【これからの見通し】週明けは円高圧力が優勢、米金融当局者はブラックアウト入り

著者:MINKABU PRESS
投稿:2023/12/04 15:53
【これからの見通し】週明けは円高圧力が優勢、米金融当局者はブラックアウト入り

 週明けの相場は円高圧力が優勢になっている。足元ではドル円もクロス円も下げ一服となっているが、反発の域は出ず上昇に転じる力はみられていない。

 先週末に注目されたパウエルFRB議長の発言では、従前からの利下げ開始論へのけん制、金利据え置き見通し、インフレ次第では追加利上げの可能性など、総じてタカ派姿勢を残していた。しかし、「金利は景気抑制的な水準に深く入っている」との発言に市場は敏感に反応し、ドル売りを強めた経緯があった。市場では引き続き来年3月の利下げ開始を織り込みつつある状況。今週は米金融当局者がブラックアウト期間に入っており、先週末のパウエル議長の発言が現時点での決定打となっている。

 ECBについても市場では来年第2四半期の利下げ開始を織り込む動きがみられている。相対的に円相場が買われやすい局面になっているようだ。植田日銀にとっては、来年の春闘がカギとなっており、賃上げが強まるようだと、マイナス金利解除の可能性が高まることになろう。ドル円相場は、ドル安もしくはユーロ安と、円高の両面の圧力を受けやすくなっているようだ。

 ドル円相場は今年1月安値127.23から11月高値151.91までの半値水準が142.48となっており、足元の円高相場の下値メドとなる。また、直近の146円台後半は23.6%戻しの146.09に近い水準となっている。両者が年末にかけて注目される水準となりそうだ。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツ貿易収支(10月)、トルコ消費者物価指数(11月)、スイス消費者物価指数(11月)、米製造業新規受注(10月)、米耐久財受注(確報値)(10月)など。

 発言イベント関連では、日銀第1回ワークショップ「非伝統的金融政策の効果と副作用」(金融市場、金融システム、金融政策、日銀バランスシートについて議論) が夕刻まで開催されている。デギンドスECB副総裁、ディングラ英中銀委員、ラガルドECB総裁などが講演やイベントに参加する。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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