月期の業績は、売上高が前期比5.7%増の3,442百万円、営業利益が同4.2%増の643百万円、経常利益が同3.5%増の648百万円、当期純利益が同7.6%増の473百万円となり、前期に引き続き過去最高業績を達成した。カテゴリー別では、先進技術ソリューションが前期比で減収減益となったものの、ソリューションカテゴリー、半導体カテゴリーが増収増益と好調だったことが全社ベースの増収増益に寄与した。特に主要取引先である東芝グループ、日立グループ、キオクシアグループからの受注が堅調に推移したことに加えて、主要取引先以外からの売上が同19.6%増と急伸したことも業績を押し上げた。具体的には、業務パッケージソフトの開発や社内DXの支援などをはじめとする既存顧客からの新規紹介案件である。産業領域に特化せず幅広く事業活動を展開するという戦略のもと、同社の強みの1つである「口コミによる直接依頼」が業績拡大に寄与した格好だ。また、減収減益となった先進技術ソリューションカテゴリーに関しては、外部環境は好調だったものの、エンジニア不足が影響した。ただ、足元では人員の増強による受注体制の拡充と、それによる新規案件の獲得も順調な進捗を見せており、業績の回復が期待される。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の業績は、売上高が3,142百万円(12ヶ月換算では9.5%増の3,770百万円)、営業利益が588百万円(同9.7%増の706百万円)、経常利益が589百万円(同9.0%増の707百万円)、当期純利益が401百万円(同1.5%増の481百万円)を見込んでいる。企業のITやDXの促進、AIの活用、半導体市場の回復など好調な外部環境が見込まれるなか、システム開発事業本部、ITサービス事業本部、先進技術事業本部、全ての事業本部で増収増益を見込んでいる。顧客からの引き合いが好調のなか、エンジニアリソースをしっかりと拡充し、旺盛なニーズを業績の拡大に結び付けていく。なお同社は、2024年度から決算期を9月末に変更することを予定している。そのため、2024年度に関しては事業期間が10ヶ月の変則決算となる。一見、売上高、各利益は2023年11月期を下回ったように見えるが、12ヶ月換算すると実質増収増益となり、市場環境と事業の進捗自体は好調だ。また、同社は2024年中に持株会社体制への移行を決定しており、2024年9月期から事業本部制を導入している。持株会社体制への移行により、機動的できめの細かい経営を実現できる環境を整備し、新規事業創出やM&Aによる事業拡大を推進する。
3. 中期の成長戦略
2024年6月を目処に持株会社体制への移行を予定しており、移行プロセスの一環として事業本部制の導入やそれに伴うカテゴリー区分の変更などを実施している同社は、アップデートした中期経営計画を2024年1月に発表した。基盤分野であるDXソリューションカテゴリーを着実に成長させながら、同カテゴリーから生まれたキャッシュを拡大分野である半導体ソリューションカテゴリーと躍進分野であるAIソリューションカテゴリーに重点的に投資していく基本的な方針に変わりはない。また、外部環境の変化に合わせてミッションを再定義したほか、ミッションの変更に合わせた全社戦略と事業本部別戦略の再定義、各種KPIの再定義などのアップデートを実施した。全体的な戦略としては、「顧客ニーズに即したソフトウェア開発の推進」「半導体業界への深耕と新技術の研究開発」「持株会社化とM&Aの実現」の3つを掲げ、持続的な企業価値の向上に注力する。
■Key Points
・2023年11月期の業績も過去最高業績を継続。既存顧客からの新規紹介案件が好調
・2024年9月期も好調な事業環境を見込む
・外部環境が好調のなか、新卒採用を中心にリソースを拡充し、受注体制を強化する方針
・中期的には基盤分野でしっかりとキャッシュを生み出し、拡大分野と躍進分野に重点投資することによって持続的な企業価値の向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<SI>
ティアンドエス<4055>は半導体工場などをはじめとする大規模システム開発を得意とする独立系ソフトウェア受託開発会社である。(株)東芝グループ、日立製作所<6501>グループ(以下、日立グループ)、キオクシア(株)グループを主要顧客に、システムの要件定義から保守・運用までバリューチェーン全体にわたるサービスを提供している。長年にわたりこれらの大手顧客と信頼関係を築いてきたことによって優良単価で案件を受注することが可能になっている点は注目に値する。事業は、基盤分野であるDXソリューションカテゴリー、拡大分野である半導体ソリューションカテゴリー、躍進分野であるAIソリューションカテゴリーの3つに分かれている。なお同社は、持株会社体制への移行プロセスの一環として、カテゴリー区分を再編している。
