*12:23JST リニューアブルJ Research Memo(3):2023年12月期第2四半期は各利益が急伸し、海外事業も好調
■業績動向
1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
リニューアブル・ジャパン<9522>の2023年12月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比17.4%増の9,468百万円、営業利益が同401.0%増の1,778百万円、経常利益が1,344百万円(前年同期は1,089百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が864百万円(同1,260百万円の損失)となった。
同社が属する再生可能エネルギー事業は、気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」の締結を契機に脱炭素化に向けた取り組みが世界的な潮流となっており、日本は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとし、カーボンニュートラルの実現を目指している。このような事業環境の下、フロー収入、ストック収入がそろって計画を上回る進捗を見せ、営業利益以下の各利益が急伸した。加えて、前年同期に計上したTOB関連費用がなくなったことも利益を押し上げた。計画比では、売上高が434百万円増、営業利益が340百万円増、経常利益が711百万円増、親会社株主に帰属する四半期純利益が446百万円増と売上高、各利益がそろって計画を上回って着地した。
2. 事業別概要
(1) フロー
開発報酬やファンドへの売却益などからなるフローの売上高は前年同期比956.9%増の1,448百万円、売上総利益は同1690.7%増の1,343百万円と売上高、利益共に急伸した。第1四半期に発電所持分売却を実施したことが売上高、利益を大きく押し上げた。加えて、当初想定よりも条件良く売却できたことにより、利益も計画比243百万円増で着地した。
(2) ストック
売電事業等及びO&M事業などからなるストックの売上高は前年同期比1.1%増の8,020百万円、売上総利益は同0.4%減の2,503百万円だった。ストック売上構成比は同13.6ポイント下落の84.7%となった。
売電事業等の売上高は前年同期比1.9%増の7,108百万円、売上総利益は同2.7%減の1,812百万円となった。前年同期比で見ると減益となったものの、計画比では売上高、売上総利益がそれぞれ254百万円増、129百万円増で推移しており、好調な進捗と言えるだろう。足元では、スペインで2GW以上の大型案件の情報が多く寄せられている状況という。今後は大規模案件を取得し迅速に売却することに注力し、利益を積み上げていく。また、トピックスとしては、松川水力発電所の建設工事開始が挙げられる。水力発電としてはゼロから開発を手掛ける初の案件であり、今後の同社の水力発電事業にはずみがつくことが期待される。
O&M事業の売上高は前年同期比49.7%増の1,033百万円、売上総利益は同110.9%増の812百万円と順調に拡大した。外部からの受注を強化するなか、低コスト、フルサービス、高技術が顧客から引き続き評価された。
AM事業の売上高は前期比19.6%減の213百万円、売上総利益も同19.6%減の213百万円となった。計画比で見ると売上高、売上総利益はどちらも4百万円減であり、ほぼ想定通りの進捗と言えるだろう。
ノンリコースローンを除く自己資本比率は11.3%と安定した推移
3. 財務状況と経営指標
2023年12月期末の資産合計は前期末比1,904百万円増加し168,634百万円となった。流動資産は同1,538百万円増加し40,029百万円となった。これは現金及び預金が2,490百万円、仕掛販売用発電所が1,164百万円減少した一方で、販売用発電所が5,340百万円増加したことなどによる。固定資産は同365百万円増加し128,604百万円となった。これは主に投資有価証券が357百万円減少した一方で、減価償却累計額が3,259百万円、建設仮勘定が2,163百万円、繰延税金資産が1,257百万円、機械装置及び運搬具が551百万円増加したことなどによる。
負債合計は前期末比616百万円増加し154,736百万円となった。流動負債は同434百万円増加し23,294百万円となった。これは主に流動負債のその他が1,433百万円、未払金が233百万円減少した一方で、未払法人税等が1,261百万円、短期借入金が1,092百万円増加したことなどによる。固定負債は同181百万円増加し131,442百万円となった。これは主にノンリコース長期借入金が7,161百万円減少した一方で、長期借入金が7,679百万円増加したことなどによる。純資産合計は同1,288百万円増加し13,897百万円となった。これは主に利益剰余金が855百万円増加、為替換算調整勘定が343百万円増加したことなどによるものである。
経営指標については、同社自身に返済義務が遡及しないノンリコースローンを除く自己資本比率を重視しており、11.3%(前期末は11.1%)となった。同社は業績を拡大させつつバランスシートを適切にコントロールする方針を掲げていることから、ノンリコースローンを除く自己資本比率は安定的に推移していくと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<YI>
