*13:36JST 1stコーポ Research Memo(6):2024年5月期第2四半期も建築事業が好調。業務提携により施工人員を拡充
■業績動向
1. 2024年5月期第2四半期の業績概要
ファーストコーポレーション<1430>の2024年5月期第2四半期は、売上高が13,591百万円(前年同期は10,177百万円)、営業利益が670百万円(同652百万円)、経常利益が654百万円(同641百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益が447百万円(同445百万円)となった。2023年5月期末から連結決算に移行していることから単純比較はできないが、建築事業と不動産事業が売上高を押し上げた。利益に関しては、造注による特命工事案件の減少に加えて、建築資材価格の上昇などが影響し、収益性がわずかに低下した。第2四半期末時点の事業分類別の進捗率は、建築事業が53.2%、不動産事業が22.2%、共同事業が8.1%となった。建築事業に関しては想定通りの進捗である。不動産事業と共同事業の進捗率は低いものの、期末に向けて売上が集中する見込みであるため、2024年5月期末では期初予想どおりの着地が予想される。
事業分類別の業績は、完成工事高が11,377百万円(前年同期は9,330百万円)、完成工事総利益が1,077百万円(同1,004百万円)だった。前期から続く施工中の案件に加えて、レ・ジェイドシティ橋本III、ユニハイム町田市原町田3丁目が新たに着工したほか、建築資材価格の上昇などの影響もトップラインを押し上げた。また、期中の受注に関しては、通期の計画8件に対して5件を受注しており順調な進捗を見せた。新規受注が好調ななか、受注残高は過去最高を更新した。利益面は、建築資材価格の上昇や造注比率の低下などの影響を受け、完成工事総利益率が2023年5月期と比較するとわずかに低下した。
不動産売上高は、1,977百万円(前年同期は実績なし)、不動産売上総利益が356百万円(同9百万円の損失)だった。前年同期は不動産売却の実績はなかったが、2024年5月期第2四半期においては、2023年8月に神奈川県海老名市、2023年11月に東京都足立区の物件を売却した。足元では複数の案件の売却交渉が進んでおり、期末に向けて売却交渉を加速させている。
共同事業収入は166百万円(前年同期は450百万円)、共同事業収入総利益は27百万円(同183百万円)だった。同事業は、事業主から顧客への引き渡しの際に売上の大部分が計上されるという会計・事業上の特性がある。2024年5月期第2四半期においては、事業自体の進捗は順調であったが、竣工・引き渡し案件がなかったことから売上、利益が伸び悩んだ。しかしながら、期末に向けて複数案件の竣工・引き渡しが予定されており、売上・利益ともに積み上がっていくことが見込まれる。
なお同社は、2023年5月期末から連結決算に移行したことに伴い、従来の「分譲マンション建設事業」のみの単一セグメントから、報告セグメントを「建設事業(建築工事)」「不動産事業(不動産売買・仲介・販売代理)」の2セグメントに変更した。セグメントごとの業績は、建設事業の売上高とセグメント利益がそれぞれ11,377百万円、1,046百万円、不動産事業の売上高とセグメント利益がそれぞれ2,144百万円、238百万円、その他(設計監理・不動産賃貸・マンション管理運営)の売上高は68百万円、セグメント損失が137百万円となった。
取引先に関しては、ヤマイチ・ユニハイムエステート<2984>と新たに取り引きを開始したことにより37社まで拡大している。
また、トピックスとしては、小林工業(株)(2023年9月)、(株)吉田組(2023年12月)との業務提携がある。建設業界において、建設ニーズは安定して推移しているが、施工人員の高齢化や慢性的な人手不足が課題となっており、同社も例外ではない。そうしたなか、業務提携により施工人員の拡充と施工体制の強化を図り、中長期的に安定して業績を拡大させるための基盤を整備した。同社は中期経営計画「Innovation2023」において中核事業強化の継続などの方針を掲げており、今回の業務提携は中期経営計画の各種施策に対してもプラスに作用すると期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<HH>
