*12:34JST Jトラスト Research Memo(4):2023年12月期第2四半期決算は、すべての利益項目が期初計画を達成(2)
■業績動向
(2) 韓国及びモンゴル金融事業
Jトラスト<8508>の2023年12月期第2四半期の営業収益は22,882百万円(前年同期比48.1%増)、営業損失は1,196百万円(前年同期は12,467百万円の利益)となった。営業収益はJT親愛貯蓄銀行の子会社化と、貯蓄銀行業務における利息収益の増加により、大幅増収を記録した。一方、韓国中央銀行による基準金利の段階的引上げに伴う預金金利の上昇や貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加等により、営業損失を計上したが、業績悪化は想定したより小さく、営業損失額は計画値を12億円上回って着地している。預金獲得競争のために上昇した韓国の貯蓄銀行における1年定期預金金利も、2023年5月には前年8~9月頃の水準にまで低下し、金融環境は正常な状態に戻りつつある。
JT親愛貯蓄銀行の貸出残高は、不良債権増加やBIS規制遵守のために戦略的に抑制したことで、2022年12月末の2,700億円から2023年6月末には2,615億円に減少した。米国西海岸のシリコンバレー銀行が2023年3月に経営破綻したことを受け、金融当局の今後の対応が不透明なこともあり、アクセルを踏む状況ではないとの判断から、量より質を重視した結果だ。90日以上延滞債権比率は2022年12月末の5.62%から2023年6月末には7.8%に上昇したものの、7月は不良債権の残高が減少するなど、良化の兆しがあるようだ。
一方、JT貯蓄銀行では、2022年12月末の貸出残高1,938億円から2023年3月末には1,827億円に減少したが、4月を底に反転し、6月末には1,988億円に増加した。90日以上延滞債権比率は2022年12月末の4.96%から2023年6月末には5.39%に上昇したが、前月比では低下している。JT親愛貯蓄銀行は個人向け貸出の比率が高く、JT貯蓄銀行は中小企業取引に強いことが、両銀行の延滞債権比率の差になっている。
(3) 東南アジア金融事業
2023年12月期第2四半期累計の営業収益は17,575百万円(前年同期比40.5%増)、営業利益は620百万円(同160.3%増)となった。営業収益は、銀行業における貸出金や保有有価証券の増加に伴う利息収益の増加により増収となった。また、営業利益は、銀行業における調達金利の上昇により預金利息費用が増加したものの、市場実勢に合わせて貸出金利を引き上げたことにより増益となった。営業利益率も、前年同期の1.9%から3.5%に改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<AS>
(2) 韓国及びモンゴル金融事業
Jトラスト<8508>の2023年12月期第2四半期の営業収益は22,882百万円(前年同期比48.1%増)、営業損失は1,196百万円(前年同期は12,467百万円の利益)となった。営業収益はJT親愛貯蓄銀行の子会社化と、貯蓄銀行業務における利息収益の増加により、大幅増収を記録した。一方、韓国中央銀行による基準金利の段階的引上げに伴う預金金利の上昇や貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加等により、営業損失を計上したが、業績悪化は想定したより小さく、営業損失額は計画値を12億円上回って着地している。預金獲得競争のために上昇した韓国の貯蓄銀行における1年定期預金金利も、2023年5月には前年8~9月頃の水準にまで低下し、金融環境は正常な状態に戻りつつある。
JT親愛貯蓄銀行の貸出残高は、不良債権増加やBIS規制遵守のために戦略的に抑制したことで、2022年12月末の2,700億円から2023年6月末には2,615億円に減少した。米国西海岸のシリコンバレー銀行が2023年3月に経営破綻したことを受け、金融当局の今後の対応が不透明なこともあり、アクセルを踏む状況ではないとの判断から、量より質を重視した結果だ。90日以上延滞債権比率は2022年12月末の5.62%から2023年6月末には7.8%に上昇したものの、7月は不良債権の残高が減少するなど、良化の兆しがあるようだ。
一方、JT貯蓄銀行では、2022年12月末の貸出残高1,938億円から2023年3月末には1,827億円に減少したが、4月を底に反転し、6月末には1,988億円に増加した。90日以上延滞債権比率は2022年12月末の4.96%から2023年6月末には5.39%に上昇したが、前月比では低下している。JT親愛貯蓄銀行は個人向け貸出の比率が高く、JT貯蓄銀行は中小企業取引に強いことが、両銀行の延滞債権比率の差になっている。
(3) 東南アジア金融事業
2023年12月期第2四半期累計の営業収益は17,575百万円(前年同期比40.5%増)、営業利益は620百万円(同160.3%増)となった。営業収益は、銀行業における貸出金や保有有価証券の増加に伴う利息収益の増加により増収となった。また、営業利益は、銀行業における調達金利の上昇により預金利息費用が増加したものの、市場実勢に合わせて貸出金利を引き上げたことにより増益となった。営業利益率も、前年同期の1.9%から3.5%に改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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