*12:35JST ミアヘルサHD Research Memo(5):2023年3月期はM&A効果で過去最高売上を更新(1)
■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
ミアヘルサホールディングス<7129>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.0%増の22,249百万円、営業利益で同2.5%増の191百万円、経常利益で同10.9%減の169百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同28.1%減の209百万円となった。売上高は2021年10月に子会社化したライフサポートが通年で寄与したこともあって過去最高売上を更新し、営業利益も増益を確保した。EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)では同17.5%増の834百万円と過去最高を更新している。一方、経常利益は支払利息の増加や補助金収入の減少等により減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も特別利益として計上している設備等補助金収入(認可保育所の新規開設に係る自治体からの補助金)が前期の443百万円から330百万円に減少したこと、特別損失として不採算事業所の閉鎖に伴う関連費用33百万円、ライフサポートにおける過年度給与手当等44百万円を計上したことにより、2ケタ減益となった。
事業セグメント別の前期比増減額を見ると、売上高はすべての事業セグメントで増収となり、特にライフサポートの通年寄与により保育事業が2,462百万円の増収となり、売上高のけん引役となった。セグメント利益は医薬事業で27百万円、介護事業で172百万円の減益となった一方で、保育事業が175百万円、その他が9百万円の増益となり、また全社共通費用が19百万円減少したことが増益要因となった。
(1) 医薬事業
医薬事業の売上高は前期比2.3%増の8,986百万円、セグメント利益は同5.0%減の531百万円となった。2022年4月に実施された薬価改定や調剤報酬改定の影響により処方箋単価が同5.0%減の14,151円となった一方で、新規出店効果により処方箋枚数が同7.7%増の630千枚とコロナ禍前の水準近くまで回復したことが増収要因となった。処方箋単価は薬価改定(改定率6.69%減)の影響により薬剤料単価が低下したほか、技術料単価も若干低下した。処方箋枚数は、2021年12月に新規開局した「日生薬局 調布店」(医療モール型)、「日生薬局 江北店」(門前型)が通年で寄与したことに加えて、2022年5月に開局した「日生薬局 江北2号店」が寄与した。期末の店舗数は前期末比1店舗増の42店舗となっている。
利益面では、新規開局店舗の先行コストが発生したことに加えて、技術料単価の低下が減益要因となった。また、期初計画(売上高9,527百万円、セグメント利益660百万円)からの下振れ要因としては、2022年1月に開設された東京女子医科大学附属足立医療センターの門前薬局(江北店、江北2号店)の処方箋枚数が、当初計画を大きく下回ったことが主因だ。同医療センターは地域医療拠点病院として将来的に1日当たり外来患者数で1,200人程度の大規模病院になることが想定されていた。2023年3月期はスタート時点の600人から期末には1,000人程度まで増加することを前提としていたが、医師・看護師不足の影響もあって期末まで600人の水準が続いた。今後については東京女子医科大学病院の経営方針次第となるが、当面は現状の水準が続くことを前提に店舗運営を継続することにしている。
(2) 介護事業
介護事業の売上高は前期比1.0%増の3,444百万円、セグメント損失で147百万円(前期は24百万円の利益)となった。ライフサポートの介護施設が通年で寄与したほか、2021年9月にオープンしたホスピス「ミアヘルサ メディケアオアシス新百合ヶ丘(定員44名)」(24時間対応のミアヘルサ訪問看護ステーション新百合ヶ丘も同時開設)の稼働率が上昇したことにより増収を確保した。一方、コロナ禍が続くなかで通所介護(デイサービス)の事業所を一時的に休業したことや感染予防の観点から利用を自粛する動きが続き、同事業所の利用者数が同8.8%減の85千人と減少基調が続いたこと、サービス付き高齢者向け住宅においてもコロナ禍で営業活動を抑制したことにより入居促進が図れず入居率が低下したことが収益悪化要因となり、期初計画(売上高3,692百万円、セグメント利益48百万円)に対しても下回る要因となった。
なお、特別損失として不採算となっていた通所介護事業所1事業所を2023年2月に閉鎖したほか、2023年7~9月にも4事業所を閉鎖することを決定し、特別損失として減損損失52百万円、閉鎖事業所関連費用(引当金含む)7百万円を計上した。同社は通所介護事業所についてサービス付き高齢者向け住宅との併設によって事業効率を高めるドミナント戦略を推進しているが、閉鎖を決定した5事業所については単独展開しており不採算な状況が続いていた。また、「ミアヘルサ メディケアオアシス新百合ヶ丘」については看護スタッフ等の体制強化を図ったことで期末時点の入居率が損益分岐点を超える水準まで上昇しており、2024年3月期からの収益貢献が期待できる状況となっている。2023年3月期末の介護事業所数・施設数は、前期末比で1事業所減の67事業所となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