1. 2023年11月期の業績概要
2023年11月期の業績は、売上高が前期比5.7%増の3,442百万円、営業利益が同4.2%増の643百万円、経常利益が同3.5%増の648百万円、当期純利益が同7.6%増の473百万円となり、前期に引き続き過去最高業績を達成した。カテゴリー別では、先進技術ソリューションが前期比で減収減益となったものの、ソリューションカテゴリー、半導体カテゴリーが増収増益と好調だったことが全社ベースの増収増益に寄与した。特に主要取引先である東芝グループ、日立グループ、キオクシアグループからの受注が堅調に推移したことに加えて、主要取引先以外からの売上が同19.6%増と急伸したことも業績を押し上げた。具体的には、業務パッケージソフトの開発や社内DXの支援などをはじめとする既存顧客からの新規紹介案件である。産業領域に特化せず幅広く事業活動を展開するという戦略のもと、同社の強みの1つである「口コミによる直接依頼」が業績拡大に寄与した格好だ。また、減収減益となった先進技術ソリューションカテゴリーに関しては、外部環境は好調だったものの、エンジニア不足が影響した。ただ、足元では人員の増強による受注体制の拡充と、それによる新規案件の獲得も順調な進捗を見せており、業績の回復が期待される。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の業績は、売上高が3,142百万円(12ヶ月換算では9.5%増の3,770百万円)、営業利益が588百万円(同9.7%増の706百万円)、経常利益が589百万円(同9.0%増の707百万円)、当期純利益が401百万円(同1.5%増の481百万円)を見込んでいる。企業のITやDXの促進、AIの活用、半導体市場の回復など好調な外部環境が見込まれるなか、システム開発事業本部、ITサービス事業本部、先進技術事業本部、全ての事業本部で増収増益を見込んでいる。顧客からの引き合いが好調のなか、エンジニアリソースをしっかりと拡充し、旺盛なニーズを業績の拡大に結び付けていく。なお同社は、2024年度から決算期を9月末に変更することを予定している。そのため、2024年度に関しては事業期間が10ヶ月の変則決算となる。一見、売上高、各利益は2023年11月期を下回ったように見えるが、12ヶ月換算すると実質増収増益となり、市場環境と事業の進捗自体は好調だ。また、同社は2024年中に持株会社体制への移行を決定しており、2024年9月期から事業本部制を導入している。持株会社体制への移行により、機動的できめの細かい経営を実現できる環境を整備し、新規事業創出やM&Aによる事業拡大を推進する。
3. 中期の成長戦略
2024年6月を目処に持株会社体制への移行を予定しており、移行プロセスの一環として事業本部制の導入やそれに伴うカテゴリー区分の変更などを実施している同社は、アップデートした中期経営計画を2024年1月に発表した。基盤分野であるDXソリューションカテゴリーを着実に成長させながら、同カテゴリーから生まれたキャッシュを拡大分野である半導体ソリューションカテゴリーと躍進分野であるAIソリューションカテゴリーに重点的に投資していく基本的な方針に変わりはない。また、外部環境の変化に合わせてミッションを再定義したほか、ミッションの変更に合わせた全社戦略と事業本部別戦略の再定義、各種KPIの再定義などのアップデートを実施した。全体的な戦略としては、「顧客ニーズに即したソフトウェア開発の推進」「半導体業界への深耕と新技術の研究開発」「持株会社化とM&Aの実現」の3つを掲げ、持続的な企業価値の向上に注力する。
■Key Points
・2023年11月期の業績も過去最高業績を継続。既存顧客からの新規紹介案件が好調
・2024年9月期も好調な事業環境を見込む
・外部環境が好調のなか、新卒採用を中心にリソースを拡充し、受注体制を強化する方針
・中期的には基盤分野でしっかりとキャッシュを生み出し、拡大分野と躍進分野に重点投資することによって持続的な企業価値の向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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