今週のポイント
今週(8/14- )は、16日にRBNZ(NZ中銀)の政策会合があります。政策金利は現行の5.50%に据え置かれると考えられ、その通りの結果になればRBNZの声明や政策金利見通し、総裁会見に注目です。
今週はまた、RBA(豪中銀)議事録(15日)、豪州の4-6月期賃金コスト指数(15日)や7月雇用統計(17日)が発表されます。これらの結果に豪ドルが反応する可能性があります。
カナダの7月CPI(消費者物価指数)が15日に発表されます。BOC(カナダ中銀)は6月と7月の2会合連続で利上げを行いました。次回9月6日の政策会合に関しては、市場では政策金利は据え置かれるとの見方が有力なものの、CPIが市場予想の前年比3.0%を上回る結果になれば、利上げ観測が強まる可能性があります。その場合、カナダドルが堅調に推移しそうです。
原油価格の動向にも注目です。米WTI原油先物は10日に22年11月以来の高値をつけました。原油価格が一段と上昇すれば、カナダドルやメキシコペソにとってプラス材料になりそうです。
豪ドル/円やNZドル/円、カナダドル/円などのクロス円は、米ドル/円の動向には注意が必要かもしれません。本邦当局による円安けん制が出てくる、さらには為替介入(米ドル売り/円買い)が実際に行われれば米ドル/円が下落して、クロス円はそれに引きずられそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.10000NZドル>
豪ドル/NZドルは、8月16日のRBNZ(NZ中銀)会合の結果に大きく影響を受ける可能性があります。
RBNZは、前回7月の会合で政策金利を5.50%に据え置くことを決定。21年10月に開始した利上げを停止しました。
政策金利は今回も5.50%に据え置かれそうです。NZの4-6月期CPI(消費者物価指数)は前年比6.0%と、上昇率はRBNZのインフレ目標である1~3%を引き続き上回ったものの、上昇率は1-3月期の6.7%から鈍化し、21年10-12月期以来の低い伸びを記録。また、NZのGDP(国内総生産)成長率は、22年10-12月期と23年1-3月期と2四半期連続でマイナスでした。これまでの利上げの効果は、今後さらに出てくると考えられます。
RBNZの声明や政策金利見通し、オアRBNZ総裁の会見にも注目です。前回7月の会合の声明では、「政策金利は予見可能な将来において抑制的な水準に維持する必要がある」と表明。RBNZは5月時点で、政策金利は24年4-6月期まで5.50%に据え置かれて、同7-9月期から利下げが開始されるとの予測を示しました。
市場では、RBNZは政策金利を年内据え置くとの見方が有力ですが、一部に利上げ観測もあります。声明や政策金利見通し、総裁会見が利上げ観測を後退させるような内容になれば、NZドルが売られて、豪ドル/NZドルは上昇しそうです。
15日のRBA(豪中銀)議事録でRBAの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供される、あるいは豪州の4-6月期賃金コスト指数(15日)や7月雇用統計(17日)が市場予想からかい離する結果になれば、それも豪ドル/NZドルの材料になる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<メキシコペソ/円 予想レンジ:8.200円~8.800円>
BOM(メキシコ中銀)は8月10日の政策会合で、政策金利を11.25%に据え置くことを決定しました。据え置きは3会合連続で、据え置くとの決定は5人の政策メンバー全員一致でした。
声明では「政策金利は現在の水準に長期間維持する必要がある」との見方が示され、フォワードガイダンス(将来の金融政策の方針についてあらかじめ示したもの)は前回6月から変化しませんでした。
声明はまた、「前回(6月)の政策会合以降、総合とコアのインフレ率(CPI上昇率)は鈍化し続けているが、依然として高い」と指摘。また、「インフレ見通しは予測期間全体を通じて複雑かつ不確実であり、上振れリスクがある」との見方が示されました。声明をみると、BOMの政策金利は当面11.25%に据え置かれそうです。
メキシコの実質金利(政策金利からCPI上昇率を引いたもの)は現在6.46%(政策金利:11.25%、CPI上昇率4.79%)と高く、この状況は今後も続くと考えられます。実質金利からみれば、メキシコペソは堅調に推移しそうです。
原油価格が上昇傾向にあります。原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物は10日に一時1バレル=84.89ドルへと上昇し、22年11月以来の高値をつけました。原油価格が一段と上昇すれば、メキシコペソにとってさらなるプラス材料になりそうです。
一方で、米ドル/円の動向には注意が必要かもしれません。本邦当局による為替介入が実際に行われれば、米ドル/円に引きずられてメキシコペソ/円も下落すると考えられます。
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