1. 2023年3月期の業績概要
ミアヘルサホールディングス<7129>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.0%増の22,249百万円、営業利益で同2.5%増の191百万円、経常利益で同10.9%減の169百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同28.1%減の209百万円となった。売上高は2021年10月に子会社化したライフサポートが通年で寄与したこともあって過去最高売上を更新し、営業利益も増益を確保した。EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)では同17.5%増の834百万円と過去最高を更新している。一方、経常利益は支払利息の増加や補助金収入の減少等により減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も特別利益として計上している設備等補助金収入(認可保育所の新規開設に係る自治体からの補助金)が前期の443百万円から330百万円に減少したこと、特別損失として不採算事業所の閉鎖に伴う関連費用33百万円、ライフサポートにおける過年度給与手当等44百万円を計上したことにより、2ケタ減益となった。
事業セグメント別の前期比増減額を見ると、売上高はすべての事業セグメントで増収となり、特にライフサポートの通年寄与により保育事業が2,462百万円の増収となり、売上高のけん引役となった。セグメント利益は医薬事業で27百万円、介護事業で172百万円の減益となった一方で、保育事業が175百万円、その他が9百万円の増益となり、また全社共通費用が19百万円減少したことが増益要因となった。
(1) 医薬事業
医薬事業の売上高は前期比2.3%増の8,986百万円、セグメント利益は同5.0%減の531百万円となった。2022年4月に実施された薬価改定や調剤報酬改定の影響により処方箋単価が同5.0%減の14,151円となった一方で、新規出店効果により処方箋枚数が同7.7%増の630千枚とコロナ禍前の水準近くまで回復したことが増収要因となった。処方箋単価は薬価改定(改定率6.69%減)の影響により薬剤料単価が低下したほか、技術料単価も若干低下した。処方箋枚数は、2021年12月に新規開局した「日生薬局 調布店」(医療モール型)、「日生薬局 江北店」(門前型)が通年で寄与したことに加えて、2022年5月に開局した「日生薬局 江北2号店」が寄与した。期末の店舗数は前期末比1店舗増の42店舗となっている。
利益面では、新規開局店舗の先行コストが発生したことに加えて、技術料単価の低下が減益要因となった。また、期初計画(売上高9,527百万円、セグメント利益660百万円)からの下振れ要因としては、2022年1月に開設された東京女子医科大学附属足立医療センターの門前薬局(江北店、江北2号店)の処方箋枚数が、当初計画を大きく下回ったことが主因だ。同医療センターは地域医療拠点病院として将来的に1日当たり外来患者数で1,200人程度の大規模病院になることが想定されていた。2023年3月期はスタート時点の600人から期末には1,000人程度まで増加することを前提としていたが、医師・看護師不足の影響もあって期末まで600人の水準が続いた。今後については東京女子医科大学病院の経営方針次第となるが、当面は現状の水準が続くことを前提に店舗運営を継続することにしている。
(2) 介護事業
介護事業の売上高は前期比1.0%増の3,444百万円、セグメント損失で147百万円(前期は24百万円の利益)となった。ライフサポートの介護施設が通年で寄与したほか、2021年9月にオープンしたホスピス「ミアヘルサ メディケアオアシス新百合ヶ丘(定員44名)」(24時間対応のミアヘルサ訪問看護ステーション新百合ヶ丘も同時開設)の稼働率が上昇したことにより増収を確保した。一方、コロナ禍が続くなかで通所介護(デイサービス)の事業所を一時的に休業したことや感染予防の観点から利用を自粛する動きが続き、同事業所の利用者数が同8.8%減の85千人と減少基調が続いたこと、サービス付き高齢者向け住宅においてもコロナ禍で営業活動を抑制したことにより入居促進が図れず入居率が低下したことが収益悪化要因となり、期初計画(売上高3,692百万円、セグメント利益48百万円)に対しても下回る要因となった。
なお、特別損失として不採算となっていた通所介護事業所1事業所を2023年2月に閉鎖したほか、2023年7~9月にも4事業所を閉鎖することを決定し、特別損失として減損損失52百万円、閉鎖事業所関連費用(引当金含む)7百万円を計上した。同社は通所介護事業所についてサービス付き高齢者向け住宅との併設によって事業効率を高めるドミナント戦略を推進しているが、閉鎖を決定した5事業所については単独展開しており不採算な状況が続いていた。また、「ミアヘルサ メディケアオアシス新百合ヶ丘」については看護スタッフ等の体制強化を図ったことで期末時点の入居率が損益分岐点を超える水準まで上昇しており、2024年3月期からの収益貢献が期待できる状況となっている。2023年3月期末の介護事業所数・施設数は、前期末比で1事業所減の67事業所となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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