住友林業グループ初、豪州グッドデザイン賞で金賞 ～豪子会社が設計・施工、折り紙をモチーフにしたシドニーの都市公園～

住友林業株式会社（社長：光吉 敏郎　本社：東京都千代田区）の豪子会社でランドスケープ事業を展開するRegal Innovations Pty Ltd （以下Regal社）が実施設計・施工を担当したシドニー市の都市公園「THE DRYING GREEN」が豪州グッドデザイン賞で金賞を獲得しました※1。住友林業グループが豪州グッドデザイン賞で金賞を獲得するのは初めてです。折り紙をモチーフにした公園のデザイン性に加え、環境に配慮した技術活用、設計提案、施工力が評価されました。




豪州グッドデザイン賞は今年で65周年を迎える国際的なデザイン賞です。優れたデザインのプロジェクトやプロダクト、ファッション等を11のデザイン分野、30のカテゴリーで評価・表彰します。「THE DRYING GREEN」は建築分野で金賞を獲得。シドニー市、デザイン会社のMcGregor Coxall社（以下McGregor社）、Regal社の共同受賞となります。

■「THE DRYING GREEN」の概要
シドニー市の再開発地区「Green Square」の中心に位置する6,200平方メートル の都市型公園です。2022年10月の開園後、豪州で人口増加が著しい地域の1つであるGreen Squareで人々に憩いの場を提供しています。McGregor社が企画・基本設計、Regal社が実施設計と施工（Design & Construction）をシドニー市から請け負いました。



折り紙のように敷地全体を折りたたみ、山と谷のある立体的な地形を構成。公園周辺からの視線や騒音を適度に遮断しつつ、立体的な地形が生み出す傾斜が芝生エリアに冬のあたたかな日差しを取り込むよう設計しています。さらに壁面緑化で広い緑地面積を確保し、居心地の良い空間を実現しています。壁面緑化には植物の根に十分な酸素を供給するための技術、施工及びメンテナンスを効率化する工夫など、施工実績が豊富なRegal社の知見が活かされています。



敷地内にあるアート照明の消費電力をバーベキューエリアの屋根に設置した太陽光パネルで発電するなど、再生可能エネルギーを活用した環境にやさしい設計も特徴です。また、近年は都市化に伴い地表がコンクリート等で覆われ公園周辺の地面を流れる雨水の量が増加しています。川や下水道から溢れた水による浸水被害を抑制するため、敷地周囲の水路で雨水を一時的に貯留。水路や地下でろ過された水は再び敷地内を循環するよう設計されています。



公園の敷地はもともと広大な湿地帯でしたが、経済の発展とともに埋め立てられ羊毛産業の土地として利用されてきました。水循環のサイクルは以前の湿地帯の自然環境を再現しており、シドニー市やGreen Squareの生態系回復を象徴しています。



■Regal社の特徴
1971年の設立以降、シドニーを中心に商業・公共施設の外構や緑地帯・公園の設計・施工等を手掛ける大手ランドスケープ会社です。住友林業グループには2022年5月に加わりました※2。シドニー中心部の再開発など大型案件の実績も豊富で国際的な外部評価機関からの表彰も多数あります。プロジェクトの設計から施工管理、竣工後のメンテナンスまで一貫して対応が可能です。

今後は日本国内でランドスケープ事業を手掛けている住友林業緑化株式会社（社長：神谷 豊 本社：東京都中野区）との連携を一層強化し、生物多様性に配慮した植栽提案や施工ノウハウの共有を進めます。住友林業グループとして国内外で環境に配慮したインフラ整備を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。


住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では事業方針の1つに「グローバル展開の進化」を掲げており、今後も国内外での不動産開発を推進し、長期ビジョン実現に向けて収益基盤を強化していきます。


※1. 豪州グッドデザイン賞のWEBページ ： https://good-design.org/
　　 THE DRYING GREENの紹介ページ ： https://good-design.org/projects/the-drying-green/
※2. 参考リリース ： https://sfc.jp/information/news/2022/2022-05-17.html


■物件概要


■Regal Innovations Pty Ltd概要


（参考資料：住友林業グループの豪州事業）
住友林業グループは豪州主要都市で2009年から住宅事業を展開し、2023年10月現在はHenley Properties Group、Wisdom Properties Group、Scott Park Groupの3社が戸建住宅事業を手掛けています。住友林業グループとして、2022年12月期の年間供給戸数は2,787戸、全豪3位相当となります※。近年は宅地開発やメルボルンでの15階建木造オフィス開発にも参画。既存事業と高い親和性を発揮するRegal社の設計・施工力を活かした事業モデルを確立し、環境配慮型開発を推進します。

※3社の合計値。豪州住宅産業協会（Housing Industry Association）発表のビルダー別着工ランキングに基づく当社調査。