*12:36JST Jトラスト Research Memo(6):2023年12月期業績予想を上方修正したが、極めて保守的な計画
■業績見通し
● 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の連結業績については、Jトラスト<8508>では各事業セグメントの業績が順調に推移していることから、第2四半期決算発表直前に期初予想から営業収益は3,000百万円、営業利益は2,000百万円、税引前利益は3,500百万、親会社の所有者に帰属する当期利益も3,500百万円、それぞれ増額修正した。修正後は、営業収益118,000百万円(前期比43.2%増)、営業利益10,500百万円(同27.1%減)、税引前利益12,500百万円(同26.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益16,500百万円(同30.6%増)を見込んでいる。
営業収益は過去最高の更新を計画しているものの、営業利益は前期に計上したNexus Bankの取得に伴う負ののれん発生益が剥落するうえ、韓国の金利上昇等の影響から減益を予想する。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、Nexus Bankの吸収合併に伴い繰延税金負債を取崩すことなどにより増益となり、同社グループが2018年3月期にIFRSに移行して以降の最高益を予想する。ただ、各利益項目の第2四半期決算の進捗率は修正後の通期計画に対して80%以上の高水準に達しており、修正後の業績予想は従来と同様に極めて保守的であると弊社では見ている。なお、Jトラストグローバル証券が展開する証券業務の業績は、経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けるため、業績予想値には含めていない。
事業セグメント別営業利益予想について、日本金融事業は保証業務と債権回収業務を中心に安定的な業績貢献を見込み、前回予想どおり5,764百万円の利益を計画している。第2四半期実績の進捗率は39.4%であったが、今後は保証事業ではアパートローン保証の増加を、債権回収事業ではカード・ショッピング債権を中心に大型債権購入による収益計上を見込む。韓国及びモンゴル金融事業は、韓国の中央銀行による2021年8月以降数回にわたる基準金利引き上げも一段落し、当初見込んだ市中金利の高騰による預金金利上昇や韓国全体における延滞の増加は回避できる見通しで、前回予想の1,432百万円の損失から240百万円の小幅損失に修正した。預金の主力が1年定期であり2022年秋に集めた高金利預金の影響は時間の経過とともに剥落することから、2023年12月期第3四半期から黒字転換し、2024年12月期には正常化する見通しであり、従来どおりの安定的な収益貢献を見込んでいる。
2022年12月期に黒字転換した東南アジア金融事業は、コロナ禍で緩和されていた監督当局による規制の厳格化に伴う企業の経営環境の悪化等に備えて貸倒引当金(損失評価引当金)を予め積み増したが、貸出金残高の順調な増加に伴い466百万円の損失から1,078百万円の利益に上方修正した。実際、第2四半期には優良な貸出金の積み上げ、資金調達コストの抑制や経費の削減に伴い計画を上回る利益を計上しており、同セグメントが今後の成長ドライバーになるとの位置付けは変わらない。新設の不動産事業は、ミライノベートの負ののれん益の計上や、不動産事業会社の事業規模拡大により、8,846百万円の利益から9,976百万円の利益に上方修正した。投資事業は、2,213百万円の損失から2,066百万円の損失に修正した。事業セグメントでは最大の損失であるが、Group Lease PCLらに対する訴訟は進捗しており、今後裁判が終結して将来的に支払いが履行されれば営業利益を押し上げる要因になり、また裁判費用の大幅な減少も増益要因になると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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● 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の連結業績については、Jトラスト<8508>では各事業セグメントの業績が順調に推移していることから、第2四半期決算発表直前に期初予想から営業収益は3,000百万円、営業利益は2,000百万円、税引前利益は3,500百万、親会社の所有者に帰属する当期利益も3,500百万円、それぞれ増額修正した。修正後は、営業収益118,000百万円(前期比43.2%増)、営業利益10,500百万円(同27.1%減)、税引前利益12,500百万円(同26.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益16,500百万円(同30.6%増)を見込んでいる。
営業収益は過去最高の更新を計画しているものの、営業利益は前期に計上したNexus Bankの取得に伴う負ののれん発生益が剥落するうえ、韓国の金利上昇等の影響から減益を予想する。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、Nexus Bankの吸収合併に伴い繰延税金負債を取崩すことなどにより増益となり、同社グループが2018年3月期にIFRSに移行して以降の最高益を予想する。ただ、各利益項目の第2四半期決算の進捗率は修正後の通期計画に対して80%以上の高水準に達しており、修正後の業績予想は従来と同様に極めて保守的であると弊社では見ている。なお、Jトラストグローバル証券が展開する証券業務の業績は、経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けるため、業績予想値には含めていない。
事業セグメント別営業利益予想について、日本金融事業は保証業務と債権回収業務を中心に安定的な業績貢献を見込み、前回予想どおり5,764百万円の利益を計画している。第2四半期実績の進捗率は39.4%であったが、今後は保証事業ではアパートローン保証の増加を、債権回収事業ではカード・ショッピング債権を中心に大型債権購入による収益計上を見込む。韓国及びモンゴル金融事業は、韓国の中央銀行による2021年8月以降数回にわたる基準金利引き上げも一段落し、当初見込んだ市中金利の高騰による預金金利上昇や韓国全体における延滞の増加は回避できる見通しで、前回予想の1,432百万円の損失から240百万円の小幅損失に修正した。預金の主力が1年定期であり2022年秋に集めた高金利預金の影響は時間の経過とともに剥落することから、2023年12月期第3四半期から黒字転換し、2024年12月期には正常化する見通しであり、従来どおりの安定的な収益貢献を見込んでいる。
2022年12月期に黒字転換した東南アジア金融事業は、コロナ禍で緩和されていた監督当局による規制の厳格化に伴う企業の経営環境の悪化等に備えて貸倒引当金(損失評価引当金)を予め積み増したが、貸出金残高の順調な増加に伴い466百万円の損失から1,078百万円の利益に上方修正した。実際、第2四半期には優良な貸出金の積み上げ、資金調達コストの抑制や経費の削減に伴い計画を上回る利益を計上しており、同セグメントが今後の成長ドライバーになるとの位置付けは変わらない。新設の不動産事業は、ミライノベートの負ののれん益の計上や、不動産事業会社の事業規模拡大により、8,846百万円の利益から9,976百万円の利益に上方修正した。投資事業は、2,213百万円の損失から2,066百万円の損失に修正した。事業セグメントでは最大の損失であるが、Group Lease PCLらに対する訴訟は進捗しており、今後裁判が終結して将来的に支払いが履行されれば営業利益を押し上げる要因になり、また裁判費用の大幅な減少も増益要因になると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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