*12:21JST アルプス技研 Research Memo(1):2023年12月期上期は計画を上回る増収増益。過去最高業績を見込む
■要約
1. 会社概要
アルプス技研<4641>は、機械、電気・電子、ソフト・IT、化学などの分野において、大手製造業各社に高度技術サービスを提供する総合エンジニアリングアウトソーシング企業である。経営理念である“Heart to Heart”「人と人との心のつながり」を大切にしており、技術者としてのみならず社会人としても一流であるべしとの思いから、創業以来一貫して、技術力の強化に加え、ヒューマン教育にも注力している。創業55周年を迎えた2023年7月には、2028年までのありたい姿として第12次5ヶ年計画(定性目標)を公表した。最先端技術の活用による新領域への挑戦や、農業・介護事業など新たな収益の柱を伸ばすことにより、持続的な成長に向けた基盤強化に取り組む方針である。
2. 2023年12月期上期の業績
2023年12月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比9.7%増の22,820百万円、営業利益が同8.5%増の2,380百万円と増収増益となり、売上高及び各段階利益ともに計画を上回る進捗となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の落ち着きとともに経済活動に持ち直しの動きが見られるなか、半導体関連や次世代車の開発が激化する自動車業界などを中心に研究開発投資は堅調であり、稼働人数の拡大と契約単価の向上が業績の伸びをけん引した。また、業績の上振れは高稼働率の維持に加え、グローバル事業における検収時期の変更等がプラス要因となった。損益面では、処遇向上に伴って原価が増加したものの、増収によりカバーし営業増益を実現した。活動面でも、新規事業(農業・介護関連事業)やサステナビリティの取り組みなどで着実な成果を残すことができた。
3. 2023年12月期の業績予想
2023年12月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比6.8%増の46,600百万円、営業利益を同7.5%増の5,000百万円と増収増益とし、2期連続となる過去最高業績を見込んでいる。需要が拡大している半導体や医療系、先端技術に関わるソフト開発等の好調な顧客ニーズを背景として、売上高・営業利益ともに順調に拡大する見通しである。また、入国制限の緩和とともに外国人材の受け入れが進んできた農業関連分野も業績の伸びに寄与する想定のようだ。
4. 中長期の成長戦略
新たに公表した第12次5ヶ年計画(定性目標)では、「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマとし、(1) 技術系アウトソーシング事業の新領域への挑戦、(2) 新たな収益の柱を創る、(3) 持続可能で豊かな社会の創生へ貢献、(4) デジタル化で多様な人材が活躍する組織・風土の醸成を掲げている。また、今後3ヶ年の中期経営計画(ローリング方式)では、2025年12月期の目標として売上高52,700百万円、営業利益5,400百万円、ROE20%以上を目指している。
■Key Points
・2023年12月期上期は稼働人数の拡大や契約単価の向上により計画を上回る増収増益を実現
・経済活動が持ち直すなか、企業の研究開発投資は堅調であり、稼働率はコロナ禍以前の高水準を維持
・2023年12月期の業績予想を据え置き、増収増益(2期連続の過去最高業績)を見込む
・ 第12次5ヶ年計画(定性目標)では、「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマとし、最先端技術の活用による新領域への挑戦や、農業・介護事業を中心とする新たな収益の柱の伸長に取り組む方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
アルプス技研<4641>は、機械、電気・電子、ソフト・IT、化学などの分野において、大手製造業各社に高度技術サービスを提供する総合エンジニアリングアウトソーシング企業である。経営理念である“Heart to Heart”「人と人との心のつながり」を大切にしており、技術者としてのみならず社会人としても一流であるべしとの思いから、創業以来一貫して、技術力の強化に加え、ヒューマン教育にも注力している。創業55周年を迎えた2023年7月には、2028年までのありたい姿として第12次5ヶ年計画(定性目標)を公表した。最先端技術の活用による新領域への挑戦や、農業・介護事業など新たな収益の柱を伸ばすことにより、持続的な成長に向けた基盤強化に取り組む方針である。
2. 2023年12月期上期の業績
2023年12月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比9.7%増の22,820百万円、営業利益が同8.5%増の2,380百万円と増収増益となり、売上高及び各段階利益ともに計画を上回る進捗となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の落ち着きとともに経済活動に持ち直しの動きが見られるなか、半導体関連や次世代車の開発が激化する自動車業界などを中心に研究開発投資は堅調であり、稼働人数の拡大と契約単価の向上が業績の伸びをけん引した。また、業績の上振れは高稼働率の維持に加え、グローバル事業における検収時期の変更等がプラス要因となった。損益面では、処遇向上に伴って原価が増加したものの、増収によりカバーし営業増益を実現した。活動面でも、新規事業(農業・介護関連事業)やサステナビリティの取り組みなどで着実な成果を残すことができた。
3. 2023年12月期の業績予想
2023年12月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比6.8%増の46,600百万円、営業利益を同7.5%増の5,000百万円と増収増益とし、2期連続となる過去最高業績を見込んでいる。需要が拡大している半導体や医療系、先端技術に関わるソフト開発等の好調な顧客ニーズを背景として、売上高・営業利益ともに順調に拡大する見通しである。また、入国制限の緩和とともに外国人材の受け入れが進んできた農業関連分野も業績の伸びに寄与する想定のようだ。
4. 中長期の成長戦略
新たに公表した第12次5ヶ年計画(定性目標)では、「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマとし、(1) 技術系アウトソーシング事業の新領域への挑戦、(2) 新たな収益の柱を創る、(3) 持続可能で豊かな社会の創生へ貢献、(4) デジタル化で多様な人材が活躍する組織・風土の醸成を掲げている。また、今後3ヶ年の中期経営計画(ローリング方式)では、2025年12月期の目標として売上高52,700百万円、営業利益5,400百万円、ROE20%以上を目指している。
■Key Points
・2023年12月期上期は稼働人数の拡大や契約単価の向上により計画を上回る増収増益を実現
・経済活動が持ち直すなか、企業の研究開発投資は堅調であり、稼働率はコロナ禍以前の高水準を維持
・2023年12月期の業績予想を据え置き、増収増益(2期連続の過去最高業績)を見込む
・ 第12次5ヶ年計画(定性目標)では、「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマとし、最先端技術の活用による新領域への挑戦や、農業・介護事業を中心とする新たな収益の柱の伸長に取り組む方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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