神戸物産 Research Memo(3):「業務スーパー」を軸とした食の製販一体企業として成長(2)

配信元:フィスコ
投稿:2024/02/14 15:53
*15:53JST 神戸物産 Research Memo(3):「業務スーパー」を軸とした食の製販一体企業として成長(2) ■神戸物産<3038>の会社概要

2. 外食・中食事業
外食・中食事業は、「業務スーパー」で構築した原材料の仕入れから商品販売に至るまでのローコストオペレーションのノウハウを生かして、3つの業態を展開している。外食業態は、世界の様々な料理をバイキング形式で提供する「神戸クック・ワールドビュッフェ」(2023年10月末:14店舗、うち直営1店舗、平均顧客単価は1,300~1,400円)と焼肉オーダーバイキングの「プレミアムカルビ」(同20店舗、直営のみ)で、中食業態は、自社グループで製造された食材などを店舗で組み合わせて調理し、出来立ての惣菜やお弁当を提供する惣菜店「馳走菜(ちそうな)」(同114店舗、うち直営5店舗)がある。2023年10月期の売上構成比は「プレミアムカルビ」が約5割を占め、「馳走菜」が約4割、「神戸クック・ワールドビュッフェ」が約1割となる。

「プレミアムカルビ」の特徴は、焼肉オーダーバイキング&デザートビュッフェとして、女性客を意識した店舗づくりをしている点が挙げられる。特にジェラートは店内で作っていることもあり好評で、店舗当たりの月商は2~3千万円となっている。2018年12月に1号店(川崎市)をオープンしてから、首都圏で直営店舗を展開しており、店舗運営プロセスの標準化と人材の育成が進んだ段階でFC展開を進める予定である。現在は各店舗で肉を部位ごとに捌いて提供しているため、専門の調理スタッフを採用・育成する必要があるが、将来的にはセントラルキッチン形式のオペレーションを確立することで、FC展開による出店加速とコスト低減を進める考えだ。

「馳走菜」は2018年より開始した業態で、特徴としてはパック詰め商品をメインに販売し、提供する商品も売れ筋商品に絞り込むなど、効率性と人手不足に対応したイージーオペレーションを重視した店舗形態になっている点が挙げられる。店舗当たりの月商は5百万円程度だが、20坪程度あれば出店できるため収益化しやすい。業務スーパー内に出店することで集客力もアップすることが過去の事例から確認されており、業務スーパーの新規出店と合わせて出店するケースが多いが、新たな取り組みとしてドラッグストアなど他の業態店舗への出店も開始している。

3. エコ再生エネルギー事業
2012年より開始したエコ再生エネルギー事業では、主に太陽光発電事業(2023年10月期期末の発電能力約81.0MW)を展開しているほか、2018年8月より北海道で木質バイオマス発電事業(同約6.2MW)による売電を開始している。2023年10月に最後の開発案件となる太陽光発電所を宮城県で稼働させており(約30.0MW)、今後は現在の発電能力を維持し、安定的に運用する方針である。

4. その他
各事業セグメントに分類されないその他には、観光事業などが含まれている。観光事業については現在、北海道で観光果樹園の開園に向けた準備を進めている。2022年夏にサクランボの生育に成功したほか、複数種類の果樹の育成に取り組んでいる段階で、本格的なオープンまでにはあと数年かかる見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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