*13:35JST フォーシーズ Research Memo(5):2023年9月期は減収減益も、通販事業と卸売事業において黒字確保(2)
■フォーシーズHD<3726>の業績動向
(3) リテール事業
売上高は735百万円(前期比26.3%減)、セグメント損失は75百万円(前期は21百万円の損失)となった。店舗のスクラップ&ビルドによる運営効率化を推進したが、閉店した6店舗の原状回復費や原価率削減施策の進捗不芳により、売上高及びセグメント利益は前期比マイナスとなった。
足元では、首都圏に20店舗(2023年9月30日時点)を運営しており、「お悩み解決型アロマ専門店」という新しいコンセプトの下、2022年3月には神奈川県川崎市(新百合ヶ丘駅前)、11月には同海老名市(海老名駅直結)に2店舗出店した。また、原価率を改善すべくOEM商品の開発やOEM商品を中心とした販売強化に注力した。さらに、子育てに役立つ香り12種を発表し親子で学ぶ「香育ワークショップ」やお好みの精油でアロマ雑貨を手作りする「ワークショップ」の開催や、“春の睡眠の日”に合わせて「おやすみ~リセットから始まる『眠活』~」キャンペーンなど、店舗でのイベントを積極的に推進することで顧客単価の改善を実現した。
今後は、赤字体質からの脱却を図るため、地域特性に合わせたMD(ブランド、店舗、顧客)コンセプト等の店舗スタイルを見直し、顧客情報の獲得ツールを導入することによる再来店アプローチの強化、仕入れ価格の交渉及びOEM製品開発による原価率の改善により、既存店舗の活性化を推進していく。また、引き続き収益性の低い店舗のスクラップを進めていくことにより、早期の業績拡大と黒字化を目指していく。
(4) 衛生コンサルティング事業
売上高は56百万円(前期比13.0%減)、セグメント損失は26百万円(前期は37百万円の損失)となった。
食品業界に浸透しつつある食品衛生法上のHACCP管理への指導、( 一財 )食品安全マネジメント協会によるJFM規格の認証コンサルタントに注力したが、コロナ禍を経て飲食店へのHACCP浸透は鈍化しており、売上高・セグメント利益の大幅な回復には繋がらなかった。経済産業省が推進する「IT導入補助金」においては、引き続き「IT導入支援事業者」として採択されており、HACCP管理ソフト「HACCP DO」を補助金対象として提供可能な体制を構築しており実績を積み上げている。
今後は、業容拡大となっている顧客の工場新設案件や、増設案件などにコンサルタントを提案、大手企業や外部の営業代行業者との協業によって営業活動の強化等を行うことにより業績回復を実現する。また、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策として販売を行っている空間除菌デバイス「DevirusAC」については、同じく感染症対策に悩む畜産業界に転用する施策を進めている。
3. 財務状況
2023年9月期末の資産合計は、前期末比189百万円増の1,643百万円となった。流動資産は同66百万円増の1,242百万円となったが、主に商品及び製品が83百万円増加した一方で、現金及び預金が109百万円減少したことによる。
固定資産は同122百万円増の400百万円となったが、主に、iiyのM&Aによるのれんの増加に伴い、無形固定資産が137百万円増加した一方で、投資その他の資産が14百万円減少したことによる。負債合計は同125百万円増の1,125百万円となった。流動負債は同18百万円減の685百万円となったが、主に買掛金が10百万円減少したことによる。固定負債は同144百万円増の439百万円となったが、主に社債が200百万円、資産除去債務が27百万円それぞれ増加した一方で、1年内返済予定を含む長期借入金が91百万円減少したことによる。純資産合計は同64百万円増の518百万円となったが、第16回新株予約権行使による資本金及び資本準備金がそれぞれ130百万円増加したことによる。この結果、自己資本比率は31.4%(前期末は30.9%)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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(3) リテール事業
売上高は735百万円(前期比26.3%減)、セグメント損失は75百万円(前期は21百万円の損失)となった。店舗のスクラップ&ビルドによる運営効率化を推進したが、閉店した6店舗の原状回復費や原価率削減施策の進捗不芳により、売上高及びセグメント利益は前期比マイナスとなった。
足元では、首都圏に20店舗(2023年9月30日時点)を運営しており、「お悩み解決型アロマ専門店」という新しいコンセプトの下、2022年3月には神奈川県川崎市(新百合ヶ丘駅前)、11月には同海老名市(海老名駅直結)に2店舗出店した。また、原価率を改善すべくOEM商品の開発やOEM商品を中心とした販売強化に注力した。さらに、子育てに役立つ香り12種を発表し親子で学ぶ「香育ワークショップ」やお好みの精油でアロマ雑貨を手作りする「ワークショップ」の開催や、“春の睡眠の日”に合わせて「おやすみ~リセットから始まる『眠活』~」キャンペーンなど、店舗でのイベントを積極的に推進することで顧客単価の改善を実現した。
今後は、赤字体質からの脱却を図るため、地域特性に合わせたMD(ブランド、店舗、顧客)コンセプト等の店舗スタイルを見直し、顧客情報の獲得ツールを導入することによる再来店アプローチの強化、仕入れ価格の交渉及びOEM製品開発による原価率の改善により、既存店舗の活性化を推進していく。また、引き続き収益性の低い店舗のスクラップを進めていくことにより、早期の業績拡大と黒字化を目指していく。
(4) 衛生コンサルティング事業
売上高は56百万円(前期比13.0%減)、セグメント損失は26百万円(前期は37百万円の損失)となった。
食品業界に浸透しつつある食品衛生法上のHACCP管理への指導、( 一財 )食品安全マネジメント協会によるJFM規格の認証コンサルタントに注力したが、コロナ禍を経て飲食店へのHACCP浸透は鈍化しており、売上高・セグメント利益の大幅な回復には繋がらなかった。経済産業省が推進する「IT導入補助金」においては、引き続き「IT導入支援事業者」として採択されており、HACCP管理ソフト「HACCP DO」を補助金対象として提供可能な体制を構築しており実績を積み上げている。
今後は、業容拡大となっている顧客の工場新設案件や、増設案件などにコンサルタントを提案、大手企業や外部の営業代行業者との協業によって営業活動の強化等を行うことにより業績回復を実現する。また、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策として販売を行っている空間除菌デバイス「DevirusAC」については、同じく感染症対策に悩む畜産業界に転用する施策を進めている。
3. 財務状況
2023年9月期末の資産合計は、前期末比189百万円増の1,643百万円となった。流動資産は同66百万円増の1,242百万円となったが、主に商品及び製品が83百万円増加した一方で、現金及び預金が109百万円減少したことによる。
固定資産は同122百万円増の400百万円となったが、主に、iiyのM&Aによるのれんの増加に伴い、無形固定資産が137百万円増加した一方で、投資その他の資産が14百万円減少したことによる。負債合計は同125百万円増の1,125百万円となった。流動負債は同18百万円減の685百万円となったが、主に買掛金が10百万円減少したことによる。固定負債は同144百万円増の439百万円となったが、主に社債が200百万円、資産除去債務が27百万円それぞれ増加した一方で、1年内返済予定を含む長期借入金が91百万円減少したことによる。純資産合計は同64百万円増の518百万円となったが、第16回新株予約権行使による資本金及び資本準備金がそれぞれ130百万円増加したことによる。この結果、自己資本比率は31.4%(前期末は30.9%)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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