1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
リニューアブル・ジャパン<9522>の2023年12月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比17.4%増の9,468百万円、営業利益が同401.0%増の1,778百万円、経常利益が1,344百万円(前年同期は1,089百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が864百万円(同1,260百万円の損失)となった。
同社が属する再生可能エネルギー事業は、気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」の締結を契機に脱炭素化に向けた取り組みが世界的な潮流となっており、日本は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとし、カーボンニュートラルの実現を目指している。このような事業環境の下、フロー収入、ストック収入がそろって計画を上回る進捗を見せ、営業利益以下の各利益が急伸した。加えて、前年同期に計上したTOB関連費用がなくなったことも利益を押し上げた。計画比では、売上高が434百万円増、営業利益が340百万円増、経常利益が711百万円増、親会社株主に帰属する四半期純利益が446百万円増と売上高、各利益がそろって計画を上回って着地した。
2. 事業別概要
(1) フロー
開発報酬やファンドへの売却益などからなるフローの売上高は前年同期比956.9%増の1,448百万円、売上総利益は同1690.7%増の1,343百万円と売上高、利益共に急伸した。第1四半期に発電所持分売却を実施したことが売上高、利益を大きく押し上げた。加えて、当初想定よりも条件良く売却できたことにより、利益も計画比243百万円増で着地した。
(2) ストック
売電事業等及びO&M事業などからなるストックの売上高は前年同期比1.1%増の8,020百万円、売上総利益は同0.4%減の2,503百万円だった。ストック売上構成比は同13.6ポイント下落の84.7%となった。
売電事業等の売上高は前年同期比1.9%増の7,108百万円、売上総利益は同2.7%減の1,812百万円となった。前年同期比で見ると減益となったものの、計画比では売上高、売上総利益がそれぞれ254百万円増、129百万円増で推移しており、好調な進捗と言えるだろう。足元では、スペインで2GW以上の大型案件の情報が多く寄せられている状況という。今後は大規模案件を取得し迅速に売却することに注力し、利益を積み上げていく。また、トピックスとしては、松川水力発電所の建設工事開始が挙げられる。水力発電としてはゼロから開発を手掛ける初の案件であり、今後の同社の水力発電事業にはずみがつくことが期待される。
O&M事業の売上高は前年同期比49.7%増の1,033百万円、売上総利益は同110.9%増の812百万円と順調に拡大した。外部からの受注を強化するなか、低コスト、フルサービス、高技術が顧客から引き続き評価された。
AM事業の売上高は前期比19.6%減の213百万円、売上総利益も同19.6%減の213百万円となった。計画比で見ると売上高、売上総利益はどちらも4百万円減であり、ほぼ想定通りの進捗と言えるだろう。
ノンリコースローンを除く自己資本比率は11.3%と安定した推移
3. 財務状況と経営指標
2023年12月期末の資産合計は前期末比1,904百万円増加し168,634百万円となった。流動資産は同1,538百万円増加し40,029百万円となった。これは現金及び預金が2,490百万円、仕掛販売用発電所が1,164百万円減少した一方で、販売用発電所が5,340百万円増加したことなどによる。固定資産は同365百万円増加し128,604百万円となった。これは主に投資有価証券が357百万円減少した一方で、減価償却累計額が3,259百万円、建設仮勘定が2,163百万円、繰延税金資産が1,257百万円、機械装置及び運搬具が551百万円増加したことなどによる。
負債合計は前期末比616百万円増加し154,736百万円となった。流動負債は同434百万円増加し23,294百万円となった。これは主に流動負債のその他が1,433百万円、未払金が233百万円減少した一方で、未払法人税等が1,261百万円、短期借入金が1,092百万円増加したことなどによる。固定負債は同181百万円増加し131,442百万円となった。これは主にノンリコース長期借入金が7,161百万円減少した一方で、長期借入金が7,679百万円増加したことなどによる。純資産合計は同1,288百万円増加し13,897百万円となった。これは主に利益剰余金が855百万円増加、為替換算調整勘定が343百万円増加したことなどによるものである。
経営指標については、同社自身に返済義務が遡及しないノンリコースローンを除く自己資本比率を重視しており、11.3%(前期末は11.1%)となった。同社は業績を拡大させつつバランスシートを適切にコントロールする方針を掲げていることから、ノンリコースローンを除く自己資本比率は安定的に推移していくと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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