藤商事 Research Memo(7):稼働力の高い新機種を継続開発し、シェア拡大による成長を目指す

配信元:フィスコ
投稿:2023/12/18 16:07
*16:07JST 藤商事 Research Memo(7):稼働力の高い新機種を継続開発し、シェア拡大による成長を目指す ■今後の見通し

3. 重点施策
スマート遊技機の導入が始まり、市場の活性化が期待されるなか、藤商事<6257>は2023年3月期をリスタートの1年と位置づけ、「稼働力の向上」を最重点課題として掲げ、新機種の開発に取り組んできた。2024年3月期はスマパチを除けば投入機種の稼働は今のところ順調で、「Lゴブリンスレイヤー」については想定以上の稼働が続くなど、取り組みの成果が出ているものと評価される。同社では今後も以下の取り組みを推進し、収益拡大を目指す方針だ。

(1) 開発戦略
同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、競合メーカーの機種比較も含めて綿密な分析を行い、開発部門に市場のニーズや改善点などをフィードバックすることで、新機種を開発してきた。改善項目として、音や映像の表現方法から玉の出方、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。こうした取り組みの成果が、2021年3月期以降に投入した新機種に反映されており、「Pとある」シリーズのロングヒットや、2023年3月期に投入された「Pサラリーマン金太郎」、「Lゴブリンスレイヤー」等のヒットにつながったと弊社では見ている。遊技機業界全体はホール数の減少傾向が続いていることもあって伸びが期待しにくい状況ではあるが、同社のシェアはパチンコ遊技機、パチスロ遊技機ともに数%程度に過ぎず、シェア拡大による成長余地は大きい。メーカー間での競争も激しいが、ユーザーに支持される魅力ある機種を開発し続けることができれば、シェアも上昇すると弊社では見ている。同社ではパチンコ遊技機の市場シェアについて、現状の1ケタ台後半の水準から10%超えを目指している。

(2) 商品戦略
商品戦略としては従来の「ホラー」「時代劇」「萌え」ジャンルに加えて、「アニメ」ジャンルの育成に注力しており、IPの取得も積極的に進めている。各ジャンルで柱となるコンテンツを育成することが、販売台数の増加と安定した収益基盤の確立につながるためだ。特に、パチンコホールでは若年層の取り込みが課題となっており、キラーコンテンツとして若者に人気の高い「アニメ」ジャンルで主力機種を複数育てることができれば市場シェアも拡大するものと予想される。2023年春に投入した「ゴブリンスレイヤー」も「とある」シリーズと同様、主力タイトルとして収益拡大に貢献することが見込まれる。市場はスマート遊技機へのシフトに向けた過渡期でもあり、スマパチでヒット機種を生み出すことができればシェア拡大の好機となるだけに、新たなIPを活用した新機種の投入も含めてその動向が注目される。

(3) 原価低減施策
原価低減施策としては、リユース品の活用に加えて開発段階からの低減活動を進めている。具体的には設計の見直しによって、従来は機種ごとに異なっていた部材の共通化を可能な限り進め、部材コストを低減するほか、ソフトウェアの開発効率の向上にも取り組んでいる。リユース品の活用についても回収率を高めていくほか、電源回路などユニット品も含めてすべての品目に対象を広げ、再利用できるかどうか検討を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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