1. 2024年5月期第2四半期の業績概要
ファーストコーポレーション<1430>の2024年5月期第2四半期は、売上高が13,591百万円(前年同期は10,177百万円)、営業利益が670百万円(同652百万円)、経常利益が654百万円(同641百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益が447百万円(同445百万円)となった。2023年5月期末から連結決算に移行していることから単純比較はできないが、建築事業と不動産事業が売上高を押し上げた。利益に関しては、造注による特命工事案件の減少に加えて、建築資材価格の上昇などが影響し、収益性がわずかに低下した。第2四半期末時点の事業分類別の進捗率は、建築事業が53.2%、不動産事業が22.2%、共同事業が8.1%となった。建築事業に関しては想定通りの進捗である。不動産事業と共同事業の進捗率は低いものの、期末に向けて売上が集中する見込みであるため、2024年5月期末では期初予想どおりの着地が予想される。
事業分類別の業績は、完成工事高が11,377百万円(前年同期は9,330百万円)、完成工事総利益が1,077百万円(同1,004百万円)だった。前期から続く施工中の案件に加えて、レ・ジェイドシティ橋本III、ユニハイム町田市原町田3丁目が新たに着工したほか、建築資材価格の上昇などの影響もトップラインを押し上げた。また、期中の受注に関しては、通期の計画8件に対して5件を受注しており順調な進捗を見せた。新規受注が好調ななか、受注残高は過去最高を更新した。利益面は、建築資材価格の上昇や造注比率の低下などの影響を受け、完成工事総利益率が2023年5月期と比較するとわずかに低下した。
不動産売上高は、1,977百万円(前年同期は実績なし)、不動産売上総利益が356百万円(同9百万円の損失)だった。前年同期は不動産売却の実績はなかったが、2024年5月期第2四半期においては、2023年8月に神奈川県海老名市、2023年11月に東京都足立区の物件を売却した。足元では複数の案件の売却交渉が進んでおり、期末に向けて売却交渉を加速させている。
共同事業収入は166百万円(前年同期は450百万円)、共同事業収入総利益は27百万円(同183百万円)だった。同事業は、事業主から顧客への引き渡しの際に売上の大部分が計上されるという会計・事業上の特性がある。2024年5月期第2四半期においては、事業自体の進捗は順調であったが、竣工・引き渡し案件がなかったことから売上、利益が伸び悩んだ。しかしながら、期末に向けて複数案件の竣工・引き渡しが予定されており、売上・利益ともに積み上がっていくことが見込まれる。
なお同社は、2023年5月期末から連結決算に移行したことに伴い、従来の「分譲マンション建設事業」のみの単一セグメントから、報告セグメントを「建設事業(建築工事)」「不動産事業(不動産売買・仲介・販売代理)」の2セグメントに変更した。セグメントごとの業績は、建設事業の売上高とセグメント利益がそれぞれ11,377百万円、1,046百万円、不動産事業の売上高とセグメント利益がそれぞれ2,144百万円、238百万円、その他(設計監理・不動産賃貸・マンション管理運営)の売上高は68百万円、セグメント損失が137百万円となった。
取引先に関しては、ヤマイチ・ユニハイムエステート<2984>と新たに取り引きを開始したことにより37社まで拡大している。
また、トピックスとしては、小林工業(株)(2023年9月)、(株)吉田組(2023年12月)との業務提携がある。建設業界において、建設ニーズは安定して推移しているが、施工人員の高齢化や慢性的な人手不足が課題となっており、同社も例外ではない。そうしたなか、業務提携により施工人員の拡充と施工体制の強化を図り、中長期的に安定して業績を拡大させるための基盤を整備した。同社は中期経営計画「Innovation2023」において中核事業強化の継続などの方針を掲げており、今回の業務提携は中期経営計画の各種施策に対してもプラスに作用すると期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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